広島県東部に位置する尾道市は、瀬戸内海に面し、山も海もある街です。尾道市には坂道が沢山あり、高台に登れば、尾道の街並み及び尾道水道と、瀬戸内海の美しい島々を眺められます。尾道水道を挟んだ向島や、しまなみ海道沿いの因島や生口島なども尾道市の一部です。尾道からはしまなみ海道で愛媛県にもすぐに行けます。市内には、山陽新幹線の新尾道駅もあるので、遠方へのアクセスも良好です。
そこで今回は、尾道市への移住を考える人向けに、尾道市の魅力や移住する時の注意点、移住する時に使える制度や情報源を紹介します。
尾道市移住の魅力/メリット3選
ここからは尾道市が移住先として人気の理由を3点紹介します。
風情ある町並みを楽しめる
尾道市は風情ある町並みが広がり、歴史的な建造物や美しい景色が楽しめるので、散策好きや写真愛好家には絶好の場所です。千光寺山の山頂から中腹にかけて広がる千光寺公園は、展望台から美しい風景が楽しめる他、春には桜も綺麗です。
また、尾道駅から東側に向かって続くアーケード商店街は、歩くと懐かしい気持ちになるでしょう。
瀬戸内海の恩恵を受けて新鮮な海産物が手に入る
瀬戸内海に面する尾道市では、新鮮な海産物が豊富に手に入ります。春はマダイやメバル、夏はアコウやスズキ、秋はカレイやアナゴ、冬はオコゼなど、年間通して美味しい魚介類が食べられるでしょう。釣り好きな人は、海釣りを楽しむのもおすすめです。
猫の街として有名でかわいい猫と触れ合うことができる
尾道市は「猫の街」としても知られており、かわいらしい野良猫たちと触れ合うことが可能です。なかでも尾道市立美術館は、侵入を試みる近所の猫と警備員との攻防戦がSNSで話題になりました。また、天寧寺の三重塔から千光寺山中腹に向かって横に延びる細い坂道は、別名「猫の細道」とも呼ばれており、招き猫美術館や雑貨店がある他、本物の猫にも会える可能性が高いです。
尾道市移住で困ること/デメリット3選
尾道市への移住には、デメリットもあります。問題点も知ったうえで、移住するか検討してみましょう。
交通インフラが乏しく車がないと移動が困難
尾道市の市街地にはJR山陽本線やおのみちバス、中国バスなどが走っていますが、本数が少なかったり、終バスが21時に終わったりと、都会と比べて不便に感じるでしょう。
また、北部の山間部エリアには、バスが通っていないエリアもあり、自家用車がないと移動が難しいです。公共交通の利用を考えている人は、住むエリアの利便性を必ずチェックしましょう。
道が狭く運転が難しい
細い道は風情が溢れる反面、車幅ギリギリの道や侵入禁止の道も多く、運転が難しいことがあります。特に大型車での運転は、慎重さが必要です。自家用車が大きい人や、運転に慣れていない人は気をつけましょう。車を所有したい人は、住みたい場所周りの道路状況を必ずチェックすることをおすすめします。
大規模な商業施設が少ない
尾道市には、小さな個人経営のお店は多くありますが、ショッピングモールのような大規模な商業施設がありません。そのような場所で買い物を楽しみたい人は、隣の福山市まで行く必要があります。大きなスーパーマーケットも、東尾道周辺にはいくつかありますが、それ以外の場所には少ないです。気になる人は、住む前に周辺にお店があるか確認しましょう。
尾道市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
移住をする際、尾道市ではどのような補助金・支援金、サービスがあるのでしょうか。ここからは代表的なものを3点紹介します。
加算金もあり!首都圏からの移住で最大100万円以上もらえる移住支援金
東京23区等の首都圏から尾道市に移住し、広島県のマッチングサイト「ひろしまワークス」に、移住支援金の対象企業として掲載された求人に就業した方などを対象に、移住支援金が交付されます。補助額は、単身者の場合60万円、2人以上の家族や世帯の場合は1世帯につき100万円です。さらに、18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は、18歳未満一人につき100万円が加算されます。ただし、予算額に達したため2023年8月24日をもって、新規での申請に関する相談・受付が停止している状況です。利用したい人は、次の募集がかかるのを待ちましょう。
詳しくは尾道市ホームページをご確認ください。
【東京圏から移住をお考えの皆様へ】移住支援金制度のご案内
東京圏からの訪問で使える!片道交通費支援制度
東京圏の人を対象に、尾道市への見学や下見に要する片道交通費が支援されます。対象者は20歳以上で、東京圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)に住む且つ、広島県内に移住を検討している人(夫婦も可)です。生活・事業環境等の調査や、就職のための企業訪問などが対象の活動です。支援を受けるには、尾道市役所の定住相談窓口の担当者と、民間の事業者など(就職面接先、不動産事業者、各種活動の連携者など)への訪問が必要となります。補助額の上限は、1人あたり2万円です。
詳しくは広島県ホームページをご確認ください。
片道交通費支援制度
最大30万円を補助!尾道市空家等改修支援事業補助金
尾道市内の空き家バンクに登録されている空き家を、移住者が居住するための改修に要した費用の一部が補助されます。対象の空き家バンクは、尾道市空き家バンク・御調地区空き家バンク・因島地区空き家バンク・原田地区空き家バンクの4つです。補助率は改修工事に要する費用の3分の2で、補助上限額は30万円です。
詳しくは尾道市ホームページをご確認ください。
尾道市空家等改修支援事業補助金
尾道市移住でおすすめのエリア3選
魅力溢れる尾道市ですが、どのようなエリアが居住エリアとして人気なのでしょうか。3エリアをピックアップしましたので、ご紹介します。
風情ある町並みやアートを楽しむなら「中心部エリア」
尾道駅周辺の中心部には歴史的な建造物やアートが点在し、文化的な魅力が豊富です。天寧寺には、尾道のシンボル的存在である三重塔があります。千光寺ロープウェイで千光寺公園へ行けば、三重塔と眼下に市街地と尾道水道が見え、尾道の代表的な景色が撮影可能です。また、千光寺公園のすぐ下にある尾道市立美術館では、年間通じてアート作品が楽しめます。
他にも、市内では空き家活用団体が活発に活動しているので、古い家や店舗をリノベーションした個性溢れる店が多くあります。散策や写真撮影、クリエイティブな活動をされている人におすすめです。
海沿いでゆったり暮らしたいなら「瀬戸内海沿岸エリア」
瀬戸内海に面したエリアでは、穏やかな海と美しい自然環境を楽しめます。特におすすめしたいのが向島や因島、生口島、岩子島などの瀬戸内海に位置する島々です。向島にいたっては、尾道市街地から渡船でたったの5分で行くことが可能です。また、これらの島は橋で結ばれており、車でも簡単に行けるので買い物にも困りません。岩子島以外にはサイクリングで有名なしまなみ海道が通っているので、休日にサイクリングを楽しむのも良いでしょう。
自然を楽しむ田舎暮らしをしたいなら「山間部エリア」
山間部エリアは自然に囲まれた静かな環境で、のんびりとした田舎暮らしを楽しめるでしょう。三原市との境界付近にそびえる鳴滝山では、ハイキングを楽しめます。展望台からは尾道水道や芸予諸島、しまなみ海道、瀬戸内海が一望可能です。また、新尾道駅の北側には、複数のスポーツ施設やオートキャンプ場を有する「こざかなくんスポーツパークびんご」があります。テニスコートやプール、子供のアスレチック場もあるので、身体を動かすのが好きな人や、子育て世帯におすすめのエリアです。
尾道市の情報を収集する際に便利なサイト3選
移住を検討する際、尾道市の情報をどのように収集したら良いか分からない人も多いでしょう。ここからは、尾道市の情報を収集する際に便利なサイトを3つ紹介します。
人と尾道
尾道市が運営する移住希望者向けのホームページです。メインは、尾道市内で活動するキーパーソンのインタビューです。掲載されている人は、宿の経営者や移住者など多岐にわたっています。移住前に直接会いに行って話を聞けば、より尾道市の魅力が分かるでしょう。
HIROBIRO.
広島県が運営する移住者希望者向けのホームページです。県内各地に移住した人のインタビューが掲載されている他、移住希望者向けの補助金情報や県内の求人情報も掲載されています。移住後に仕事を探す予定の人は、ここから仕事を探すと良いでしょう。
広島ぐらし
広島県が運営する交流・定住を目的としたポータルサイトです。県内の各市町村の紹介の他に、移住体験ツアーや地元企業の就職説明会、地域おこし協力隊の募集情報などが掲載されています。お試し移住を検討している人や、就職先を探している人におすすめです。
尾道市の魅力を知って移住を検討しよう
尾道市は風情ある街並みや、海に面しているため新鮮な魚介類が豊富なことから、移住場所として注目を集めるようになりました。
一方、都市部と比べて電車やバスの本数が少なかったり、道が狭く運転しづらいなどのデメリットもあります。大型商業施設が市内にないので、行きたい場合は隣の福山市に出る必要もあります。
ですが、街や海沿いでウォーキングを楽しんだり、新鮮な魚介類で料理をつくるなどすれば首都圏で生活していた時より健康的で充実した生活が送れるでしょう。休日はしまなみ海道をドライブしたり、自転車を借りてサイクリングも楽しめます。
メリット、デメリットは有りますが、移住先として検討したい方は、まずは尾道市を訪れてみることをお勧めします。自分に合うかどうか確認したうえで、ぴったりの物件を探してみてはいかがでしょうか。
※内容は2023年8月執筆時のものです