移住コラム

地方都市への移住が密かに人気?住みやすい地方都市を選ぶポイントとおすすめエリア

都会と田舎の良い部分を併せ持つ「地方都市」。近年、リモートワークを導入する企業が増えたことにより、地方都市への移住に注目が集まっています。

しかし、「地方都市で住みやすいエリアは?」「地方都市に移住するメリットは?」と移住するエリアが定まらず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、地方都市へ移住するメリットやエリアを選ぶポイント、おすすめの地方都市を解説します。地方移住をする際の判断材料の1つとして参考ください。

地方都市とは

「地方都市」とは、首都圏、関西圏、中京圏の都市以外の都市を指します。一般的に、東京・大阪・横浜・京都・神戸・名古屋などの大都市を除いた各都道府県の県庁所在地や各地方で一定規模の人口を誇る都市を「地方都市」と呼んでいます。

政令指定都市の札幌市・福岡市・仙台市・広島市はもちろん、政令都市に指定されていない、北九州市や浜松市なども大きな地方都市に該当します。
地方都市の定義は明確に定められていませんが、人口30万人以上の規模の都市は、地方都市として想定されています。

地方都市を移住先として選ぶ理由

都会と田舎の良いところだけを取った地方都市が移住先として選ばれる理由は、生活において下記のようなメリットがあるためです。

  • 都心へアクセスしやすい
  • 現在の仕事を続けられる
  • 家賃や物価が安い
  • 自然が多く時間がゆっくり流れる

これら4つの観点を詳しく紹介します。

都心へアクセスしやすい

地方都市は、交通網が整っており、アクセスが良い点がメリットです。一定規模の人口を誇っているため、財政的に余裕がある都市は交通が整っている傾向にあります。

電車やバス、地下鉄などの公共機関が充実しているため、車がなくても不便に感じにくいことが大きなメリットです。また、政令指定都市や県庁所在地であれば新幹線や空港、フェリーターミナルがあり、首都圏へのアクセスも整っています。

県や国を跨いだ出張や旅に出る機会が頻繁にある方にとって、地方都市での暮らしは便利だと感じるでしょう。

現在の仕事を続けられる

地方都市に本社を移動させる企業も増えており、現職を辞めずに移住ができる可能性があります。過疎地域に移住する場合は、転勤により現職を続けられる可能性は極めて低いですが、地方都市なら転勤・異動のみで続けられるかもしれません

さらに新型コロナウイルスの影響からテレワークを導入する企業が増えているため、住む場所に捉われずに働けるケースも多くなってきています。好きな場所に住みながらオンラインで仕事ができることは理想の働き方と言えるでしょう。

家賃や物価が安い

地方都市のメリットの1つに、家賃や物価が安いことが挙げられます。都内で主要駅の徒歩圏内に住む場合には、ワンルームであっても最低7万円以上の家賃が必要です。家族で住めるマンションを借りるとなれば、月々10万~20万円が相場となります。

一方、地方都市は駅から徒歩10分以内、2LDKで家賃5万円以下の賃貸物件は比較的に簡単に探せます。もちろんエリアによって異なりますが、大都市よりは遥かに家賃が低く、物価が安いことが魅力的だといえるでしょう。

同じ費用を支払うなら、広くてゆとりのある空間で暮らせる、地方都市への移住がおすすめです。また、地方都市であれば土地代も大都市に比べて安価なため、マイホームを持つことを視野に入れて移住を検討するのも良いかもしれません。

自然が多く時間がゆっくり流れる

地方都市では、程よい距離感に自然に触れられ、ゆっくりと過ごせる点も魅力的です。ただし、住居地が地方の中でも都市部に近ければ、日常的に自然の中で過ごせるといった感覚はないかもしれません。

しかし、少し車を走らせれば自然と向き合える環境が整っています。たとえば、キャンプや釣り、スキーやサーフィンなどアウトドア好きにはたまらない環境が程よい距離にある点も嬉しいポイントです。また、大都市に比べると情報量や雑音が少ないので、落ち着いた気持ちで過ごせる方も多いようです。

移住しやすい地方都市を選ぶポイント

「地方都市」といってもすべてのエリアの住み心地が良いとは限りません。そのため、移住しやすい地方都市を選ぶ必要があります。
住みやすい地方都市を選ぶポイントは次の3つです。

  • 会社へのアクセスが便利
  • スーパーや病院の選択肢が多い
  • 子育て支援が充実している

会社へのアクセスが便利

交通網が整っており、会社へのアクセスが便利な地方都市を選ぶことが大切です。総務省統計局が平成23年に実施した社会生活基本調査によると通勤時間の平均は、東京都は1時間30分に対して、地方都市である広島の場合は1時間9分と東京と比べて20分以上の差が生じています。

しかし、バスや電車、地下鉄などの交通網が整っていない場合、「1時間に1本しかバスがこない」といったことも稀ではありません。せっかく地方都市に住むのであれば、交通網が充実しており、通勤時間が短縮できるエリアを選択した方が良いでしょう。

参考:総務省社会生活基本調査

スーパーや病院の選択肢が多い

地方都市ではスーパーや病院などの施設も充実しています。もちろん大都市と比べると数は少ないですが、本格的な田舎で暮らすよりも、選択肢は多いといえるでしょう。

地方都市では総合病院や教育機関、大型ショッピングセンターなど大きな施設がまとまっているため、複数の用事を一か所で済ませられることも可能です。充実した施設が整っている地方都市を選ぶと生活するうえでの利便性が高くなります。

子育て支援が充実している

子供がいる家庭やこれから予定がある方は、移住先の自治体が行なっている子育て支援をチェックしましょう。子育て支援の内容は、地方自治体によって異なりますが、下記3つの項目を確認しておきましょう。

  • 乳児医療の助成が何歳まで対象となるのか
  • 子育て支援総合施設はあるのか
  • 通学定期補助の有無

地方都市では、待機児童の心配が少ない上に、土地や家賃が安いので大きな家でのびのびと子育てができるメリットがあります。また、子供が自然を身近に感じられるので、支援が充実していれば子育てに最適な移住地だといえます。

移住先としておすすめの地方都市


ここでは、移住先としておすすめの3つの地方都市を紹介します。

長野県長野市

長野市は、長野県の北部に位置する県庁所在地です。宝島社が手掛ける雑誌「田舎暮らしの本」では、「移住したい都道府県ランキング」で14年連続1位に輝いています。

新幹線を利用すれば、東京まで1時間半とアクセスの良さも魅力的です。温泉地数が日本で2番目に多く、日帰り入浴施設数は日本トップクラス。気軽に温泉を楽しめるので、心身ともにリフレッシュしながら移住ライフを送れます。

全国宅地建物取引業協会連合会の情報によると、東京都世田谷区の家賃相場が1LDKで11.47万円のところ長野市は1LDKで4.86万とリーズナブルです。

さらに、長野市空き家バンクの補助金など支援制度が充実しているので、出費を抑えて広い家に住みたい方にもおすすめです。0歳~中学3年生まで児童手当を受けられたり、就業助成制度を設けていたりと子育てへの支援も充実しています。

参考:長野市移住・定住情報

広島県広島市

広島市は、都市の良さと豊かな自然環境が両方叶う地方都市です。瀬戸内海や中国山地をはじめとした山々があるので、登山やマリンスポーツなどアクティブな方にはうってつけの環境です。広島市内には、JRのほか路面電車やアストラムラインも利用できるため、交通の便が良い点も魅力の1つです。

総務省統計局ホームページ「平成30年住宅・土地統計調査」によると、広島県民の持ち家率は61.3%。それに対し、東京は5割未満ですのでマイホームに憧れを抱く方におすすめの地方都市といえるでしょう。

広島県は、移住希望者に対して「片道交通費支援制度」を実施しています。東京圏にお住まいの20歳以上の方を対象とし、移動にかかる経費を負担してくれる制度です。

そのほか、教育を地域全体で支える環境学習が整っていたり、妊娠中~子育て中の方を対象とした「ひろしま子育て応援アプリ」が利用できたりと子育て支援の充実度も人気の理由に挙げられます。

参考:総務省統計局ホームページ「平成30年住宅・土地統計調査」

静岡県静岡市

静岡市は、人口70万人の県庁所在地です。新幹線を利用すれば1時間で東京へアクセスできる便利な交通網が人気の理由の1つ。海・山・川の三拍子揃った大自然を堪能できるのは、静岡市ならではの魅力です。

東京都の平均家賃81,001円に対し、静岡市の1ヶ月当たりの平均家賃は50,038円ですので安く、広い家に住めるでしょう。

静岡市は、2015年に「共働き子育てしやすい街」の第1位にランクインするほど、子育て支援が充実しています。たとえば、子育て支援センターが赤ちゃんをお預かりしたり、急な残業でお迎えにいけなくなったときに代行してくれたりと子育て世帯に寄り添い、手厚いサポートを受けられます。
参考:2019年度総務省小売物価統計調査

地方都市へ移住する前に下調べを念入りに!

地方都市は、病院や学校といった生活に必要な施設がコンパクトにまとまっています。利便性が高く暮らしやすい上に、東京と比べて生活費が安いという点が大きなメリットです。

「地方都市」といっても暮らしやすさはそれぞれ異なるので、移住を検討する際は、下調べを念入りに行い、思い描いたライフスタイルを送ることができるエリアを見極めましょう。

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