九州の政治、経済、ファッション、文化の中心地として賑わう福岡市は、東京23区を除き日本で5番目（2023年5月現在）に人口の多い大都市です。
古くから朝鮮半島や中国大陸との交流があり、アジアの玄関口として発展してきました。
新幹線や高速道路、福岡空港、博多港など、陸海空の交通ネットワークが充実し、福岡市は全国屈指の交通アクセスを誇っています。
豊富な飲食店や商業施設の他、大規模に張り巡らされた地下街など、街には生活に便利な施設がコンパクトに詰められており、暮らしの導線もスムーズです。
また、福岡県と言えば真っ先に思い浮かぶのが、新鮮な魚介類、ラーメン、もつ鍋、明太子などのグルメでしょう。福岡市には、バラエティに富んだグルメを堪能できる飲食店が軒を連ねています。加えて、福岡ならではの屋台文化も見逃せません。
そんな多彩な魅力が満載の福岡市は、住みたい街ランキングで常にトップに君臨しており、移住者も急増しています。
今回は、福岡市に移住するにあたってのメリットやデメリットの他、住みやすいエリア、受けられる支援などを見ていきましょう。
福岡市が移住先として人気の理由3選
年々人口が増え続けている福岡市ですが、その理由は何なのでしょうか？ここでは、福岡市に住むメリットを3点チェックしてみましょう。
都市部から空港が近い
福岡空港が都市部から驚くほど近いのを知っていますか？
一般的に、空港と都市間の移動にはそれなりの時間が必要です。
例えば、世界の各主要都市から各空港へは、東京や北京は約30分、ロンドンでは1時間ほどかかります。
それに比べて、福岡空港は博多駅から地下鉄でわずか5分の近さです。西鉄電車やバスの便も充実しているので、天神からでも15分あれば空港までアクセスできます。
地理的には遠くても、飛行機に乗ってしまえば東京までは2時間弱です。
その他、沖縄や韓国、中国などのアジア各都市へもアクセスしやすいため、福岡市は旅行や出張の際にも大変便利な都市だと言えます。
中心部の商業地が活性化している
九州一の都会でもある福岡市は、商業施設が充実しており、買い物しやすいのが特徴です。
特に、中心地の博多や天神には、百貨店やショッピングモールが立ち並び、東京や大阪などの大都市でしか見られない流行のショップにも出会えます。
また、地下鉄の駅が大きな駅ビルや商業施設と直結しているため、移動のついでに手軽に買い物ができて便利です。
地下街にも無数の店舗が入っており、必要なものはほぼ手に入るでしょう。
さらに、街がコンパクトで公共交通機関も発達しているので、車がなくても簡単に中心街へアクセスできるのも見逃せません。
都会すぎるのは避けたいけれど、ある程度の便利さはほしいという人には、まさにうってつけの街です。
豊かな食文化があり魅力的なグルメを堪能できる
福岡と聞いて多くの人が思い浮かべるのが、魅力的な食べ物や名産でしょう。
とんこつラーメン、もつ鍋、水炊き、焼き鳥、明太子……
いずれも福岡県が誇るソウルフードであり、名前を聞いただけで福岡の名物だとわかる人が多いのではないでしょうか？
海にも山にも近い福岡では、海産物をはじめ、肉類、野菜、果物に至るまで、どれをとっても新鮮で美味しいものが手に入ります。
また、福岡では、他県には見られない独特の屋台文化が味わえるのもポイントです。
ラーメン、おでん、餃子、焼き鳥、天ぷらなど、福岡市ではバラエティに富んだ屋台が営業しており、その数は100軒を超えるとも言われています。
都会のど真ん中に立ち並ぶ屋台は、国内外からの観光客にも大人気で、屋台の周りは連日賑わいが絶えません。
豊かな食文化を習慣的に堪能できるのも、福岡市に移住する大きなメリットです。
福岡市移住のデメリット3選
一見悪い面がなさそうな福岡市ですが、住むとなれば見方は変わってきます。福岡市移住のデメリットも理解し、自分に合っているか見極めていきましょう。
ラッシュ時は道路も公共交通機関も混雑する
福岡市は、人口150万人を超える日本第5位の都市であるため、朝夕の通勤ラッシュ時には道路も公共交通機関も混雑します。
特に、市街地の中心部や主要な交差点周辺の道路は渋滞しやすく、移動に時間がかかることがあるので注意が必要です。
また、県下随一の繁華街・天神は、休日は常に観光客や買い物客で溢れており、電車やバスは満員になります。
福岡市に移住する場合は、ある程度の渋滞・人混みは覚悟しておきましょう。
黄砂やPM2.5の飛来量が多い
空気があまりきれいではないのも、福岡市ならではのデメリットです。
中国大陸に近い福岡市は、大陸からPM2.5や花粉、黄砂、光化学スモッグなどが毎年運ばれてくるという厄介な問題を抱えています。
遠くの山や景色が霞んで見えることも多く、酷い時は洗濯物を外に干せなくなるレベルです。
また、黄砂やPM2.5の影響で、福岡市に移住してから元々の花粉症が悪化してしまったという人も少なくありません。鼻炎持ちの人や花粉症の人は要注意です。
プロパンガスの物件が多くガス代が高い
東京では東京ガス、大阪では大阪ガスのように、日本の一般家庭では基本的に都市ガスが使われていますが、福岡ではプロパンガスがメインです。
プロパンガスの最大のデメリットは、料金が高い点に尽きます。
ガス事業者が独自に値段を設定できることから、プロパンガスの料金は都市ガスの1.8〜2倍ほど高いと言われており、一人暮らしでも冬場のガス代が1万円を超えてしまうこともあるようです。
福岡市の家賃は、都市規模の割に安いところが多いですが、その分ガス代が高くつくということを忘れないようにしましょう。
福岡市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
福岡市に移住すると、どのような支援が受けられるのでしょうか？早いうちにチェックしておくと移住してから役立ちます。
空き店舗における創業応援事業
福岡市では、市内の商店街の空き店舗を利用した創業・開業の援助を行っています。
出店経費を補助し、商店街の活性化を担う新たな人材の確保が目的です。
支援を受けるには、「指定の創業支援事業を修了」、「創業ビジネスプランの作成」などの条件があるので、下記から確認してみましょう。
参照：福岡市商店街空き店舗における創業応援事業補助金交付要綱
ふくおかよかとこ移住相談センター
「ふくおかよかとこ移住相談センター」は、福岡県への移住相談ができる窓口です。
東京と福岡に開設されている他、オンラインでの相談も受け付けています。
住まいや交通、子育て、求人情報など、幅広いジャンルに対応しているので、疑問点があれば活用してみることをおすすめします。
相談は予約制なので注意しましょう。
参照：福岡県 移住・定住ポータルサイト 福がお～かくらし ふくおかよかとこ移住相談センター
福岡市空き家バンク
福岡市では、管理不全の空き家発生防止と、地域活性化の観点から、空き家バンク制度を設けています。
登録された空き家は不動産サイトに掲載され、閲覧が可能です。物件情報は定期的に更新されるので、気に入った物件があれば内見に行くなど早めにアクションを起こしましょう。
詳細は、下記のリンクから調べてみてください。
福岡市移住でおすすめのエリア3選
魅力がいっぱいの福岡市には、住みやすいエリアが集まっています。人気のエリアを3ヶ所覚えておきましょう！
賑やかな中心街「天神エリア」
百貨店やファッションビルなどの商業施設に、巨大な地下街、熱気漂う屋台グルメ……
福岡市のほぼ真ん中に位置する天神は、九州一の繁華街との呼び声が高い人気エリアです。
150を超える店舗がひしめく天神地下街や、「ソラリアターミナルビル」、「福岡PARCO」を始めとする天神駅直結の商業施設がひしめき合い、常に賑わっています。
アパレルショップ以外にも、安くて美味しいレストランやカフェ、居酒屋が集まっており、
食の面でも見どころが豊富です。
そして、天神ではぜひ屋台巡りをしてみることをおすすめします。
おでんやラーメン、餃子など、多様な種類の屋台が立ち並ぶ様子は、見ているだけでワクワクするでしょう。
お気に入りの屋台が見つかれば、移住生活もより楽しめますね。
2015年には、大規模再開発プロジェクト・「天神ビッグバン」も開始され、さらなる発展が期待されるエリアです。
交通の要衝「博多エリア」
博多は、「福岡市内で住みたい街ランキング」で常に上位に入る人気の街です。
九州最大の駅・博多駅からは、JR、地下鉄、新幹線、高速バス、飛行機へと接続が可能で、交通アクセスの利便性は市内一を誇ります。
繁華街・天神までは地下鉄で5分、さらに福岡空港へも5～6分でアクセスできるので、出張や移動が多くてもそれほど負担がかかりません。
国内外の旅行もしやすいので、旅行好きの人にもおすすめのエリアです。
また、駅周辺には24時間営業のスーパーやコンビニ、ドラッグストア、100円ショップなども充実しているため、車がなくても問題なく生活ができる点でも高評価を得ています。
自然豊かで落ち着いた暮らしができる「大濠公園エリア」
便利さもいいけれど、やっぱり静かで落ち着いた生活がしたい、という人には、「大濠（おおほり）公園エリア」がおすすめです。
豊かな自然に囲まれていながら、中心街へのアクセスもバツグンという理由から、大濠公園エリアは、2018年度の「福岡住みたい街ランキング」で博多に次いで第2位にランクインしています。
天神までは地下鉄で約5分、博多までは約10分なので、ショッピングにも便利です。
公園内には池や芝生の他、日本庭園や美術館なども併設されており、ゆったりとした時間が流れています。
また、大濠公園エリアではイベントが盛んに開催されるのもポイントです。
特に、春の「福岡城桜祭り」や、夏の「西日本大濠花火大会」は大人気イベントで、県外からも多くの見物客が訪れます。
ただし、高級住宅エリアのため、市内の他のエリアに比べて家賃は少々高めです。
一人暮らしの家賃相場は5～7万円程度、1DKや1LDKになると8〜9万円にまで上がることもあります。
福岡市の情報を収集する際に便利なサイト3選
開発が進む福岡市では、市をあげて街の魅力をPRしています。下記のサイトを参考に、福岡市について調べてみてください。
福岡移住計画
「福岡移住計画」は、移住者のサポートを目的としたプロジェクトで、民間企業により運営されています。
過去には、福岡での転職のための「福岡クリエイティブキャンプ」や、移住希望者の交流会、福岡を実際に体験してもらう合宿などのさまざまな取り組みを行っており、メディアにも取り上げられてきました。
斬新なプロジェクトが目白押しなので、移住前には必見です！
参照：福岡移住計画
#（ハッシュ）FUKUOKA
「#FUKUOKA」は、クリエイティブ・エンターテイメント都市を目指す福岡市により運営されているニュースサイトです。
映像、アニメ、ゲームなどのデジタルコンテンツを中心としたクリエイティブに関する情報が随時発信されており、読む度に新たな学びが得られます。
福岡で就職を考えている人は、目を通しておくと良いでしょう。
参照：#FUKUOKA
福岡市公式シティガイド「よかなび」
福岡市が運営する「よかなび」は、福岡のグルメ、お祭り、観光スポットなどを発信するシティガイドです。
トップページを開くと大きく現在時刻が表示され、その時間帯におすすめの観光情報が瞬時に得られるという、スマートフォンユーザーを想定した観光情報の提供に力を入れています。
イベント情報やモデルコースも網羅されているので、福岡市をより楽しむためには欠かせないサイトです。
福岡市の魅力を知って移住を検討しよう
美味しいグルメが豊富で、利便性も高い福岡市は、幅広い世代に大人気の街です。
充実した交通網を活用し、ウインドーショッピングや屋台巡りに繰り出すも良し、自然に触れゆったりと過ごすのも良し……
楽しみ方はあなた次第です。
便利で見どころの多い福岡市で、快適な移住生活を始めてみませんか？
