移住先を探している際、トイレだけが気に入らなかった経験はありませんか?また、衛生面を考えて便器や内装を新しくしたい方もいるでしょう。特に田舎や古民家への移住を考えている方は、和式や汲み取り式のトイレを洋式のものに交換したいと感じるかもしれません。
そこで今回は、移住先でのトイレのリフォームの種類や工事期間、かかる費用などを紹介します。また、費用を抑えるコツについても詳しくまとめました。トイレのリフォームを検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
トイレのリフォームの種類
トイレをリフォームするといっても、さまざまな種類があります。まずは、トイレのリフォームにはどんな種類があるのか、代表的なものを見ていきましょう。
部品交換・修理
トイレのリフォームの中でも手軽なのが、壊れた部品の修理や交換です。便器全体を交換するわけではないため、安価かつ短期間で終わります。劣化しているパイプのみを交換したり、割れた便座部分を交換したりするケースが多いです。
ただし、部品交換の場合には型番が古いと部品が見つからず対応してもらえない可能性があります。部品の生産は時間の経過とともに終了してしまうため、取り扱いのない場合は本体ごと交換しましょう。
設備の追加
トイレのリフォームは本体を直したり交換したりするだけでなく、手すり・手洗い場・ウォシュレットなどの設備を追加する工事も含まれます。設備を追加すれば、より便利にトイレを使うことができるでしょう。例えば、高齢の方がいる場合、手すりを設置すればトイレで座ったり立ったりするのが楽になります。また、温水洗浄便座などを設置すればより快適にトイレを使うことができるでしょう。
費用は抑えたいけど、機能をアップグレードしたい人におすすめなリフォームです。
ただし、トイレのスペースが狭いと設備の設置が難しい場合もあります。手洗い場や手すりを設けるスペースがあるかを事前に確認しておきましょう。
本体交換
トイレのリフォームの中でもメジャーなのが便器本体の交換です。便器本体の交換はトイレ内の雰囲気がガラッと変わるだけでなく、節水ができたり座り心地がよくなったりと機能面が大きく向上します。
トイレ本体の機能は種類によって大きく異なるため、自分の好みに合うものを選ぶようにしましょう。また、本体を交換する場合には、同時に内装のリフォームを行ってくれる業者があります。やや高額になりますが、壁紙や床材もキレイになるのでより清潔な雰囲気になるので、トイレをよりきれいにしたい人におすすめです。
トイレの場所移動・新設
トイレのリフォームは交換や修理ではなく、場所ごと移動したり新たに新設したりすることも可能です。「1階にはトイレがあるけど2階に新しく設置したい」「トイレの場所が気に入らないから移動させたい」と考えている場合には、検討してみると良いでしょう。ただし、配管工事が必要になってくるため、費用はグッと上がります。また、工事の時間も長くかかるのが特徴です。
トイレのリフォームにかかる工事期間
トイレのリフォームの種類が詳しく分かったところで、次は工事期間について解説します。工事の種類ごとに紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
部品交換・修理の場合
トイレの部品交換や修理の場合には、ほとんどの工事が数時間~半日程度で終わります。部品交換程度なら、早ければ1~2時間ほどで終わるでしょう。その日からすぐに使えるようになるため、工事中のトイレを心配する必要もほとんどありません。
設備を追加する場合
手すり・洗面台・温水洗浄便座などの設備を追加する場合には、半日~1日程度の工事期間を要します。温水洗浄便座の取り付けのみなら早ければ2時間ほどで終わりますが、トイレ内にコンセント差し込み口がない場合は別途で工事が必要です。
手すりの追加は半日程度、洗面台の設置は1日程度かかります。ただし、手洗い場の設置は配管工事を要するため、設置場所などによっては1日以上かかるケースもあるでしょう。
本体交換の場合
便器の本体交換の場合には、1~3日程度の工事期間となります。内装なしで便器の交換のみなら1日程度、内装込みになると2日程度が目安です。内装工事は床のみ、床と壁両方など張り替える場所や広さによって工事期間が異なります。内装を一緒にリフォームする場合でも、長くて3日程度見ておけば問題ないでしょう。
トイレの場所移動・新設の場合
トイレの場所移動や新設の場合には工事期間が長く、3~5日程度かかるケースがほとんどです。移動の場合には現在トイレがある場所の撤去工事も必要なため、より長い工事期間を要する可能性もあります。
どのリフォームを選択する場合でも、まずは一度現場を見てもらって業者から工事期間の目安を聞いておくのがおすすめです。
トイレのリフォームの費用相場
トイレのリフォームの費用相場は、リフォームの種類によって大きく異なります。ここでは、リフォームの内容ごとに詳しい費用相場をまとめました。
部品交換・修理の場合
部品交換や修理を依頼する場合は、部品代と工賃で数万円程度が相場です。修理や交換する部品の内容にもよりますが、部品が数千円程度で工賃が1~2万円程度となります。ただし、トイレの型によっては特殊な部品を要することがあり、やや高額になるかもしれません。
本体交換のみ
便器本体の交換のみの場合には、本体代と工事費用で10~20万円程度かかります。ただし、本体代は選ぶ種類によって大きく変動します。場合によっては数十万円かかってしまうこともあるので、事前によく確認しておくことが重要です。
また、ほとんどの場合では古い便器の回収費用も含まれていますが、稀に別途代金を支払う必要があります。依頼する際はよくチェックしておきましょう。
内装込みのリフォーム
内装込みでリフォームをしたい場合には、本体交換も含めて総額20~30万円程度が相場です。内装は壁紙の張り替えで2~5万円程度、床材の張り替えで1~6万円程度かかります。選ぶ床材や壁紙によっても異なりますが、内装だけで10万円前後かかる場合が多いです。
なお、トイレ本体を交換せず、内装のみリフォームしてもらうことも可能です。費用を抑えたい場合には内装のみのリフォームを検討してみましょう。
移動・新設の場合は高額
トイレの移動、新設などのリフォームでは100万円程度が相場です。下水道関係の工事が必要になってくるため、どうしても費用が高額になりがちです。また、移動工事の場合には、元の場所からトイレを撤去する工事も含まれるため特に費用が高くなります。
加えて、工事費用が高額なだけでなく、工事期間も長くなる傾向にあるので注意しましょう。
トイレのリフォーム費用を抑えるコツ
トイレのリフォーム費用について分かったところで、次は費用を抑えるためのコツを見ていきましょう。少しでも安く抑えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
補助金を活用する
トイレのリフォームでは介護保険の住宅改修費、自治体ごとの補助金制度の2種類の補助金を活用できます。以下で、それぞれの詳細を見ていきましょう。
介護保険の住宅改修費
一部の自治体では、介護保険による住宅改修費の補助を行っています。この制度が適用されるのは、バリアフリー化のための改修工事などです。例えば以下のような例が挙げられます。
- バリアフリー化するために和式トイレを洋式トイレへ変更
- 要介護の方でも使いやすい洋式トイレに変更
工事前にケアマネージャーなどと共に申請を行い、対象となる工事をすると対象工事費用の
7~9割(最大20万円)が支給されます。また、基本的には一度のみ申請可能で、要介護の区分が極端に重くなった場合のみ2回目の申請が可能です。
加えて、こちらの補助金が対象となるのは、要支援もしくは要介護認定されている方が工事を依頼する場合のみに限定されています。
自治体ごとの補助金制度
自治体ごとの補助金制度にはさまざまなものがありますが、ほとんどの場合では事前の申請が必要になります。申請をした上で工事を行うと、決められた金額の補助金が支給される仕組みです。対象となる工事の内容は自治体によりますが、例としては以下のようなものが挙げられます。
- バリアフリー化のための工事
- 汲み取り式から水洗トイレへの変更
- 節水トイレへの交換工事
支給額は自治体によって異なりますが、数十万円ほどになることが多いです。例えば、北海道札幌市では「住宅エコリフォーム補助制度」という制度があり、バリアフリーや省エネルギーに関わるリフォームをした場合、工事費用の10%(最大50万円)が支給されます。ほかにも、福岡県福岡市ではバリアフリーに関わるリフォームで上限30万円の補助金が支給されます。
補助金制度を利用するための条件は移住先の自治体によって異なるので、事前に問い合わせるなどして確認しておきましょう。
参考:札幌市住宅エコリフォーム補助制度
参考:住宅改造助成
便器・内装はグレードが低いものにする
便器は種類によって価格差が大きいため、費用を抑えたいならグレードの低いものを選ぶのもポイントです。内装も同様で、選ぶ床材や壁紙によっては高額になってしまいます。安く済ませたいなら壁紙はシンプルなものにし、床材はクッションフロアなどの素材を選ぶのがおすすめです。事前に業者と相談をして、なるべく費用がかからない材質のものを選びましょう。
部分的なリフォームにする
トイレ全体をリフォームする予算がない場合には温水洗浄便座の設置、便器の交換など気になるところだけをキレイにしましょう。そうすることで費用を安く抑えることが可能です。例えば、便器のみの交換なら、安いモデルを探せば10万円以下でリフォームできる可能性もあります。
内装はDIYでリフォームする
費用を抑えるためには、自分でできるところはDIYで行うことも重要です。例えば、壁紙の張り替え程度なら、ホームセンターで簡単に貼れる壁紙を活用すれば手軽にリフォームできます。また、床材もホームセンターなどで仕入れて自分で張り替えることが可能です。
場合によっては1万円以下でリフォームできることもあるため、費用を抑えたい方は検討してみましょう。
複数の会社に見積りを取る
トイレのリフォームを業者に依頼する際は、1社だけでなく複数の会社に見積りを依頼しましょう。複数の会社にリフォームの見積りを依頼すれば、より安い会社に依頼ができます。
移住先の物件のトイレをリフォームする際には、複数社に見積りを依頼しましょう。
また、トイレのリフォームの自社施工を行っている会社は費用が安い傾向にあります。自社施工を行っているか事前に問い合わせておくのもおすすめです。
トイレをリフォームする注意点
トイレをリフォームする際は、工事期間中のトイレをどうするかなど、いくつかの注意があります。以下で、詳しい注意点をまとめたので参考にしてみてください。
トイレの広さをチェックする
トイレのリフォーム前に、個室内の広さを計測しておきましょう。トイレ内の広さによっては、設置不可の製品もあります。また、配管工事などが行えないこともあります。事前に業者に相談するなどして、希望する工事ができそうか確かめておきましょう。
なお、掃除のしやすいタンクレストイレなら狭いトイレにも設置しやすく、空間を広く残せるので非常におすすめです。
工事期間中のトイレを考えておく
工事期間中はトイレが使えません。そのため、家にトイレが1つしかない場合には近くにトイレを借りられるところがあるか確認しましょう。ない場合には、簡易トイレの用意をしておくなど工夫をしてみてください。
また、施工会社によっては簡易設置のトイレを用意してくれるので、それを利用するのも良いでしょう。ただし、多くの場合ではレンタル費用が別途かかってしまうので、注意が必要です。
田舎や古民家への移住には注意する
田舎や古民家への移住を検討している場合には、リフォーム前のトイレの形式に注意しましょう。和式や汲み取り式から水洗トイレへのリフォームは配管工事が必要になり、高額になってしまう可能性が高いです。また、狭い和式トイレをリフォームする場合には設置できる便器が限られてしまいます。
費用を抑えたければ、簡易水洗と呼ばれるトイレへのリフォームがおすすめです。ただし、完全な水洗とは違って汲み取りが必要なので、少し不衛生だと言えます。
移住先のトイレをリフォームして生活を快適に!
トイレは毎日何度も使う場所だからこそ、快適な空間であって欲しいものです。リフォームは費用も時間もかかりますが、工夫をしながら行えば費用を抑えながら理想のトイレを目指せるでしょう。
便器本体の交換をしたり、内装を少しキレイにしたりするだけでも、明るく新鮮な気持ちで移住先の生活をスタートさせられます。「移住先でキレイなトイレを使いたい」「理想に近い家があるのにトイレが気に入らない」と考えている方は、ぜひ本記事を参考にリフォームを検討してみてください。