愛知県中部の西三河地方にある安城市は、昔から農業と産業で栄えてきました。周囲は田園に囲まれており、同じく農業が盛んなデンマークにちなんで、日本のデンマークとも言われています。市内には広い敷地を持つ市営公園や、図書館やホールを併設した公共の複合施設があるので、子育て世代だけでなく、自然に囲まれた暮らしを楽しみたいという人にも人気があります。
名古屋へのアクセスもいいので、利便性の高い安城市を移住先に検討している人も多いのではないでしょうか。今回はそんな安城市の魅力や、移住のメリット・デメリットなどを紹介します。都市部からの移住を助ける支援制度もあるので、ぜひこの記事を参考に移住を検討してみてくださいね。
安城市が移住先として人気の理由3選
愛知県内には県庁所在地の名古屋市や、トヨタ自動車で有名な豊田市がありますが、その中でも安城市の魅力は主に3つ。都市部へのアクセスの良さ、農業が盛ん、豊かな財政力です。それぞれ解説するので、安城市が移住先として合うかどうか、参考にしてみてください。
新幹線「三河安城駅」があり大都市へのアクセスが良い
安城市は名古屋市・豊橋市とともに、愛知県内で新幹線が停まる街のひとつです。その立地から車を持つ人が多い街ですが、コロナの規制が緩和された今、少し足を伸ばして遠出したいですよね。新幹線を利用すれば車では時間がかかる遠方にも気軽に行けるので、旅行が好きな人・出張がある人におすすめです。
三河安城駅に止まるのは各駅停車の新幹線こだまのみですが、一駅先の名古屋で乗り換えればのぞみを利用できます。少し戻る形にはなりますが、横浜や東京に出かける際は各駅停車の新幹線を利用するよりも時間短縮になって便利です。
日本のデンマークと呼ばれるほど農業が盛んで田舎暮らしができる
かつて安城市はその大部分が原野でしたが、1880年に明治用水(碧海郡今村上倉池までの新水路)が完成すると、水路がひかれ、原野から水田へと生まれ変わりました。その後町農会、愛知県立農林学校、愛知県農事試験場が開設、農業先進都市として発展したことから、安城市は「日本のデンマーク」と呼ばれています。
移住を検討している人の中には、農業に興味がある人も多いのではないでしょうか?そんな人のために、安城市では「一坪農園」という取り組みを行なっています。その名の通り一坪のスペースで野菜作りが体験できる講座で、初心者でも野菜作りが楽しめます。募集は春夏野菜と秋冬野菜の年に2回あるので、気になる人は安城市のホームページでチェックしてみてくださいね。
トヨタ自動車関連企業が多く市の財政が潤っている
豊田市に近い安城市はトヨタ自動車関連の企業や工場が多く、そのため全国的に見ても財政が安定しています。2020年には全国の自治体を対象にした市の財政健全度ランキングで3位となりました。
その安定した財政を生かし、安城市は「市民一人ひとりが生活の豊かさとともに幸せを実感できるまち」を理念に掲げ、「健幸都市」を目指しています。健幸都市とは「健康」「環境」「経済」「きずな」「こども」の5つの要素を高めることで、市民の健康と幸福を目指す取り組みです。こういった政策ができるのも、安定した財政力のある安城市ならでは。こういった政策があると、移住後の不安も軽くなりますよね。
安城市移住のデメリット3選
ここまで安城市の魅力をお伝えしましたが、この土地ならではのデメリットもあります。移住前に確認しておきましょう。
農村地域が多く車がないと不便
新幹線が停まり、市街へのアクセスがいい安城市。ですが、やはり農業が盛んな街なので、周囲は農村で囲まれており、公共交通機関のみの生活は少し難しいです。
市内にはあんくるバスと呼ばれる循環バスなどが走っていますが、最終バスの時刻は都市部に比べるとかなり早いので、車を持っていた方が生活には便利でしょう。
車通勤の人が多く交通渋滞が発生しやすい
首都圏と比較すると公共交通機関が発達していない地域なので、やはり車を利用して通勤している人が多いです。そのため、朝の通勤時間や夕方の帰宅時間には交通渋滞が発生しやすく、時間に余裕を持った行動が必要となります。
車を持つと維持費用はかかりますが、電車の時間を気にしなくてもいいので、通勤だけでなく、ちょっとしたお出かけや遠出にも便利です。もし移住前の下見に来る際は、レンタカーを利用して市内を回り、車がある生活を体験して見てくださいね。
名古屋や豊田のベッドタウンであり安城市自体の魅力は薄い
安城市から名古屋市や豊田市までは1時間もかからず行けるため、ベッドタウンとしての印象が強く、安城市自体の魅力は薄く思われます。華やかな場所が好きな人にはあまり向かないかもしれません。逆に、都市部から離れ、落ち着いて暮らしたい人にはおすすめです。
安城市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
安城市の魅力やデメリットをお伝えしてきましたが、移住先の候補として検討している人も多いのではないでしょうか?安城市は移住者を積極的に受け入れており、移住者向けの支援も充実しているので、ぜひ参考にしてください。
首都圏人材確保支援事業補助金
対象になるのは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県から安城市へ移住し、次のどちらかに当てはまる人です。
- 愛知県が運営するマッチングサイトに移住支援金対象法人として掲載されている企業に就業した人
- あいちスタートアップ創業支援事業費補助金事業における起業支援金の交付決定を受けた人
現地で就職した人や企業した人など、働き方によって条件は異なりますが、条件を満たした人には単身で60万円、世帯で100万円の補助金が交付されます。引越し費用や家具・家電の買い替えなど、初期費用はやはり不安のひとつですよね。補助金を受け取ることができた場合は、初期費用を十分まかなえる金額になるのではないでしょうか。詳しい条件は安城市のホームページにてチェックしてみてください。
スマートハウス普及促進補助金制度
これは地球温暖化対策の一環として、自宅で効率的にエネルギーを利用している人に対し補助金を交付し、温室効果ガスの削減と自立・分散型エネルギー社会を目指す制度です。太陽光発電や電気自動車を利用している人など、条件を満たせば申請ができます。
都市部から離れて移住する人の中には、戸建を持つことを考えている人も多いと思います。せっかく家を持つのであれば、環境に配慮したエネルギーを活用したいですよね。申請するには購入した自宅にシステムを設置する、税金を滞納していないなどの条件があるので、確認した上で申請してください。
安城市移住でおすすめのエリア3選
田舎らしい景色が広がる安城市ですが、自分の生活スタイルに合った地域に住みたいですよね。ここではおすすめのエリアを3つ紹介します。
自宅周辺で便利に暮らしたいなら「新安城駅周辺エリア」
新安城駅の周辺は大型のスーパーやディスカウントストアがあり、徒歩圏内で買い物をできるのが魅力です。また、近くには総合病院もあるので、怪我や病気をした時にもすぐに行けます。また、特急も多く停まるので、通勤や通学にも便利なエリアです。
東京や大阪出張が多いなら「新幹線三河安城駅周辺エリア」
仕事で東京や大阪への出張がある人には、新幹線が止まる新幹線三河安城駅周辺のエリアがおすすめです。着いた駅から新幹線が出ていると、大きな荷物があってもスムーズに乗車できますよね。周囲にはコンビニやスーパーがあるので、買い物にも便利です。
田舎暮らしを満喫したいなら「南部エリア」
南部には農業で栄えた安城市らしい田園風景が広がっているので、田舎暮らしを楽しみたい人におすすめです。電車やバスはあまり便がないので車が必要になりますが、インターチェンジが近いので、高速を利用してのお出かけもしやすいです。
安城市の情報を収集する際に便利なサイト3選
日本三大七夕祭りのひとつと言われる安城七夕祭りや、歴史ある街並みが魅力の安城市。移住するのであれば、色々な情報を収集して移住生活を楽しみたいですよね。そんな時に参考になるサイトを3つ紹介します。
まいぷれ[安城市]
主に安城市内のお店情報をまとめているサイトです。「和食」や「ランチ」などキーワードで検索ができます。また、地元のイベント情報やコロナウイルスについての情報も掲載しているので、お出かけ前にはチェックしてみてくださいね。
安城市観光協会
レジャースポットやイベント情報など、観光情報をまとめているサイトです。移住前にもし安城市に行かれる際は、ぜひ参考にしてくださいね。また、安城市の歴史や「ごんぎつね」の作者である新美南吉ゆかりの場所にもまとめられています。歴史に触れた上で街を散策するのもおすすめです。
Chaoo.jp
西三河と呼ばれる、安城市を含めた9つの市のお店情報がまとめられたサイトです。主に飲食店の情報が多く、季節のグルメやキャンペーンについて随時更新されています。無料会員になると閲覧履歴が見られたり、お気に入りのお店を登録できたり、便利な機能がついているので、移住後はぜひ活用してくださいね。
安城市の魅力を知って移住を検討しよう
安城市の魅力は、田舎暮らしができ、かつ都市部へのアクセスもいいところです。自然に囲まれた生活も穏やかでいいですが、出張や買い物が便利だと生活もしやすいですよね。移住を検討している人の中には、仕事と田舎暮らしを両立させたいと考えている人も多いと思います。
そんな人にこそ、安城市を移住先としておすすめします。ぜひ一度この記事を参考にして、安城市まで足を運んでみてくださいね。