上京して生活していると、都会の喧騒や満員電車にウンザリして、地元に帰りたいと思うことも多いのではないでしょうか?慣れ親しんだ地元は心地よく住める可能性が高いです。家族と住む一軒家を持つ際などには、地元は候補になるでしょう。しかし、地元に移住する際には注意点もあります。
そこで、今回は地元に帰りたいと思っている方に向けて、地元に帰りたくなるきっかけ、帰った際の仕事の選択肢や、帰る際の注意点、利用できる補助金について解説します。
地元に帰りたくなるきっかけ
地元に帰りたいという気持ちは、何をきっかけに引き起こされるのでしょうか。地元に帰りたくなるきっかけを紹介します。
転職や仕事での悩み
仕事で行き詰まったり、転職したくなったりしたときには、ふと「地元に帰りたい」と思うことは少なくありません。都会では仕事で関わる人も多く、人間関係へのストレスが溜まったり、自分のキャリアに対して不安に思う機会も多くなります。
地元に帰れば、そういった仕事での悩みから解放されると信じ、帰郷を検討するケースがあります。
結婚や出産、離婚など
結婚や出産をきっかけに、一つの場所で身を落ち着けたいと考えて、「地元に帰りたい」と思う方もいるでしょう。地元は頼れる人も多く、都会と比べて自然豊かでのんびりとしているので子育て先に選ぶ方も多いです。
逆に離婚して、それまでの家庭から離れた結果、「地元に帰りたい」と思う場合もあるでしょう。自分が身を寄せられる場所として真っ先に思いつく方も多いのではないでしょうか。
将来の暮らしを見据えて
都会の仕事先や大学などでうまく行かなかった際に、一旦地元に帰って将来について考えたいと言う方もいます。都会での生活は生活コストも高く、食費や家賃を稼ぐのに精一杯になります。
そんな生活に行き詰まりを感じて、ゆっくり自分を見直す機会として、地元に帰ることを検討する方もいます。
Uターン移住のメリット
Uターン移住にはいくつかのメリットがあります。その中から特に代表的な3つのメリットを選んで紹介するので、参考にしてみてください。
移住後の生活をイメージしやすい
知らない土地への移住は、地理や文化が分からないので、移住後の生活もイメージがつきにくいものです。特に街の中心地が分からないと、物件探しに苦労するかもしれません。地元なら地理や文化、地元の人々の習慣などが分かっているため、移住後の生活がイメージしやすく、スムーズに新生活の準備が可能です。住む場所や仕事も探しやすいので、幸先の良い新生活がスタートできるでしょう。
小さな子どもがいる場合は実家の家族も子どもの面倒を見てくれる
小さな子どもがいる場合、家族のサポートは心強い必須です。Uターン移住をすれば、祖父母や親戚などの信頼できる家族が近くにいるため、子どもの面倒を見てもらうことが可能です。たとえば、子どもが風邪を引いたときに看病をお願いすれば、仕事を休まずに済みます。子どもが産まれたときにサポートを頼めば、睡眠不足も解消されるでしょう。
人間関係で安心感がある
地元に戻れば、学生時代の友人などの既に築かれた人間関係があります。繋がりを活かせば、新しい場所で一から人間関係を築くよりも、スムーズに新生活がスタートできるでしょう。また、職探しをする場合は、地元のネットワークを活用すれば、早く見つかるかもしれません。Uターンするときは、積極的に地元の知人や友人と連絡をとってみましょう。
地元に帰りたいけど仕事があるか不安
地元に帰りたい方にとって大きい不安要素は「仕事」ではないでしょうか。地元に帰っても仕事がなければ給料がもらえないので、生活が成り立ちません。
ただ、キャリアについてじっくり考えて計画的に就職活動を頑張れば、地元で就職先を見つけることも不可能ではありません。これから先は地元に帰った際の仕事の見つけ方やその際に使える支援制度を解説します。
地元に帰って仕事する際の選択肢
地元に帰って仕事をする場合に、どのような選択肢があるのかを解説します。
地元企業や第一次産業、公務員などに就職する
今の職場での仕事を続けられない場合、地元で企業を探してそちらに転職しなくてはなりません。地方就職は都会より給料が落ちるという声もありますが、今までの職歴や実績をアピールしつつ転職先に自分を売り込むことで、給料を上げることも夢ではありません。
また企業就職以外にも、農業などの第一次産業に従事する、公務員試験を受験、合格し、地方公務員になるといった選択肢もあります。地方で新しいキャリアを築きたいという方はぜひ検討してみましょう。
転職せずにリモートワークで働く
フルリモートワークに対応している会社に勤めているなら、移住しても転職せずに働く事ができます。移住しても職場を変えない場合、人間関係を一から構築しなくても良い、給料を下げずに働けるなどのメリットがあります。
ただし、いきなりフルリモートワークを申し出ると、職場の同僚に迷惑をかけてしまう可能性があるので、移住を検討している段階から早いうちに会社に話を通すことが大事です。
起業もしくはフリーランスとして独立する
移住をきっかけに独立し、起業したり、フリーランスとして活動を始めるのも一つです。今まで身につけてきたスキルを活かすのはもちろん、地方創生のような地元でしかできない活動に従事する事もできます。
地元に帰る際の注意点
地元に戻る、いわゆる「Uターン」移住には様々な注意点があります。移住を検討している方は事前に検討しておきましょう、
Uターン転職したい場合は、早めに行動する
地元に戻る際にUターン転職を検討されている方は、できるだけ早めに転職先を探しましょう。地元に帰っても仕事が決まっていなければ、収入がないまま不安な毎日を過ごすことになります。
地元は都心と比べて求人数が少ない可能性が高いので、希望の就職先を探すのにも時間を使います。じっくり時間をかけて、自分の希望する仕事ができる環境を探しましょう。
家族は環境の変化を許容できるのか?をよく話し合う
「地元に帰りたい」と思っていても、家族はそう思ってない可能性もあります。地元は都心と比べると娯楽施設や教育施設が少ない場合が多く、また新しい環境に馴染めるかどうか不安に思っている可能性もあります。
いきなり「地元に帰ろう」というのではなく、早い段階から「地元に帰りたい」「なぜ帰りたいのか」という気持ちを伝え、じっくり相談しましょう。
親との同居は慎重に検討する
地元に帰る場合は親との同居を検討する方もいらっしゃるでしょう。同居をすれば生活コストを抑えられたり、子育てのサポートが得られやすかったりといったメリットがあるのは確かです。
しかし家族と親の相性が良いとは限りませんし、場合によっては将来的に介護の負担が増える可能性もあります。親と同居する前に、家族と相談した上で親と円満にやっていけるのかを慎重に検討しましょう。
新しい住居が必要になる
地元に帰る場合、新しい住居が必要になります。賃貸に契約する場合も、新築の一軒家を建てる場合も、物件探しには時間や手間がかかりますし、契約代や引っ越し代など様々な費用を用意しないといけません。
新規物件を契約する場合、数十から数百万円は必要になるので、事前に用意しておきましょう。
地元に帰る(Uターン移住)場合は、助成金制度を活用しよう!
転職や引っ越しなど、地元に帰る際には様々な費用が生じます。
しかし、自治体によってはUターンした方を支援する助成金や補助金を用意しており、制度をうまく活用することで負担を抑えることができます。一例として、Uターン移住者向けの支援を行う自治体を3つ紹介します。
制度の概要を簡単にまとめましたので、気になる方は各自治体のサイトで詳細を確認してみてください。
群馬県館林市「UIターン支援奨励金」
奨励金額 | 10万円(館林市金券での支給) ※18歳以下の者がともに転入した場合1人につき5万円加算(上限10万円) |
対象 | 以下の主要条件を全て満たす人 ・50歳未満 ・市内の事業所に勤務し、6カ月以上継続して正規雇用されている人 ・1年以上市外に住民登録されていた人で、雇用開始前後3カ月以内に市内に転入し、6カ月以上居住している人 |
福井県敦賀市「U・Iターン移住就職等支援事業補助金」
支給金額 | 単身:最大40万円 世帯:最大80万円 |
対象 | 令和2年4月1日時点で45歳未満の方で、県外に5年以上居住し、敦賀市に住民票の異動を伴う移住をした人のうち、1~3のいずれかに該当する場合 1.ひとり親世帯であり、かつパート就労を開始した方【ひとり親就労タイプ】 2.福井県の労働移動促進事業を利用し、トライアル就労を開始した方【非正規就労タイプ】 3.正社員として、3か月以上連続している方【正規就労タイプ】 |
参考:移住支援金(U・Iターン移住就職等支援事業補助金)制度が新しくなりました/福井県敦賀市
岩手県大槌町「大槌町UIターン就業支援事業助成金」
補助金額 | 最大3回の申請可能で、世帯構成によって補助金額は変動
【初回】 【2回目以降】 |
対象 | 以下の主要条件を全て満たす人(Uターン移住の場合) ・初回申請時において50歳未満の者で、2年以上町外で生活したあと平成27年4月以降に転入し、6か月以上町内に居住している ・6か月以上、「同一事業所等に就業」「町内で新たに起業し、事業を継続」「農林漁業に従事」のいずれかを満たす ・2回目以降の申請にあっては、初回交付後、町内に継続して居住し、かつ同一事業所等又は農林漁業に就業していること |
参考:大槌町UIターン就業支援事業助成金について/岩手県大槌町
地元に帰る際は住居と仕事を確保しよう
地元に帰るためには、住居と仕事を確保すること、そして家族の納得を得ることが大事です。住居を探して、帰郷後の仕事について計画を立てた上で家族とじっくり話し合った上で、地元への移住に臨みましょう。
本当に地元に帰ると決意した場合は、Uターン助成金・補助金を活用することで大幅に費用を削減できます。ご自身の地元にもUターン移住者むけの支援制度がないかをぜひチェックして活用してみてくださいね。