移住を検討するうえで大きな課題となるのが「移住後の仕事」です。フルリモートの仕事をしている方なら問題ありませんが、大多数の方は移住にともなって新たに仕事を見つけなければなりません。都会とちがって仕事の種類や求人の数が少なく、どうやって仕事を見つければいいかわからない方も多いでしょう。実際に移住先で適切な仕事を探すのは、なかなか難しいことといえるのです。
そこで今回は、「移住後の仕事」にフォーカスし、誰でもできる具体的な仕事の見つけ方や上手に仕事を見つけるためのヒント、地方でも求人が充実している業種を解説していきます!
現在移住を検討している方も、これから移住を考えている方も、まずはこちらの記事を通じて視野や理解を広げ、移住後の仕事探しにぜひお役立てください!
移住後の仕事の見つけ方
まずは、移住後の仕事の見つけ方について、「もっともスタンダードな方法」を解説していきます!移住スタイル独自の視点も交えて、他ではあまり語られないちょっとした「コツ」を付け加えながら解説していきますので、ぜひご覧ください!
STEP1:まずはネットで検索する
最初のステップとして、まずは希望する移住先の求人をネットで検索するところからはじめましょう。「〇〇市 求人」と検索すれば、ズラーッと求人サイトがヒットします。各求人サイトを開いて職種などの条件を絞り込むなかで、可能であれば近隣自治体や、比較的発展した近隣の中核都市へも条件を広げると選択肢が増えるのでおすすめです。
また、現在、東京23区内に在住している方や、東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)に在住し東京23区内へ通勤している方であれば、「〇〇県 求人 移住支援金」で検索してみてください。
これは、国と各地方自治体が地方創生を目的としておこなう「移住支援金事業」において、最大100万円、またはそれ以上の支援金を支給してもらうための要件を満たす「対象企業」の求人を知るためです。
各県の「求人マッチングサイト」が検索上位にヒットするので、サイトにアクセスし「移住支援金対象求人」をリサーチしてみましょう。もし気に入った求人があり採用されれば、支援金をゲットできます。ぜひお試しください!
この「移住支援金事業」は、移住直前の10年間で通算5年以上かつ、直近1年以上において23区内在住または通勤などの要件を満たす必要がありますが、かなりお得な支援です。また、一部の県(福島県・長野県・福井県・山口県・大分県など)では、東京圏に加え大阪圏(大阪府・京都府・兵庫県)や愛知県が対象にふくまれていたり、全国が対象であったりするものもあります。気になる移住先の支給要件がどうなっているのか、ぜひチェックしてみてください。
STEP2:移住先の移住・定住窓口で相談する
希望する移住先の仕事や求人がある程度理解できたら、応募する前に移住先の移住・定住窓口へ相談しましょう。
基本的に、現在ではほとんどの自治体で「移住・定住窓口」が存在しています。希望する移住先の具体的な仕事はもちろん、町の様子や施設・学校等などの移住生活を送るうえで重要な情報を、直接担当者から聞けるので非常に有益です。現地へなかなか行けない方に対しては「オンライン相談」をおこなっている移住先もあります。
移住後の仕事はもちろん、現地の事情を深く知らずして移住するのはかなり危険です。移住を失敗しないためにも、ぜひ移住・定住窓口へ事前に相談しておきましょう。
STEP3:現地へ行き面接を受ける
ネットでの求人検索や移住・定住窓口への相談を経て、希望する求人に応募して書類選考をクリアしたら、いよいよ面接です。
遠隔地からの応募の場合、リモートでの面接をおこなう企業もありますが、リモートでは会社の雰囲気やそこで働く人々の様子が見えてこないので、可能な限り現地へ行って面接してもらうことをおすすめします。移住先によっては、地元企業への面接にかかる交通費や宿泊費などを補助してくれる場合もあるので、これらの支援を活用すれば経済的な負担も少なくすむため安心です。
移住後の仕事を見つけるためのヒント
つづいて、移住後の仕事を効率よく見つけるためのちょっとしたヒントを解説していきます!なかなか仕事を見つけにくい地方移住において、少し視点を変えるだけで選択肢が一気に広がるかもしれません。ぜひこちらも参考にしてください!
移住体験ツアーはじめ各種イベントを活用する
移住者誘致に積極的な自治体では、移住体験ツアーや移住セミナー・ワークショップといった各種イベントを実施していることがあります。もし、希望する移住先でこれらのイベントが実施されている場合は、ぜひ参加しましょう。
これらのイベントに参加することで、現地の人々や移住・定住担当者とつながりが生まれ、移住後の仕事探しがしやすくなります。また、農業体験ツアーなどの場合、現地で実際の農業にふれることで、これまではハードルが高く感じていた農業に対し、一度チャレンジしてみようという動機が生まれるかもしれません。移住後の仕事はもちろん、移住先の生活にスムーズに馴染むためにも、移住体験ツアーや移住セミナーなどは、ぜひ参加してみてください。
また、移住体験ツアーや移住に関する各種イベントに参加することで、最大100万円以上を支給してくれる「移住支援金事業」支給要件の、「関係人口要件」を満たせる場合があります(ただし、すべての移住先で関係人口が要件に入っているわけではありません)。
関係人口要件を満たしていれば、各県の求人マッチングサイトに掲載されている、「移住支援金対象企業」以外に就職しても、支援金を支給してもらえる可能性があります。詳細が気になる方は、各移住先の支給要件をチェックしてみてください。「〇〇市(または〇〇県) 移住支援金」で検索すれば上位にヒットします。
副業(複業)も視野に入れてみる
都会と比較して、地方移住では収入が低くなることがほとんどです。そのため、希望する収入が得られない場合は、副業や複業も視野に入れてみることで生活に必要な収入のハードルを下げられ、移住後の仕事が見つけやすくなります。
現地での本業以外に副業する場合はいろいろなケースが考えられるものの、ホームページの記事作成などWebをつかった副業や、農業アルバイトなどがおすすめです。とくに、休日におこなう農業アルバイトであれば、太陽の光を浴びながら体も動かせるなど、デスクワークの方にとっては健康的といえるかもしれませんね。
参考:
また、「本業+副業」ではなく、本業を2つ掛け持ちする「複業」という選択肢もあります。近年、「半農半X(エックス)」という新しいライフスタイルが注目されていることはご存じでしょうか?「半農半X(エックス)」とは、農業にプラスしてもう1つの仕事・X( エックス)をおこなうもので、まさに「複業」です。
もう1つの仕事であるXはなんでも構いません。もし、移住前の仕事で培ったスキルを活用できるのであればバッチリです。また、食べるものは農業を通じて自給自足し、もう1つの仕事を、これまでやりたくてもできなかったことにチャレンジする人もたくさんいます。「半農半X(エックス)」に代表される「複業」という生き方にも、ぜひ注目してみてください。
参考:
地方移住では都会よりも生活コストを下げられるため、都会のように本業一本槍でバリバリ働かなければならないということは決してありません。「副業」や「複業」など、自由なライフスタイルを実現できることこそ、地方移住の醍醐味といえるのではないでしょうか?
地域おこし協力隊という選択肢
移住後の仕事を探すうえで、「地域おこし協力隊」という選択肢もあります。地域おこし協力隊とは、移住先で地域ブランドとなる地場産品の開発・販売や、町のPRなどの情報発信、地域住民支援などをおこなう制度です。各自治体の委嘱を受けるため給料を受け取ることができ、その任期はおおむね1年から3年となります。
地域おこし協力隊に参加することで、地域住民や行政とのつながりが強固になるため、任期後の新たな仕事探しもスムーズになります。人との交流が好きな方や、SNSなどを通じて情報発信することが好きな方であればかなりおすすめです。なかなかいい仕事が見つからないという場合は、ぜひ地域おこし協力隊も検討してみてください。
参考:
仕事付きの移住先を探してみる
移住と仕事がセットになった、「仕事付きの移住先」を探してみるのもおすすめです。過疎化などで人手不足が深刻な移住先や、観光・リゾート地、または工業系の求人などでよく募集しており、仕事だけでなく住むための寮や住居を提供してくれることが特徴です。単身者向けの寮だけでなく、家族が住める広い物件に入居できることもあるので、幅広い世代の方が活用できます。
一般的な移住の場合、移住後に住む家の敷金・礼金などのまとまったお金が必要ですが、仕事付きの移住では、会社が住む場所を提供してくれるのでそれらは必要ない場合が多く、金銭的な余裕がない状況でも移住が可能です。仕事と住む場所の両方を得られるため、生活への不安がないことは大きなメリットといえるでしょう。
「仕事付きの移住先」は、金銭的にあまり余裕がないけど移住したい方や、仕事と住む場所を同時にゲットしたいという方にとって、ぜひ知っておいて損はない選択肢といえそうですね。
起業したい人は移住先の支援をチェック
地方へ移住して、就職ではなくいっそのこと起業しよう!という方は、実はかなり多く存在します。都会と比較して地方はマーケットが小さいものの競合も少なく、また、店舗などを構える際も土地代が安く少額の投資で起業しやすいことから、起業にチャレンジするにはもってこいの環境といえるのです。
しかも、「地方創生」の一環として、各自治体では起業する方に対する支援を手厚くおこなっており、さまざまな補助金を支給しています。ぜひ移住後に起業を目指したい方は、移住先の支援をチェックしておきましょう。
移住後の仕事が充実している業種5選
それでは、地方移住において仕事や求人の数が充実している業種を5つ紹介していきます!これらの業種であれば、移住後の仕事を見つけやすいかもしれません。もちろん、ここで紹介する業種以外にもたくさん仕事は存在します。あくまで一例として、参考にしてみてください!
宿泊・飲食サービス業
宿泊・飲食サービス業は、観光リゾート地を中心に求人が充実しています。休日は観光地やリゾート地で遊べるため、観光地特有の非日常感を楽しみながら働きたい方におすすめの業種といえるでしょう。
また、飲食業であれば将来の独立も可能です。料理人の方や料理が好きな方であれば、地方移住をきっかけにレストランやカフェなどを開業してみるのもいいかもしれませんね。
製造業などの工場勤務
製造業をはじめとする工場勤務の仕事も、地方移住で求人が充実している業種の1つです。地方は土地の価格が安いことから、広い敷地が必要な工場は意外と多く、自然豊かな移住先でも、地元の特産品を加工する食品関係の工場や、環境への負荷が低い工場があり求人に困ることはあまりありません。
また、町の主力産業の一環として積極的に工場を誘致し、「工業団地」を形成している移住先も数多く存在するので、工場勤務を希望する方にとっては選択肢も増え狙い目といえるでしょう。
土木建築業
土木建築業も、地方移住において求人が充実しています。公共事業を通じ地域のインフラを維持する土木建築業は、人々の暮らしにおいて絶対に欠かせないものです。全国的に人手不足といわれているため待遇が改善してきており、最近は週休2日制を導入している企業も増えてきています。
高度成長期に整備された、道路や水道管などをはじめとする既存インフラの耐用年数がまもなく限界に達するため、土木建築業のニーズは今後さらに高まっていくことでしょう。体力に自信のある方は、ぜひ検討してみてください。
医療・介護・福祉関連
高齢化が進む地方では、医療・介護・福祉関連の求人がかなり充実しているので、これらの業種であれば、仕事に困ることはそれほどありません。日本は高齢化社会のまっただ中ですが、地方ではその傾向がより顕著です。
また、自治体によっては看護師や介護福祉士の有資格者に対し、移住に対する支援金や引越費用などを補助しているところもあり、高待遇で迎え入れてくれる業種といえます。
農業・漁業・林業などの一次産業
農業・漁業・林業などの一次産業においても、後継者不足の問題から求人が充実しています。これまで都会でオフィスワークしていた方のなかには、農業や漁業などに対しちょっとした憧れを持つ人が結構いるものです。そこでぜひ、自治体が主催する「農業体験ツアー」などに一度参加してみましょう。
実際に体験してみることで、「自分にもできるかも?」と思えるかもしれません。地方へ移住してこれらの一次産業へ従事する際には、かなり手厚い補助金やサポートが受けられます。移住の際は、ぜひこれら一次産業への従事もおすすめといえるでしょう。
移住後の仕事の見つけ方はスタイルチャットに相談する
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移住後の仕事を見つけて移住を検討しよう
移住における大きな課題として、移住後の仕事探しが挙げられます。しかし、現実問題として求人や業種の少なさ、給料の安さなどによってうまく探せないこともあり、どうすればいいのかわからない方も多くいることでしょう。
今回紹介した「仕事の見つけ方」や「仕事を見つけるうえでのヒント」、「求人が充実している業種」などを参考にすることで、これまでよりもスムーズに仕事を探せるかと思います。移住後の仕事に対する視野や理解を広げ、ぜひあなたも前向きに移住を検討しましょう!
※内容は2024年8月執筆時のものです。