部屋を自分好みにリフォームしたけど、古い屋根のせいで見た目がイマイチ……・・・・・・なんて思っていませんか?リフォームが大変そうに感じる屋根も、構造が分かっていればおしゃれに変身させられます!
屋根リフォームに必要な費用や注意するポイントを詳しく見ていきましょう。
屋根リフォームの種類
まず、屋根のリフォーム方法にはどんな種類があるのかを知っておきましょう。
屋根リフォームの代表的な工事には、「塗り替え」「カバー工法葺き替え」「葺き替え工事カバー工法」の3つがあります。3つの工事の特徴や、メリット・デメリットについても見ていきましょう。
塗り替え
「屋根の塗装工事」は、屋根材に大幅な傷みが見られない場合に用いられる方法です。表面を塗装することで、美観が保てるだけでなく、屋根材の放水性や耐久性を延ばすこともできます。ただし、日本瓦の場合は使えない方法なので注意してください。
また、使用する塗料によって費用が大きく異なるのも特徴です。
塗料代の相場
塗料の種類 | 費用 | 耐久年数 |
ウレタン | 1,200~2,200円/㎡ | 6〜10年 |
シリコン | 1,600~3,500円/㎡ | 8〜15年 |
ラジカル | 1,800~4,500円/㎡ | 12〜15年 |
フッ素 | 1,800~4,800円/㎡ | 8〜20年 |
断熱・遮熱(『ガイナ』など) | 2,300~4,500円/㎡ | 15〜20年 |
無機 | 4,000~5,500円/㎡ | 15〜25年 |
参照:リショップナビ 屋根塗料の種類別】施工価格や耐久年数の違い
塗り替え工事のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・3種類の工事のうちもっとも費用が安い ・作業中の騒音があまりない |
・定期的なメンテナンスが必要なため、結果的に費用がかさむ場合もある ・屋根材の傷みがひどい場合は採用不可 |
カバー工法
現在の屋根材を撤去せずに上から新しい屋根材を重ねる方法を、「カバー工法」と呼びます。屋根自体は劣化しているけれど、下地までは傷んでいない場合に使える工事方法です。
カバー工法のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・既存の屋根の解体が不要なため、低コストかつ・短期間で工事が可能 ・屋根が二重構造になり、耐久性・遮音性が高まる |
・内部が劣化していても気づきにくく、対応に遅れる可能性もある ・屋根の重さが増すため、耐震性に影響が出やすい |
葺き替え工事
既存の屋根を撤去し新しい屋根材を設置する方法が、「葺き替え工事」です。屋根全体を一新するので、耐久性が高くなるのが最大の特徴です。雨漏りをしている場合や、築20年以上の古い物件には葺き替え工事で対応しましょう。
葺き替え工事のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・屋根だけでなくその下の防水シートも交換するため、新築に近い耐久性を取り戻せる ・屋根の重さが変わらない、または軽減できるため、耐震性能を上げることが可能 |
・3つの工事のうちもっとも高額で工期も長い ・屋根の解体時の騒音が問題になる可能性がある |
主な屋根材の種類
リフォーム工事の方法がわかったら、次は屋根の材料(屋根材)についても見ていきましょう。
一口に屋根材といっても、素材や工法、自分の求めるイメージなどによって使用する屋根材が変わってきます。自分の家に最適な屋根材が選べるようにしたいですね。
ガルバリウム鋼板
「ガルバリウム鋼板」とは、ガルバリウムという合金でメッキされた金属の板のことです。1970年代にアメリカで開発されて以来、現在ではもっともポピュラーな屋根材として多くの建材メーカーが採用しています。
ガルバリウム鋼板の特徴を一言で表すならば、「コスパに優れている」でしょう。耐震性・耐久性の割には値段が手頃なことから、リフォームでまず選択される素材です。
ただし、サビが発生しやすいため、沿岸地域や工業地帯に住んでいる場合には、サビのリスクを十分にリスクを心得ておきましょう。
エスジーエル鋼板
ガルバリウム鋼板を改良した金属板が「エスジーエル鋼板」です。ガルバリウム鋼板のメッキにマグネシウムを加えており、スーパーガルバリウム鋼板(SGL)とも呼ばれます。
ガルバリウム鋼板との大きな違いは、何と言ってもサビにくい点でしょう。
日鉄鋼板株式会社による試験では、ガルバリウム鋼板よりも3倍の耐食性が確認できたとされており、ガルバリウム鋼板では心もとなかった沿岸部での採用が本格的に可能となりました。
参照:日鉄鋼板株式会社
ジンカリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とほぼ同様の素材ながら、呼び名の異なる素材が「ジンカリウム鋼板」です。商標登録している会社によって名称が使い分けられており、基本的には国産の建材をガルバリウム鋼板、海外製の建材をジンカリウム鋼板と考えればわかりやすいでしょう。
さらに、ガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板の表面に石粒をコーティングした屋根を「ストーンチップ鋼板」、「石粒付き鋼板」、「自然石粒付き鋼板」、「自然石粒付き化粧鋼板」などと呼ぶこともあります。
屋根リフォームにかかる費用と工事期間
さて、一番気になるのが、屋根リフォームにかかる費用と期間ではないでしょうか?それぞれの目安をご紹介するので、必要になる金額や時間を見越しておくと良いでしょう。
屋根リフォームにかかる費用
屋根リフォームの費用は、リフォーム方法・現在とリフォーム後の屋根材の種類によって多種多様です。自宅の屋根材に何が使われているのかを把握しておくと、費用の目処がつけやすくなるでしょう。
屋根リフォームにかかる一般的な費用
リフォーム方法 | 現在の屋根 | 新しい屋根 | 費用相場 (30坪の場合) |
葺き替え | 瓦 | 瓦 | 160~230万円 |
瓦 | スレート | 120~160万円 | |
瓦 | ガルバリウム鋼板 | 130~170万円 | |
スレート | スレート | 110~150万円 | |
スレート | ガルバリウム鋼板 | 120~160万円 | |
重ね葺き | スレート | ガルバリウム鋼板 | 90~130万円 |
部分修理 | 瓦 | ー | 5~20万円※ |
スレート・金属 | ー | 3~15万円※ | |
塗装 | 45~70万円 |
※足場代(約15~20万円)が別途必要な場合もあり
参照:リフォームガイド
屋根リフォームにかかる工事期間
屋根リフォームにかかる期間は、屋根材の種類やリフォーム方法によって異なります。さらに、作業の進み具合は天候や立地条件などによって左右されるケースもあるため、余裕を持って日程を組んでおくことをおすすめします。
屋根材別リフォーム工期
屋根材の種類 | リフォーム方法ごとの工期 |
粘土瓦 | 葺き替え:7~15日/葺き直し:10~20日 |
セメント | 塗装:5~7日/葺き直し:5~10日 |
スレート | カバー工法:3~7日/葺き替え:4~10日/塗装:4~7日 |
ガルバリウム鋼板(金属系) | カバー工法:7~10日/葺き替え:10~15日/塗装:10~14日 |
参照:屋根修理マイスター
屋根リフォーム費用を抑えるコツ
部屋とは違って、屋根のリフォームにはまとまった費用がかかりますることがお分かりになったでしょう。でも、できれば少しでも負担を無くしたいですよね。ここでは、屋根のリフォーム費を抑えるコツをご紹介します。ぜひ知っておきましょう!
補助金を利用する
金額の大きな屋根のリフォームには、自治体から補助金が出る場合があります。
補助金の種類は、環境への配慮が目的の省エネリフォーム、耐震基準を下回る建物を補強する目的の耐震リフォームの2つに分けられます。それぞれのリフォームで受け取れる補助金額は各自治体によっても異なりますが、以下の金額を目安に考えると良いでしょう。
- 省エネリフォーム:工事費の5~20%(約10~50万円)
- 耐震リフォーム:工事費の50~80%(約50~90万円)
また、補助金の対象となる工事も、葺き替え工事、断熱工事、カバー工事、遮熱(断熱)塗装工事の4つと決められています。
この他、補助金を受けるための条件も定められているので、住んでいる、または住む予定の自治体の制度を確認してみてください。
複数の業者に相見積もりを取る
普段食材や家電を購入する際、チラシや店舗ごとの金額・性能を比較して検討するように、屋根のリフォームでも複数の業者から見積もりを取ることができます。
相見積もりを取ることによって金額の相場が分かってくるので、納得して決めやすくなるでしょう。
また、点検や調査に訪問した業者の様子を観察できるのも、相見積もりのメリットです。屋根にも登りもせずにさっさと帰ってしまう業者には、いくら安くても依頼はしたくないですね。
外壁やベランダとセットで依頼する
屋根のリフォーム費を抑える方法に、「外壁やベランダとセットで依頼する」という裏技があるのをご存じでしょうか?
屋根のリフォーム時には一般的に足場を組みますが、これは外壁やベランダをリフォームする際も同様です。つまり、屋根と外壁・ベランダのリフォームを別に行うと、足場の設置・解体費を2回払うことになってしまいます。
一般的な30坪程度の外壁をリフォームする場合の足場代は15万円前後と、決して安くはない金額です。屋根と外壁・ベランダを同時にリフォームしてしまえば、足場代を1回分節約できますね。
屋根リフォームの注意点
期間や費用がわかったところで、最後に屋根リフォームの注意点も覚えておきましょう。単に「おしゃれにしたい」だけで決めてしまって、後悔するはめになっては台無しです。納得のうえでリフォームを進めたいですね。
湿気の多い梅雨や台風シーズンを避ける
屋根リフォームには雨は禁物です。作業が進まなくなる以外に、屋根材自体にも悪影響を及ぼすからです。
雨の多い梅雨の時期や台風シーズン、また雪が降る冬は必ず避けるようにしましょう。
屋根のリフォームには、気候が穏やかな春がおすすめです。
施工実績の多い業者から選ぶ
風雨や直射日光、寒風を防いでくれる屋根は、建物の中でもっとも重要な部分です。ぜひ施工実績の多い業者を選ぶようにしてください。目安として、1,000件以上の実績があることが理想です。
実績が少ない業者に依頼したばかりに、雨漏りが……などということにならないようにしましょう。
DIYをしない
建物の中でも重要度が極めて高い屋根のリフォームでは、DIYは厳禁です。
部屋やキッチンとは異なり、屋根の修理作業には専門性が高い作業が多いため、必ず業者に依頼するようにしましょう。
素人が修理したことによって状況が悪化し、雨漏りや屋根材がはがれたという事例もあります。費用を抑えたい気持ちはわかりますが、業者に任せましょう!
移住先の屋根リフォームで生活を快適に!
気になる物件の屋根が気に入らないのなら、リフォームしてガラッと雰囲気を変えてみてはいかがでしょうか?自分好みの屋根を見るたびに、ウキウキして家に愛着がわくはずです。家に帰るのもますます楽しみになりますね。
ぜひこの記事を参考に、屋根のリフォームを検討してみてください!