移住コラム

リフォームとリノベーションはどちらがよい?特徴や費用相場も解説

移住先の住居費用を抑えたい、立地のよい土地が見つからないといった理由で中古物件を購入される方も多いかと思います。購入した中古物件を工事する際、リフォームリノベーションという言葉をよく目にします。リフォームを検討している人の中には「両者は何が違うのか?」「自分たちの場合はどちらがよいのか?」といった疑問を抱く方もいるでしょう。

そこで本記事では、リフォームとリノベーションの違い向いているケース費用相場費用を抑える具体的な方法について詳しく解説します。住まいの状態に合わせて適切な方法を選択するためにもぜひ参考にしてください。

リフォーム・リノベーションの違いと向いているケース

リフォームとリノベーション、それぞれの特徴の概要やメリット・デメリット、「こんな人におすすめ」などについて表でまとめて詳しく解説します。

リフォームとは

「リフォーム」とは、英語で「reforme」といい、老朽化した建物を改良することを意味します。例えば、設備の取り替えやクロスの張り替えなど、小規模工事が主な施工内容となっています。

また、マンションやアパートでは、内装・設備の経年劣化を新築に近い状態に戻したり、入居者が退去した後、入居前の状態に戻したりする工事がリフォームに該当します。これを原状回復とも言われています。

リフォームの特徴 住まいの一部だけを工事するため、費用を抑えながら短期間(約1週間〜10日前後)で施工が完了する。
メリット 住み慣れた家の雰囲気を残しながら一部だけを新しくできる。工事期間が短く予算も安いため、早急に機能の改良が可能。
デメリット 間取りの制約が大きいため、思い通りの改良が行えなかったり、建物の状態次第では、高額な費用が発生したりする。
こんな人におすすめ ・予算を抑え短い期間内で一部の機能を改良したい人
・キッチン・お風呂・トイレの設備が古くなってきた人
・外装塗装のメンテナンスの時期が近づいている人
・家族の成長に合わせた間取り変更したい人
・部屋の雰囲気を変えてインテリアを楽しみたい人

リフォームは、部分的な改良のみで新築状態へ戻す工事です。そのため、工事の規模が小さく短期間で終了し、費用も比較的リーズナブルです。大きな工事をせず、一部だけ改良したい方はリフォームが最適です。

リノベーションとは

「リノベーション」とは、英語で「renovation」といい、中古物件や既存の建物に大規模な工事を行うことで、新しい機能を付け加えたり、価値を高めたりする改装工事を意味します。

例えば、間取りを広くする、キッチンをより高性能なものに変更する、水・電気・ガスなどのライフラインの構造を改修するなど、大規模な工事を行い、新築当時以上の性能や快適空間にします。

リノベーションの特徴 既存の住居に対して大きな工事を行い、内装・外装をお洒落なデザインにしたり、断熱性能や耐震性など住宅の性能を高めたりできる。
メリット 住宅を自分の好みに応じて自由にリノベーション可能。新築するよりも、中古物件をリノベーションした方がコストを20〜30%抑えられるため、住みたいエリアを広げられる。
デメリット 設計完了まで数ヶ月〜半年かかるため、入居を待つ期間が長い。建物の品質・性能・状態が悪いと、追加の補修費用がかかるため費用が高くなる場合がある。
こんな人におすすめ ・売却や賃貸を見据え、資産として住宅を持ちたい人
・健康や環境に配慮した住居を作りたい人
・住みたいエリアにこだわりを持ち住居を探している人
・中古物件を購入してリノベーションをしたい人
・新築よりも予算を抑え、好みの住居を手に入れたい人

リノベーションは、住居の性能やライフスタイルに応じて間取りなどを見直すことで、
快適な暮らしを実現する工事
です。そのため、住居を理想の空間に仕上げたい方、新築物件を購入するより、中古物件を購入して費用を抑えたい方にリノベーションが最適です。

リフォームとリノベーションの費用相場

リフォームとリノベーション、「費用はどのくらいかかるのか?」疑問を抱く方も多いでしょう。ここでは、それぞれの費用相場について解説します。

リフォームの費用相場

リフォームの費用相場は、リフォームを行う箇所によって大きく異なります。例えば、キッチンのリフォームでは費用相場は50〜100万円です。50万円以下の場合は、大規模な工事を行わなければ新しいものへと交換可能です。

100万円以上の場合は、アイランドキッチンと呼ばれる調理スペースやシンクが独立しているキッチンや、リビングやダイニングに対面する形で調理できる対面型キッチンなどのリフォームを行うことができます。

また、トイレのリフォーム費用相場は15〜30万円です。全体の約4割が15万円未満、15〜30万円が約5割、30万円以上が約1割。特に近年主流となっているのがタンクレストイレです。空間を広々と使用でき、費用も10万円台とリーズナブルとあって一番人気があります。

その他にも、お風呂のリフォーム費用相場は50〜150万円です。壁材や天井材などの張り替え、給湯器やドアの交換などの小規模の工事の場合は、50万円未満でリフォームを行うことができます。

一方でユニットバスの全体交換、在来浴室からユニットバスへの交換、浴室の拡張・増築・移動となると50〜250万円の費用がかかります。リフォームを検討している方は、リフォーム箇所ごとの費用相場を事前に確認しておきましょう。

リノベーションの費用相場

リノベーションの費用相場は、マンションか一戸建てで相場が大きく異なります。マンションの場合は250〜900万円、一戸建ての場合は390〜2,000万円です。主に機能性や間取り・内装デザイン、素材のグレードや物件の階数などによって費用が大きく変わります。

例えば、オーダーキッチンや在来工法で設置するお風呂、節水や節電などの節約機能が付加されたトイレなど、資材や設備にこだわると費用がかさみます。また、タワーマンションなどの高層階の場合は、資材運搬の工数がかかるため費用が上がる傾向にあります。

さらに物件探しからスタートするのであれば、「物件購入費」と「諸経費」がかかります。特に「諸経費」は、司法書士報酬・仲介手数料・登録免許税などがかかるため、中古物件をリノベーションする際は、どのくらいの費用がかかるのか、予算内で収まるのか確認しておきましょう。

リノベーションの費用を抑えるポイント

リノベーションする際の費用を少しでも抑えるためのポイントを紹介します。

インスペクションに合格した中古物件を購入する

インスペクションとは、建築士の資格を持つ専門家が、中古住宅の欠陥がないか第三者的な立場で住宅の現状の検査を行うことです。

具体的な検査箇所は、次のような箇所です。

  • 構造耐力上の安全性に関わる部分(基礎・柱・壁・床など)
  • 雨漏り・水漏れに関わる部分(屋根・外壁・内壁・サッシなど)
  • 設備配管に関わる部分(給排水管・排気ダクトなど)瑕疵がないか

調査された中古物件は安心して購入できるのがメリットです。

つまり、インスペクションに合格している中古物件を購入すれば、著しい欠陥や劣化のある住宅を知らずに購入してしまうリスクを減らせます。今の物件のコンディションから、直すべき箇所の有無や修繕に必要なおおよその費用をあらかじめ知ることができるため、リノベーションする際、費用を抑えることができます。

素材・設備等を安いものに変更する

リノベーションの費用を抑えるポイントは、素材・設備等を安いものに変更することです。同じ機能を持つ素材でも、デザインなどで費用が大きく変わるため、安いものに変更しましょう。

例えば、内装のクロスを漆喰塗りから、機能付きビニールクロスや珪藻土クロスに変更することで素材を見直したり、間取りでは個室に扉を付けず、半個室にしたりして予算を抑えることが可能です。

特にリノベーションでは、素材・設備等にこだわればこだわるほど費用がかさむため、「今必要なものだけ」に絞り、予算に見合ったプランニングをすることが大切です。

グレードを下げ不要な機能を付けない

リノベーションの費用を抑えるポイントは、グレードを下げ不要な機能を付けないことです。床材や建具などにハイグレードなものを使用していると、工事費用が高くなるので、部材などのグレードを落とすことで費用を抑えられます。

例えば、キッチンリフォームでコンロを選ぶ際、IHコンロよりもガスコンロを選択した方が費用を抑えられます。また、コンロの素材は標準仕様のホーロートップとガラストップがありますが、標準仕様のホーロートップを選択した方が費用を抑えられます。

このように、リノベーション箇所を一つずつ精査していくことで、費用を大きく抑えることができるので、予算を最小限に抑えてリノベーションしたい方やデザインのこだわりがない方は、グレードを下げ不要な機能を付けないことをおすすめします。

既存の間取りを活かした配置にする

リノベーションの費用を抑えるポイントは、全ての間取りを変更せず、既存の間取りを活かした配置にすることです。既存の壁や配線を活用すれば、内装や設備等の費用を抑えることができます。

しかし、中には既存の間取りを大幅に変更しなければ、理想の暮らしを実現できない場合もあるでしょう。その際は、依頼先の施工会社に相談し、費用を抑えながら理想を叶えられる方法を探すことをおすすめします。

補助金や減税の制度を活用する

リノベーションの費用を抑えるポイントは、国からの補助金や税制優遇、自治体独自による支援制度を利用することです。

特に「耐震補強」「省エネ・エコ」「介護・バリアフリー」「在宅勤務・ウイルス対策」などによる改修の場合は、補助金や減税の制度が充実しています。

地域ごとに利用可能な補助金制度は異なるので、対象となる条件などの詳細は自治体のHPを確認してください。なお、いずれの制度も予算が上限に達し次第、締め切られる場合があるので要注意。

金利の低いローンを選ぶ

リノベーションの費用を抑えるポイントは、なるべく金利の低いローンを選ぶことです。
そもそも、ローンには「リフォームローン」と「住宅ローン」の2種類あります。

「リフォームローン」は、リフォームやリノベーションに特化した金融商品です。「住宅ローン」は、住宅購入が目的の金融商品であり、どちらも費用を借入可能です。

最近は中古物件を購入し、リノベーションする方法が人気を集めています。リノベーションを前提に中古物件を購入する場合は、住宅ローンもしくは、住宅ローンとリフォームローンが一体化した金融商品を選んだ方がお得に借入できます。

ローンを組む際は、営業マンの口車に乗せられるままに契約するのではなく、担保の有無や返済方法、変動金利または固定金利なのかなど、自分にとってどれが一番最適なのか確認した上で契約を結びましょう。

住まいの状態に合わせて適切な方法を選択しよう

いかがでしたでしょうか。本記事では、中古物件購入した際、リフォームとリノベーションの違いや向いてるケース、費用相場や費用を抑える具体的な方法などについて詳しく解説してきました。

中古物件を購入と同時にリノベーションを検討されている方は、補助金や減税の制度を活用したり、住宅ローンとリフォームローンが一体化した金融商品を活用したりして費用を抑えることをおすすめします。

まずは複数の会社に見積もりを依頼し、施工内容や費用の内訳などを比較することが重要です。ご自身の理想的な暮らし方を正しく汲み取ってくれる施工会社を探し出しましょう。

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