地方移住に憧れる一方で、「失敗したらどうしよう」「思っていた生活とちがったら後悔しそう」といった不安を抱えていませんか？実際のところ、移住後にギャップを感じ後悔する人も決して少なくはありません。地域の文化や生活環境を十分に理解しないまま移住を決断すると、予期せぬトラブルに直面し、「こんなはずじゃなかった……」と思ってしまうものなのです。
そこで今回は、「移住の後悔や失敗」をメインテーマに、誰もがおちいる可能性がある、地方移住における「よくある失敗事例」をひも解き、絶対に移住を失敗したくない人のためにその回避策や注意点などを徹底解説します！
さらに、世代別の移住における失敗パターンや、移住を失敗しないための準備・心構えについても詳しく紹介し、移住成功への最新チェックリストも掲載しているので、ぜひ移住計画の参考にしてください！
最新の地方移住における後悔や失敗事例とその対策3選
まずは、最新の地方移住における主な後悔・失敗例を3つにまとめ、その対策を紹介します！多くの方がおちいりがちなものばかりなので、ぜひ確認しておきましょう。
基本的な情報不足によるミスマッチ
移住の際、基本的な情報不足が原因によってミスマッチが生じ、移住後に後悔する方はかなり多くいるものです。まず最初に移住先候補を絞り込む際、ネットで調べられる範囲で構わないので、基本的なリサーチを欠かさず行いましょう。移住先にどのような施設があるのかなど、近隣の地理的情報を入手するにはGoogleマップが便利です。
最初の段階で調べておくべき「移住先の基本情報」として、以下を参考にしてみてください。
【移住先の基本情報】
- 公共交通機関と近隣都市へのアクセス方法・所要時間
- 地域の主要産業と雇用の種類と数（パートタイマーでの仕事もふくむ）
- 近隣の医療機関と入院可能な総合病院
- 子どもの進学先となる学校の数や教育の質、通学ルート
- 1年を通した地域の気候と気温（山間部など寒い地域では冬場の最低気温と積雪の有無）
- 近隣の商業施設や娯楽施設の充実度（最寄りのコンビニまでの距離）
- プロパンガス代や自治体の水道基本料金といった水光熱費（水道料金は自治体によって金額が大きくちがう）
- 移住支援や移住者に対するフォロー体制
上記が、基本情報として最低限チェックしておくべき項目となります。これらはGoogleマップや自治体HP（多くの自治体には「移住相談窓口」のページが存在します）、各種サイトで情報を入手できるので、ぜひチェックしておいてください。
最初の段階でこれらを調べ「違和感」を覚えれば、それは移住後のミスマッチに繋がりかねないものとなります。移住先の選定において、まずこれらの基本情報を集めて精査することが、移住後に後悔や失敗しないためのファーストステップとして重要といえるでしょう。
思うように生活コストが下がらず移住前より収入も減少
地方へ移住してみたものの、当初の想定より生活コストが下がらず、しかも移住前より収入が減少し、生活が苦しくなるといった失敗例も数多く存在します。
現実問題として、東京や大阪などの大都会から地方へ移住する際は、「給料は下がる」という前提をもちましょう。業種にもよりますが、大企業をのぞけば給料は基本的にその地域の物価と連動するものなので、大都会よりも下がる傾向が顕著です。そのため、給料が下がることを前提にしたうえで生活設計する必要があります。
また、都会から地方へ移住した移住者がおどろくのが、「水光熱費」です。都会の都市ガスとちがって地方はプロパンガスが主流であり、その金額は2倍近くもしくはそれ以上となることがよくあります。寒い地域であれば暖房費が余計にかかり、家計を圧迫しかねません。
また、スーパーの商品も競争が激しい都会より値段が高いことがめずらしくなく、こちらも注意が必要です。ただ、地方の強力な強みとして、農家直送の産直市場であれば激安価格で新鮮な野菜が手に入るため、ぜひ積極的に活用してください。
たしかに家賃は圧倒的に大都会よりも安いものの、収入が減るリスクや水光熱費が高くなる傾向があることから、「地方移住＝金銭的にもゆとりある暮らし」という安直な発想をもたず、厳しい目で生活設計をシミュレーションしておきましょう。
地域コミュニティや人間関係のつまずき
移住での後悔や失敗でもっとも多いといえるのが、移住先での地域コミュニティや人間関係のつまずきです。都会とちがい地方での人間関係は濃密で、積極的なコミュニケーションが求められます。なぜかといえば、そもそも人口が少ない地方の町や村においては、地域住民のお互いの協力がなければ生活が成り立たないからです。
日ごろの挨拶はもちろん、自治会や消防団といった集まりに参加し、地域の清掃や見回りなどといった地域貢献を求められることも往々にしてあります。すべての移住先がそうというわけではありませんが、都会のようにドライな人間関係を貫くと「失敗」するので注意しましょう。移住先にどのような自治会や消防団といった集まりがあり、どのようなイベントがあるかなどは、会費などの費用負担もふくめて移住先の移住相談窓口に問い合わせておくのがよさそうです。
あまり過度に難しく考えるのではなく、笑顔でにこやかに挨拶するところから始めましょう。オープンマインドが大切で、地域住民との温かいコミュニケーションは心の安らぎにも繋がります。都会ではなかなか得られないさまざまな人との交流は、それこそ移住の醍醐味といえるのです。
もし、どうしても濃密な人間関係が苦手な方は、県庁所在地（地方都市）への移住を検討してみましょう。都市の利便性と豊かな自然が両立し、暮らしやすさは抜群です。田舎町よりも都会的な人間関係がベースにあるので、都会からの移住者にとってより馴染みやすい環境といえるかもしれません。
世代別に見る地方移住の後悔・失敗パターンと回避策
つづいて、世代別に見る後悔や失敗パターンにも着目し、その回避策とともに紹介します！世代別に見ることでよりリアルな視点となるため、こちらもあわせてご覧ください！
若年層・単身者の失敗・後悔パターンと回避策
【孤独感や人間関係の悩み】
若年層や単身者の方は、頼れる人が身近にいないことが多いため孤独を感じやすく、また、移住先に同世代が少ない場合は人間関係にも悩みがちです。そのため、なるべく同世代が活躍しやすい移住先をえらぶか、ある程度地域が栄えており遊べる場所が多い移住先をえらぶのがいいでしょう。もちろん、地域のイベントに積極参加することは重要です。
【仕事・将来への不安】
移住を決断したものの、若年層や単身者にとって移住先での仕事や将来への不安はつきものです。やはり仕事が充実している、ある程度栄えた都市を候補にするか、若者を積極的に誘致している移住先をえらぶのがよいでしょう。ただ、「やり直し」が可能なことも若年層や単身者に許された特権といえます。その身軽さをフル活用し、自分がより輝ける移住先へ再移住するか、一度地元に帰って仕切り直しするといった柔軟な考え方をもつことも大切かもしれませんね。
子育て世帯の失敗・後悔パターンと回避策
【教育環境や子育て環境の不足】
子どもの教育環境や子育て環境は、子育て世帯の移住においてもっとも重視されてしかるべきものです。子どもの年齢にもよりますが、進学先の選択肢が多い移住先や子育て支援が充実した移住先を徹底的にリサーチしましょう。
【家族間の意見を無視した決断によるストレス】
移住を成功させるためには、家族全員の同意が必要です。全員の意見が一致していなければ、のちのち大きな不協和音をもたらすかもしれません。夏休み・冬休みなどを利用して、家族全員で移住体験施設を活用しながら現地の生活を体験し、全員が納得する形で移住を検討しましょう。
シニア世帯の失敗・後悔パターンと回避策
【医療施設や先々の介護サービスの認識不足】
シニア世帯の移住では、近隣で適切な医療サービスが利用できることが必須条件となります。持病がある方であれば、専門の病院も確認しておきましょう。また、先々の介護サービスも同様で、どのような介護が受けられるか移住先にあらかじめ問い合わせておくことも重要です。
【交通の不便による生活のしづらさ】
今は車が問題なく運転できたとしても、いつしか運転できなくなる日が来るかもしれません。シニア世帯にとって移住先での移動手段の確保は非常に重要です。車がなくとも徒歩やバス・電車のみで暮らしていけるかどうか、慎重に移住先選びを行いましょう。また、長い坂道の有無も将来的な生活のしづらさに直結するので注意が必要です。
絶対に移住を後悔・失敗しないために必要な準備と心構え3選
人生の一大イベントである移住は、絶対に失敗したくないものです。そこで、必要な準備と心構えを3つに絞り紹介します！移住は「準備」と「心構え」の両方が大切です。しっかりと理解しておきましょう！
移住先候補地の徹底的かつ総合的な情報収集
移住先選びの際、まず最初に「移住先の基本情報」をチェックし、最初のハードルをクリアしなければなりません。それがクリアできたのなら、次は徹底的かつ総合的な情報収集を行います。「総合的」とは、将来のライフプラン（自身の老後や子どもの未来）をふくめた具体的計画です。
現地入りして、移住体験施設などで暮らしを体験しながら現地を実際に見て回るのはもちろんのこと、移住相談窓口の担当者と直接会って綿密な打ち合わせを行いましょう。あらかじめ疑問点（仕事・住居・学校・地域住民・移住支援など）を書き出しておき、ネットで調べきれなかったことや、ネットで得た情報もそれがあっているかどうか、すべて相談することが大切です。
一度だけでなく複数回現地視察を行い実際に話を聞く
移住を失敗したくないのであれば、現地視察は必ず複数回行いましょう。とくに、夏と冬は重要で、現地の暑さ・寒さや積雪の有無など気象条件を体験しておく必要があります。現時点で暑さ寒さは問題ないかもしれませんが、老後はわかりません。春や秋の現地視察は快適であるものの、できる限り夏と冬も現地入りしてみてください。
また、移住先によっては、自治体の移住相談窓口を介した現地視察の場合、地元住民の方と話をする機会を設けてくれることもあるので、実際に現地の方の話を聞きましょう。現地の方とコミュニケーションを取ることでネットでは得られない貴重な情報を入手でき、会話を通じて移住先が自分に合うかどうかの判断材料にもなるはずです。
なぜ移住するのか？や移住後の目標やライフスタイルを明確にする
漠然とした気持ちで移住すると、必ずといっていいほど移住は失敗します。絶対に移住を失敗したくなければ、その「心構え」はもっとも大切といえるかもしれません。
なぜ移住するのか？という理由と、移住後における目標や理想とするライフスタイルを明確にし、自分のなかだけでなく家族間においても、共通認識として確固たるものにしておきましょう。
これらの軸がなければ、移住後の生活が時間の経過とともにぼやけてきます。いつしか暮らしが退屈に感じ、移住したことに後悔を感じはじめるのです。「初心忘るべからず」とはよくいったもので、移住を失敗せず幸せな暮らしを長くつづけるためにも、ぜひこれらは胸に刻んでおくべきといえるかもしれません。
移住を成功させるための最新チェックリスト
それでは、移住を成功させるために必要な最新チェックリストを一気に紹介します！これらをクリアできていればもう大丈夫です。できているかどうかを1つずつチェックしていき、失敗や後悔のない素敵な移住を叶えましょう！
移住先の基本情報に関するもの
移住先の家賃相場や水光熱費
年間を通した気候や降雪量・自然災害リスク
近隣の医療機関と入院可能な総合病院
公共交通機関と近隣都市へのアクセス方法・所要時間
移住支援や移住者へのフォロー体制
仕事や収入源に関するもの
移住先の主要産業と雇用の種類・数（パートタイマーふくむ）
移住先の給料が低い場合は副業の検討
リモートワーク環境やインターネット速度
将来にわたって働きつづけられるかどうか（雇用が喪失しないか）
起業する際の自治体からの支援
住まいや暮らしに関するもの
希望する場所に住める住居・宅地・空き家などがあるか
移住先住居から買い物施設や学校・病院までの距離
移住先住居の災害リスク（地震・水害・台風・土砂崩れなど）
避難所や地域ハザードマップの確認
住宅リフォーム補助や家賃補助などの有無
子育て・教育環境に関するもの（ファミリー向け）
保育園や幼稚園（待機児童の有無も確認）・小中高校・大学等の充実度
子ども医療費助成制度ふくむ子育て支援制度
子どもの習い事や地域のスポーツ・サークル活動等
通学路の安全性（ルートや所要時間）
家族全員の理解と同意
地域コミュニティに関するもの
祭りや行事などの地域イベントの把握
移住者交流会の有無
自治会や町内会・消防団への加入や会費・集会の頻度
地域のルールやマナー（ゴミ出しルールなど）
近隣住民とのコミュニケーションの重要性の理解
心構えに関するもの
移住の理由を明確にする
叶えたいライフスタイル・目標を明確にする
地域の文化や習慣を尊重する
柔軟性と適応力を意識する
都会での慣習や考え方を移住先に持ち込まない
移住の相談窓口「スタイルチャット」に相談する
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失敗パターンを事前に知り後悔のない理想の移住を実現しよう
地方移住を成功させるためには、事前の情報収集としっかりとした準備が欠かせません。移住後に「思っていた生活とちがった」と後悔しないためにも、仕事や生活コスト、人間関係の築き方をふくめた総合的な視点で移住を考えましょう。また、失敗パターンを事前に知ることが、後悔のない移住に不可欠といえるのです。
今回の記事をぜひ参考にしていただき、理想の移住を実現させましょう！
※内容は2025年1月執筆時のものです。
