愛媛県大洲市は、日本初の「世界の持続可能な観光地」における「文化・伝統保全」部門世界1位を獲得した、日本のみならず世界で注目を浴びている移住先です。大洲藩6万石の城下町として栄えた歴史をもち、現在もその姿が保全されていることが大きな魅力といえます。歴史文化に興味がある方にとって、大洲市はとても興味深い移住先といえるでしょう。
今回は、大洲市移住の魅力やメリット、おすすめエリア、利用できる補助金やサービス、移住のデメリットなどを紹介します!日本初の世界1位に輝いた歴史の街「世界のOZU」へ、ぜひ移住を検討しましょう!
大洲市移住の魅力/メリット3選
まずは、大洲市移住先の魅力やメリットを3つ紹介します!日本が世界に誇る大洲市の魅力や特徴を知って、移住を前向きに検討しましょう。
「持続可能な観光地100選」文化・伝統保存部門で日本初の世界1位に選ばれる
2023年、オランダの認証団体「グリーン・デスティネーションズ」が発表する「世界の持続可能な観光地」の「文化・伝統保全」部門において、大洲市は日本初の世界1位に選ばれました。
大洲市は、かつて大洲藩6万石・大洲城の城下町として栄えていた歴史ある街です。古い町家をはじめとする歴史的な建築物が数多く残っていたものの、近年は人口減少や高齢化によってこれらの建造物の維持管理が難しくなり、空き家が目立ちつつありました。この、現在日本各地で起きている「空き家問題」の解決策として、大洲市は官民一体となり価値ある建造物を更地にするのではなく、ホテルやカフェ・雑貨店などに改修し、次世代へ残すことを選択したのです。
その結果、大洲市内には古い町家を改修したホテルや店舗が数多く存在し、観光地として多くの観光客が訪れることとなり街に活気が戻りました。そして2023年、これらの取り組みによって「世界の持続可能な観光地」の「文化・伝統保全」部門において、日本初の世界1位に選ばれたのです。
文化・伝統が保全されるだけでなく、新たな活用という先進的で素晴らしい取り組みは、移住先としても大きな魅力といえます。日本ではじめてこのような栄誉に輝いたことは、多くの移住希望者を惹きつけるきっかけとなるのではないでしょうか?
幻想的な「肱川あらし」や雲海といった自然現象を体験できる
幻想的な「肱川あらし」や雲海といった自然現象を体験できることも、大洲市移住の魅力やメリットといえるでしょう。
大洲市でもっとも有名な自然現象として「肱川あらし」があります。毎年10月から翌年3月頃まで、晴れた日の朝に上流から霧をともなった冷気が、ゴォーゴォーという大きな音をたてて一気に肱川沿いを流れ出す珍しい現象です。非常に幻想的な光景が繰り広げられ、大洲市の風物詩として毎年愛媛県内のニュース映像として流れるほどで、移住後にぜひ体験していただきたいものといえるでしょう。
肱川あらしと同じ時期に、「雲海」が見られることも大洲市の特徴です。「雲海展望台」からは、肱川あらしと同様に幻想的な光景を体験できます。これらの不思議な自然現象を数多く体験できるのも、大洲市移住の魅力といえそうですね。
「子育てしやすい自治体」愛媛県1位の手厚い子育て環境
東洋経済「都市データパック」が毎年発表している「住みよさランキング」において、大洲市が「子育てしやすい自治体・愛媛県1位」となったことも移住先として魅力といえるでしょう。
18歳までの子どもの医療費無料にはじまり、第2子以降の紙おむつ購入に対する支援といった支援策やサービスが充実しており、抜群の子育て環境を誇ります。大洲市のような歴史と伝統ある城下町で、手厚い子育て環境のもとのびのびとした子育てができることは、移住先選びの参考になりそうですね。
大洲市移住で困ること/デメリット3選
つづいて、大洲市移住で困ることやデメリットも3つ紹介します。メリットとデメリットの両方を理解しておくことは非常に大切です。1つずつ見ていきましょう。
豪雨によって甚大な被害を受けたことがある
大洲市はかつて豪雨によって甚大な被害を受けたことがあり、その点は移住のデメリットといえるかもしれません。2018年7月、西日本を襲った記録的な豪雨によって各地に甚大な被害をもたらしました。
大洲市では、肱川の氾濫をはじめとした洪水が発生して甚大な被害を受けたことで、復興に多大な時間を要することとなります。現在は豪雨災害の経験を活かし、肘川沿いを中心に堤防等の水害対策工事をおこなっていますが、移住の際はハザードマップを確認し、万が一に備え少しでも災害リスクの小さな場所に住むことが大切です。
参考:大洲市ハザードマップ
山間部は寒暖の差が激しく冬は雪が積もることがある
大洲市は大洲盆地に位置し、盆地特有の寒暖差によって山間部を中心に冬は雪が積もることがあります。四国といえば温暖なイメージがあるものの、場所によっては雪が積もりスキー場もいくつか存在するくらいです。
大洲市の市街地においては毎年積雪するわけではありませんが、念のためスタッドレスタイヤもしくはタイヤチェーンを事前に準備しておいたほうがいいでしょう。
大学がないため進学するには市外へ出る必要がある
子育て環境がよいことが魅力の大洲市ですが、大学がないため進学するには市外へ出る必要があることもデメリットといえます。愛媛県内の大学はほとんど松山市内に存在するため、子どもは進学を機に松山市内で1人暮らしすることが一般的です。
電車の特急利用で約45分あれば松山駅へアクセスできるものの、本数も少なくあまり一般的といえません。そのため、大学進学の際は市外へ出る必要があることを事前に想定しておきましょう。
大洲市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
ここからは、大洲市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービスを紹介します!子育て支援を中心に手厚い移住支援がいっぱいです。該当する方はぜひ積極的に活用しましょう。
短期移住で大洲市の魅力を体験!大洲市移住お試し住宅
大洲市への移住を希望する方に向けて、大洲市の雰囲気や利便性など日常生活を体験できる「お試し住宅」を提供しています。移住を失敗しないために「お試し移住」はとても重要です。積極的に活用し、ぜひ大洲市の魅力を体験してみてください。
【利用期間】
5日以上180日以内
【利用料金】
利用日数 | 利用料金 |
5日以上10日以内 | 利用日数×2,000円 |
11日以上29日以内 | 利用日数×500円+15,000円 |
30日以上 | 利用日数×1,000円 |
※水光熱費、光回線使用料、駐車場代を含む
参考:大洲市移住お試し住宅のご案内
問い合わせ先:大洲市移住・定住支援センター
最大100万円!空き家取得費補助金
大洲市空き家バンクに登録された空き家を購入する方に対し、費用の一部を補助してくれるお得な支援策です。県外移住者であれば最大で100万円を補助してくれるため、空き家の購入を検討している方は、ぜひ詳細をチェックしてみてください。
【補助金の額と補助率】
- 県外移住者
最大50万円~100万円 補助率1/10 - 県内移住者
最大25万円~50万円 補助率1/10
参考:空き家取得費補助金
問い合わせ先:大洲市移住・定住支援センター
「子育てしやすい自治体」愛媛県1位に選ばれた手厚い子育て支援
「子育てしやすい自治体」愛媛県1位として、子育て支援が充実していることが大洲市の魅力の1つです。こちらでは、数多くある子育て支援の一部を抜粋しました。下記以外にも各種支援が非常に充実しているため、興味のある方はリンク先から詳細をぜひ確認してください。
【結婚・出産・子育て・教育に関する支援制度(一部抜粋)】
- 出会いイベント、1対1のお見合い事業
- 結婚新生活支援補助金
- 出産世帯応援事業
- 産後ケア事業
- 大洲愛顔っ子応援事業
- 子ども医療費助成制度
- 一時預かり事業
- 育児相談(エンゼル相談・電話相談)
参考:結婚・子育て・教育に関する支援制度
問い合わせ先:大洲市役所 5階 復興支援課内
大洲市移住でおすすめのエリア3選
大洲市移住でおすすめのエリアを3つ紹介します!大洲城を中心とした城下町はもちろん、他にも魅力的なエリアがいっぱいです。ぜひご覧ください!
「伊予の小京都」大洲城の城下町で暮らしたい方は「伊予大洲駅周辺エリア」
「伊予の小京都」と呼ばれる大洲城の城下町で暮らしたい方はJR予讃線「伊予大洲駅周辺エリア」がおすすめです!大洲市の中心地として歴史・伝統が保存された素晴らしい町並みが広がっています。美しい庭園のある「臥龍山荘」や「盤泉荘」、NHKの朝ドラのロケがおこなわれた「おはなはん通り」など、「世界の持続可能な観光地」の「文化・伝統保全」部門世界1位の町並みを、思う存分体験できることが特徴です。
肱川では、6月から9月にかけて日本三大鵜飼いの1つに数えられる「鵜飼い」もおこなわれ、大洲市の夏の風物詩といえるでしょう。屋形船に揺られ、特別な川魚料理を楽しみながら見物が可能です。ぜひ一度体験してみてください。
また、伊予大洲駅周辺は大洲市の中心地であるため、生活利便性が非常に高いこともメリットです。「フジグラン大洲」をはじめとした大型商業施設をはじめ、さまざまなお店があるため生活に不便さを感じることはほとんどありません。
大洲市の中心で、歴史や伝統文化とともに移住生活を楽しみたい方は「伊予大洲駅周辺エリア」を選びましょう。
肱川河口で肱川あらしが体験できる港町「伊予長浜駅周辺エリア」
幻想的な「肱川あらし」を間近で体験したい方は、JR予讃線「伊予長浜駅周辺エリア」をおすすめします!毎年10月から翌年3月頃までの晴れた日の朝に出現する、霧をともなった幻想的な冷気の流れは肱川独特の自然現象といえるでしょう。もっとも肱川あらしが激しくなるのが肱川の河口付近である伊予長浜駅周辺であり、「肱川あらし展望公園」からは大迫力の光景を目の当たりにできます。
また、海沿いの港町である伊予長浜駅は海水浴が楽しめることも魅力です。比較的波がおだやかな「長浜海水浴場」では家族連れも安心して遊べます。伊予市方面へつづく海沿いの国道378号線は「夕やけこやけライン」と呼ばれ、夕日が非常に美しくドライブに最適です。
肱川あらしという非常に幻想的な体験を目の当たりにできる「伊予長浜駅周辺エリア」は、海でのレジャーも楽しめる一石二鳥のエリアといえそうですね。
肱川中流域で山に囲まれたのんびり田舎暮らし「肱川町周辺エリア」
肱川中流域で山に囲まれてのんびりとした田舎暮らしがしたい方は「肱川町周辺エリア」がおすすめです!肱川町周辺は山間部にある農村のため、肱川と山の自然に囲まれた田舎暮らしを送るのに最適なエリアといえます。
「道の駅 清流の里・ひじかわ」では地元でとれた新鮮な野菜を安価で購入できるので、うまく活用すれば食費をかなり抑えられます。なにより鮮度が非常に良いため、ぜひ毎日利用していただきたいくらです。
また、肱川町周辺は肱川の中流域で自然が豊かなエリアであるため、カヌーやキャンプなども楽しめます。「小籔渓谷」や「御在所自然の森」といった秘境のようなスポットも点在しているので、移住の際はぜひ一度訪れてみましょう。
大洲市内で田舎暮らしを満喫したい方は、「肱川町周辺エリア」を候補にしてみてはいかがでしょうか?
大洲市移住で失敗しないポイント3選
最後に、大洲市移住で失敗しないポイントを3つ紹介します!どれも非常に重要なことなので、理想の移住を叶えるために、ぜひ参考にしてください。
ハザードマップを確認し災害リスクがないか調べておく
2018年7月の西日本豪雨により甚大な被害を受けた大洲市では、移住の際にハザードマップを確認し、水害や土砂災害などの災害リスクがないか調べておくことはとても大切です。
肱川の恩恵を最大限受けられる大洲市では、河川の氾濫がもっとも警戒すべき災害といえるかもしれません。また、海沿いであれば津波の心配もあります。ハザードマップを確認し、避難所までのアクセス方法や移動時間なども考慮してうえで、住む場所を選びましょう。
参考:大洲市ハザードマップ
短期移住を通じて自分に合うかどうかを調査しておく
大洲市移住に限らず移住先選びで失敗しないためには、短期移住を通じて自分に合うかどうかを調査することも大切です。ネットで得られる情報は有益ですが、実際の空気感まではわからないため、できるかぎり短期移住をおすすめします。
大洲市には格安で利用できる「移住お試し住宅」があるので、ぜひ積極的に活用しましょう。
移住の相談窓口スタイルチャットで相談する
大洲市への移住に興味はあるけれどそもそも何から考えればいいかわからない、または、他にもいろいろな移住先を知りたいという方は、LINEを使った移住の相談窓口「スタイルチャット」で気軽に相談してみましょう。
興味のある分野や移住に求めることなど質問に答えるだけで、参考情報とともにあなたに合った素敵な移住先をマッチングしてくれる便利なサービスです。移住全般に関する疑問・質問にも対応しているため、ぜひ活用してみてください。
大洲市の魅力を知って移住を検討しよう
大洲市の魅力は、歴史と伝統あふれる町並みと美しい自然、充実した子育て支援といえます。日本で初めて世界1位に輝いた、歴史文化を守ろうとするその姿勢は、多くの移住希望者にとって「移住してみたい」と思わせる動機となるでしょう。
大洲市の魅力を知って、ぜひあなたも前向きに移住を検討しましょう!
※内容は2023年9月執筆時のものです。