移住コラム

移住にかかる費用はどのくらい?安く済ませるポイントを5つ紹介!

リモートワークが推奨される世の中で、地方へ移住する方が増えてきています。都会とは異なり、自然豊かでのびのび暮らせるのが地方移住の大きな魅力です。しかし、移住に際してさまざまな費用がかかるため、安く済ませる方法を知っておきましょう

この記事では、移住にかかる費用安く済ませるポイントについて紹介します。移住する際の注意点についても解説しているため、ぜひ最後まで読んでみてください。

【単身世帯】の移住費用

単身世帯の移住は主に、引越し費用、住居費用、自動車の購入費用、その他の費用が発生します。以下は単身世帯の移住費用目安です。

単身世帯の移住費用 金額目安
引越し費用 10万円程度
住居費用 30万円程度
自動車の購入費用 100万〜200万円
その他の費用 10万〜20万円程度

ここでは項目別に費用の詳細を解説します。

引越し費用

引越し費用は荷物の量や時期によって価格が変化します。単身者の500kmを超える長距離引越しの場合(東京から大阪程度)、通常期(5月〜2月)で6万〜9万円、繁忙期(3月〜4月)であれば、10万〜13万円が相場です。

ほかにも平日や休日、引越し業者によって価格は前後しますが、おおよそ10万円前後だと考えておくとよいでしょう。引越し費用を抑える方法について詳しくは後述しますが、繁忙期を避けたり、相見積もりを取ったりする方法があります。

住居費用

住居費用は家賃によって大きく異なりますが、一般的に家賃の5〜6ヶ月分が初期費用の目安と言われています。都心と地方でも家賃の相場が大きく異なりますが、ここでは家賃を6万円と仮定して計算してみましょう。初期費用の目安となる内訳は以下のとおりです。

  • 敷金 0〜12万円
  • 礼金 0〜12万円
  • 日割り家賃 入居日によって変化
  • 前家賃 0〜6万円
  • 仲介手数料 3万〜6万円
  • 火災保険料 1.5万〜2万円
  • 鍵の交換費用 1万〜2万円

家賃が6万円の場合、おおよそ30万円程度の住居費用がかかると思っておくとよいでしょう。しかし、敷金・礼金なしの賃貸物件も多いため、物件次第では初期費用を大きく抑えられます。

自動車の購入費用

地方で暮らす場合は自動車が必要になるケースがほとんどです。自動車は車体のタイプやグレード、中古か新車かによって価格が大きく異なります。以下は比較的リーズナブルな新車の車両価格目安です。

  • ダイハツ ミライース:86万円〜
  • トヨタ ヤリス:147万円〜
  • ダイハツ ロッキー:166万円〜

中古車だと安くて数十万円で買える自動車もあるため、車両価格を抑えたい場合は中古車を購入するとよいでしょう。

また車の購入時には、車体費用のほかにも法定費用や代行費用(車両登録・名義変更)などの諸経費も発生します。諸経費は車両価格の1〜2割が目安です。

参考:ダイハツ工業株式会社「ミライ―ス グレード・価格」
参考:トヨタ自動車株式会社「トヨタ ヤリス 価格・グレード」
参考:ダイハツ工業株式会社「ロッキー グレード・価格」

その他費用

移住に際しては、上記費用のほかにも以下のような細かい費用が発生します。

  • 退去費
  • 交通費
  • 家具・家電の購入費

退去費は部屋の損傷具合によっても異なりますし、敷金が返還されるケースもあります。また家具や家電を新調する場合は、10万〜20万円程度かかると考えておくとよいでしょう。

【2人以上世帯】の移住費用

家族世帯の移住は単身世帯同様に、引越し費用、住居費用、自動車の購入費用、その他の費用が発生します。家族の人数や住宅を購入するかどうかによっても費用は大きく変わりますが、以下が家族世帯の移住費用の目安です。

2人以上世帯の移住費用 金額目安
引越し費用 16万〜35万円程度(長距離引越しの場合)
住居費用 30万円程度(家賃12万円の場合)
自動車の購入費用 100万〜200万円(中古車の場合)
その他の費用 10万〜20万円程度

自動車を購入しない場合は、家族世帯の移住に50万〜80万円程度かかると思っておくとよいでしょう。ここでは項目別に費用の詳細を解説します。

引越し費用

家族での引越しでは、人数に応じて荷物の量が変化し、金額が変わります。500kmを超える長距離引越しの場合(東京から大阪程度)、通常期(5月〜2月)で16万〜20万円、繁忙期(3月〜4月)であれば、30万〜35万円が相場です。

家族引越しは通常期・繁忙期で費用が大きく変わるため、引越しの時期は慎重に考えましょう。

住居費用

住居費用は賃貸か購入かによって異なります。

賃貸の場合

賃貸の場合、一般的に家賃は5〜6ヶ月分が目安です。家賃は間取りによっても大きく異なりますが、ここでは家賃を12万円と仮定して費用目安の内訳を紹介します。

  • 敷金 0〜24万円
  • 礼金 0〜24万円
  • 日割り家賃 入居日によって変化
  • 前家賃 0〜12万円
  • 仲介手数料 6万〜12万円
  • 火災保険料 1.5万〜2万円
  • 鍵の交換費用 1万円〜2万円

家賃が12万円の場合、初期費用に72万円程度かかると思っておくとよいでしょう。敷金・礼金なしの物件を選んだり、間取りを工夫したりすることで家賃は大幅に抑えられます。

住宅を取得する場合

住宅を取得する際の費用目安は以下のとおりです。

  • 物件費用 3,000万〜4,000万円
  • 仲介手数料 物件価格×3%+6万円+消費税が上限
  • 印紙税 1万〜3万円
  • 不動産取得税 固定資産税評価額の3%
  • 登録免許税 固定資産税評価額の2%
  • 登記代行依頼料 10万円程度

住宅は土地付き注文住宅か建売住宅かで費用が異なります。また住宅ローンを組んだ際にはローンの手数料や保証料、手付金なども発生する点に注意しましょう。

自動車の購入費用

単身世帯と同様、地方では自動車が必要になるケースがほとんどです。特に子育て世帯では、子供の習い事や塾、受診の送迎など車が必需な場面が多く出てきます。ファミリータイプの自動車を新車で購入する場合、150〜300万円程度の自動車購入費を想定しておくとよいでしょう。

たとえば、ファミリーカーを中古で購入する場合、人気車種の相場は以下のとおりです。

  • ホンダ :N-BOX:18万~189.8万円
  • スズキ:ソリオ:9万~265.5万円
  • ホンダ: ヴェゼル:82.8~451.6万円

その他費用

移住に際しては、上記費用のほかにも以下のような細かい費用が発生します。

  • 退去費
  • 交通費
  • 家具・家電の購入費

賃貸に住んでいた場合は退去費用が発生します。また
家具や家電を新調する場合は、10万〜30万円程度かかると考えておくとよいでしょう。

移住のためにはいくら貯金が必要?

移住に必要な貯金額は上記で紹介した金額に加え、仕事が決まっているかどうかでも変わってきます。仕事が決まっていない場合は、当面の生活費を考慮して3〜6ヶ月分の生活費を用意しておくとよいでしょう。

生活費は家賃によっても異なりますが、1ヶ月あたり単身世帯であれば15万〜20万円程度、家族世帯であれば30万円程度と考えておけばよいでしょう。仕事がすぐに決まるとは限らないため、移住前に仕事を決めておくことをおすすめします。

移住前と移住後でコストが変わるもの

地方移住でコストが変わる可能性のあるものには、主に以下の5つが挙げられます。

  • 家賃
  • 自動車費や交通費
  • 食費や日用品費
  • 光熱費
  • 娯楽費や交際費

地方移住で安くなるもの

地方移住によってコストが安くなる可能性のあるものは、主に以下の3つです。

  • 家賃
  • 食費や日用品費
  • 娯楽費や交際費

一番大きく変わる可能性があるのが家賃です。家賃は都市部と地方で比較すると、圧倒的に地方のほうが安い傾向にあります。食費・日用品費も、地方は物価が安い傾向にあることからコストが下がるといえるでしょう。

娯楽費・交際費は人によって大きく変わる部分であるため明確に安くなるとは言えませんが、一般的に地方のほうが安く抑えられる傾向にあります。なぜなら地方では自然を活かした遊びが可能であるためです。

ドライブ・キャンプ・山登り・スキー・海水浴など、自然の多い地域特有の遊びが満喫できます。都市部では娯楽施設が多い点は魅力ですが、その分お金がかかるケースが多いようです。

地方移住で高くなるもの

地方移住によってコストが高くなる可能性のあるものには、主に以下の2つが挙げられます。

  • 自動車費や交通費
  • 光熱費

地方移住によって自動車を購入すれば維持費がかかります。自動車をローンで購入すれば、ローンや車検、税金の支払いがあることから、都市部に住むよりもお金がかかると感じる場合もあるでしょう。

水道光熱費は住む地域によって異なります。雪の多く降る地域に住めば、暖房の使用によって高熱費がかさむ場合もあるでしょう。

移住費用を安く済ませるポイント5つ

移住費用は工夫次第で大幅に安く済ませられます。移住費用を抑えたい方は、ここで紹介する5つのポイントを押さえておきましょう。

1.複数の引越し業者から見積もりを取る

引越しの料金は業者によって異なるため、複数の引越し業者から見積もりを取るのがおすすめです。5万円近く安くなるケースもあるため、有効な手段といえます。

相見積もりは一括見積もりサービスを利用することで、複数の業者からまとめて見積もりを取ることが可能です。

2.移住の時期は引越し業者の繁忙期を避ける

引越しの料金を大幅に安くしたい方は、引越し業者の繁忙期を避けて引越ししましょう。繁忙期は一般的に3〜4月で、この時期は引越し料金が通常期に比べて数万円以上高くなることがあります。

また引越し業者の料金カレンダーから安い日を選ぶのもポイントです。業者によっては、特売日や安売りなど、料金の安い日程を設けているケースがあります。

3.不要なものは早めに売却する

引越し料金は荷物の量で変わってきます。家具や家電など、不要なものを処分すれば引越し料金を抑えることが可能です。また不用品を高く売却できれば、その分引越し料金の足しになります

不用品の売却方法はさまざまですが、ネットオークションは高く売却できるためおすすめです。しかし、売れるまでに時間がかかる場合もありますし、必ず売れるとも限りません。

そのためオークションにかける場合は早めに出品することが重要です。売れ残ったものは、リサイクルショップで売却するか、不用品買取業者に引き取ってもらいましょう。

4.公営住宅に住む

住居に関する費用を抑えるために、公営住宅に住むのもおすすめです。一般的な賃貸住宅よりも家賃が安く設定されているため、毎月のコストを安く抑えられます。しかし公営住宅に住むためには、収入や世帯要件などの入居資格を満たす必要がある点に注意しましょう。

5.移住支援制度を活用する

国が実施している移住支援制度を活用するのもおすすめです。一定の条件下で地方移住すると、単身で最大60万円、世帯で最大100万円が支給されます。また地方で起業した場合には、企業支援金として最大で200万円支給されます。

支援対象となる人や地域、就職先など細かい要件があるため、内閣府のサイトや移住先の都道府県に確認してみてください。

参考:起業支援金・移住支援金 – 地方創生

移住費用の節約にも!自治体独自の支援制度例

移住支援制度は国だけでなく、自治体ごとに独自の制度を設けている場合があります。ここでは、以下4つの地域の移住支援制度を紹介します。

  • 青森県十和田市
  • 北海道厚岸町
  • 鳥取県鳥取市
  • 岡山県玉野市

「青森県十和田市」引越し費用の3分の2を補助

青森県十和田市は「十和田湖」や「奥入瀬渓流」といった豊かな自然に加え、「十和田市現代美術館」といったアートも楽しめる街です。

移住・定住引越し支援事業として、一定の要件を満たした方に引越し費用の3分の2(上限10万円)を補助金として支給しています。

参考:移住・定住支援|青森県十和田市

「北海道厚岸町」引越し費用&家賃の一部を補助

花と味覚と歴史の町といわれる北海道厚岸町は、「牡蠣まつり」「厚岸港まつり」などのイベントや、「カヌー体験」「あさり堀り体験ツアー」といった自然が楽しめる町です。

厚岸町では、引越し費用(対象経費の2分の1で上限は10万円)の補助に加え、賃貸住宅に住む場合の家賃を補助(家賃から住宅手当を控除した額の2分の1で上限は月2万円)制度があります。

参考:引越費用と家賃を支援します! | 移住情報 | 北海道厚岸町

「鳥取県鳥取市」若者夫婦または子育て世帯に最大10万円を支給

鳥取市は鳥取砂丘をはじめとする自然が身近にあるほか、子育て・教育機関・医療機関も充実している暮らしやすい街です。

鳥取市では、一定の要件を満たした若年夫婦または子育て世帯に対し、移住支援金として最大10万円を支給しています。

参考:鳥取市ふるさとでの新しいライフステージ支援事業補助金

「岡山県玉野市」お試し滞在に係る費用を最大10万円まで助成

岡山県玉野市は美しい自然に恵まれた「瀬戸内海」、アートを感じられる「瀬戸内国際芸術祭」など、自然と観光を楽しめる街です。

玉野市では移住を検討している方に向け、お試し滞在費用の一部を補助(単身で上限5万円、世帯で上限10万円)しています。

参考:玉野市の移住支援制度のご紹介【移住を検討されている方必見】

移住費用を踏まえて入念に移住計画を練ろう

移住には住居費用や引越し費用など、さまざまなお金がかかります。地方では自動車が必要なことも多いため、自動車の購入も想定して移住資金を用意するとよいでしょう。

また移住費用を安く抑えるためには、国や地方自治体が実施している移住支援制度を利用するのが有効です。この記事で紹介した移住費用を抑えるポイントを参考にしつつ、移住計画を練ってみてください。

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