日本三大都市の1つである名古屋は、魅力的なブランドショップや飲食店が所狭しと並ぶ、エンターテインメントシティです。
製造業を中心に数多くの企業が集中し、郊外のベッドタウンからも多くの人々が名古屋に通勤・通学しています。
今回は、名古屋のベッドタウンに住むメリットやデメリット、おすすめのエリアなどについてまとめました。ベッドタウンに住むイメージをぜひ掴んでみてください。
ベッドタウンとは?
ベッドタウンとは、大都市周辺に位置する住宅中心の都市のことです。
住民の大部分が大都市に通勤し、夜に帰ってくることから「ベッドタウン(bed town)」と名付けられました。
ベッドタウンには、昼間に比べ夜間の人口が多いという特徴があります。
企業が集中する都心部には住宅建設のためのスペースを確保することが難しく、郊外に住宅地を設けたことが、ベッドタウン誕生の経緯です。
ベッドタウンに住むメリットとしては、都市部と比較して家賃や物価が安いこと、都市部への通勤・通学がしやすいこと、子育て世帯向けの医療やサービスが充実していることなどが挙げられます。
名古屋のベッドタウンエリアは広く、愛知県内では長久手市、一宮市、犬山市など、県外では岐阜県岐阜市・多治見市、三重県桑名市・四日市市などがその代表です。
名古屋近郊ベッドタウンのメリット
名古屋のベッドタウンに住むと、どのようなメリットが得られるのでしょうか?ベッドタウンならではの魅力を3点解説します。
名古屋市外になると家賃が下がる
ベッドタウンで生活する最大のメリットは、都市部と比較して家賃が低いところです。
名古屋市の中心部である中区と、名古屋のベッドタウンとして代表的な5つの都市の家賃相場を見てみましょう。
都市名 | 1LDK・2K・2DKの家賃相 |
---|---|
名古屋市(中区) | 9.94万円 |
一宮市 | 6.24万円 |
安城市 | 6.96万円 |
清須市 | 5.69万円 |
北名古屋市 | 6.19万円 |
長久手市 | 7.93万円 |
物件や時期にもよりますが、ベッドタウンの家賃は名古屋市中心部のものよりも2~4万円ほど安いことが確認できます。
同じ家賃を払うのなら、ベッドタウンでは間取りのより広い物件が比較的簡単に見つかるでしょう。
家賃をなるべく抑えたいのであれば、名古屋市内ではなくベッドタウンに住む方がおすすめです。
場合によっては、名古屋市内よりも名古屋駅に近い
名古屋市の中心部と言えば、JRや地下鉄、新幹線が通る名古屋駅周辺です。
実は、一部のベットタウンは、名古屋市内からよりも名古屋駅に近いのを知っていますか?
名古屋駅は、名古屋市内西部に位置する駅で、下記の地図では、赤い矢印の先端あたりにあります。
名古屋市の北西に隣接する清須市・北名古屋市・稲沢市などは、名古屋市の東部からよりも物理的な距離が名古屋駅に近いことがわかるでしょう。
各ベッドタウン、および名古屋市東部の名東区から名古屋駅までの所要時間にも差があります。
各市・区の主要駅 | 名古屋駅までの所要時間 |
---|---|
JR枇杷島駅(清須市) | 3~5分 |
名鉄西春駅(北名古屋市) | 11~14分 |
JR稲沢駅(稲沢市) | 10~12分 |
地下鉄東山線藤が丘駅(名古屋市名東区) | 28分 |
名古屋市外でもこれだけ名古屋駅に近ければ、アクセス面での心配がないのが嬉しいポイントです。
人気のららぽーとやIKEAなどの大型商業施設がある
大型商業施設に近い点も、名古屋のベッドタウンに住むメリットの1つです。
幅広い世代に人気の「ららぽーと愛知東郷」や「IKEA長久手」、県内に点在する大型の「イオンモール」などが名古屋市を取り囲むように建設されているため、郊外のベッドタウンからなら、これらの大型商業施設に手軽にアクセスできます。
また、ベッドタウンでは車を持つ可能性が高くなるため、公共交通機関で移動するよりも労力がかからず、大型の買い物があっても荷物の持ち運びの心配が要りません。
休日のショッピングが存分に楽しめるのは、ベッドタウンで暮らす大きな魅力です。
名古屋近郊ベッドタウンのデメリット
名古屋へのアクセスが良好なベッドタウンですが、デメリットも存在します。ベッドタウンに移住する前にはデメリットも理解しておくことが大切です。
名古屋市営地下鉄と比較すると電車の本数が少ない
名古屋市営地下鉄と比較すると電車の本数が少ないのが、名古屋近郊のベッドタウンで生活するデメリットです。朝や夕方の通勤時には多少本数が増えますが、それ以外の時間帯に利用する場合は、少々不便さを感じるかもしれません。
また、郊外だからといって満員電車を避けられるとは限りません。通勤ラッシュは名古屋市内と同様に混雑が見られます。
ベッドタウンとは、「都市部に通勤する人が暮らす街」であることを覚えておきましょう。
車がないと不便なエリアが多い
名古屋近郊に限らず、どのエリアのベッドタウンも車社会です。
目的の店舗に徒歩や電車で短時間で移動できる都会とは異なり、郊外では店舗間が離れていることが多いため、車での移動が欠かせません。
名古屋市中心部に出てしまえば問題ありませんが、ベッドタウンに住むのであれば、車は持っていた方が無難です。
飲食店が少ない
ベッドタウンのような郊外では、名古屋と比較して圧倒的に飲食店や娯楽施設の数が少なくなるのは仕方のないことです。
例えば、コンビニを見つけるのも、都会では1本隣の道に入れば済むものが、ベッドタウンでは車で長距離を走って探さなければならない場合もあります。
また、飲食店や店舗の種類も少ないため、必ずしも希望の店舗に出会えるとは限りません。
ベッドタウンでは都会よりも選択肢が限られるということを理解しておいてください。
名古屋近郊ベッドタウンの選び方
名古屋ベッドタウンへの移住が見えてきたら、次はベッドタウンの選び方にも詳しくなりましょう。自分に合ったベットタウンが見つかれば、新生活も充実しますね!
職場やよく遊びに行く駅までのアクセスが良い
名古屋のベッドタウンに住もうと考えているなら、電車が通っており、名古屋までのアクセスがいいエリアを選ぶのがポイントです。
また、車を持っている、あるいは持つ予定があるなら、高速道路や有料道路、バイパスなどに出やすいエリアを探してみてもいいでしょう。
電車でも車でも、目安として30~40分で名古屋に出られれば理想です。
日常の買い物ができるスーパーやコンビニに近い
名古屋までのアクセスに気を取られがちですが、忘れてはいけないのが生活範囲の利便性です。
どんなに名古屋へのアクセスが良くても、毎日使うスーパーやコンビニまでが遠ければ、かえって不便に感じてしまいます。
気になるエリアが出てきたら、周りにスーパーやコンビニが揃っているかを確認することを忘れないでください。
静かで落ち着きがあり治安が良い
静かで治安のよいエリアであるかどうかは、移住先を決めるうえで、誰にとっても捨てがたいポイントです。特に、女性の一人暮らしや、小さなお子様がいる家庭にとっては最優先事項ではないでしょうか?
静かすぎて周りに何もないところよりは、コンビニや学校などの近くの、ある程度人の行き交いがあるエリアを選ぶと良いでしょう。
名古屋近郊ベッドタウンおすすめエリア3選
広大な名古屋のベッドタウンから拠点を1つに選ぶのはなかなか難しいものです。ここでは、名古屋へのアクセスの利便性を中心に、買い物のしやすさ、自然の多さなどの観点から、住みやすいと人気のある市を3つ取り上げました。
大型商業施設まで近い!長久手市
名古屋市と豊田市に挟まれた長久手市は、2020年の国勢調査で平均年齢40.2歳を記録した日本一若い街として人気を集めています。
少子高齢化・人口減少が進む日本において、若い世代を中心に毎年人口が増え続けているという異例の街で、住みやすく、活気があふれているのが特徴です。
市の西側にはイオンモールやIKEAなどの大型商業施設が、東側には「愛・地球博記念公園」や「杁ヶ池(いりがいけ)公園」などの自然スポットがバランスよく存在し、子育て世帯を中心に住みやすいと好評を得ています。
また、長久手市は、日本で唯一リニアモーターカー(通称・リニモ)が走る街としても有名です。終点の名古屋市藤が丘駅までは、始点の豊田市八草駅から乗車しても15分ほどで到着できるので、市内の移動および名古屋市内へのアクセスに欠かせない存在となっています。
交通や買い物の利便性が良く、緑と活気も溢れる長久手市は、今後も人口増加が見込まれており、将来性が期待できる街です。
参照:長久手市
名古屋駅まで最速3分!清須市
名古屋市に隣接する清須市の最大の魅力は、名古屋へのアクセスが抜群な点でしょう。
名古屋駅までは、JRでは枇杷島駅から約8分、名鉄では西枇杷島駅から約10分でアクセスできます。
JRには名古屋駅まで最速3分という便も多く、名古屋市外にいるという事実を忘れてしまうほどの近さが利点です。
また、清須市は、信長が天下統一の本拠地としていた場所としても知られています。信長の居城・清洲城をはじめ、「織田信長サミット」、「清州城信長まつり」などの信長に関連する文化財やイベントが多く見られるのも特徴です。
名古屋へのアクセスが抜群で、歴史ロマンも感じられる清須市では、地方移住初心者でも安心して生活できるでしょう。
参照:清須市
意外にも名古屋駅まで約20分でアクセス可能!岐阜駅周辺エリア
「名古屋のベッドタウン=愛知県内」だと思っていませんか?
実は、愛知県外にも、名古屋のベッドタウンと呼べるエリアは存在します。
そのうちの1つが、岐阜県岐阜市です。
名古屋駅までは、JR岐阜駅から快速で約20分、名鉄岐阜駅からでも特急で約30分と、隣県とは思えないほどのアクセスの良さから、岐阜市を拠点に名古屋へ通勤する人も多く見られます。東京で言う横浜のような立ち位置と考えればイメージが掴みやすいでしょう。
市の中心部には、鵜飼で知られる清流・長良川や、ロープウェイや登山が楽しめる金華山とその頂上の岐阜城など、豊かな自然スポットも多く、県外からも多くの観光客を引き寄せています。
また、岐阜市は子育て環境が整っていることも、移住するうえでは見逃せないポイントです。
夜間や休日の預かり事業、「赤ちゃんステーション」の設置など、子育てサポート体制が敷かれているため、小さなお子様がいる家庭にとっては心強いでしょう。
人口40万人を超える、岐阜県の政治・経済の中心地でありながら、名古屋のベッドタウンとしても発展を続けている岐阜市は、都市と自然が調和する住みやすい街です。
参照:岐阜市
名古屋近郊ベッドタウンの魅力を知って移住しよう
名古屋近郊ベッドタウンの選び方やおすすめエリアを紹介してきました。
アクセスの良さや買い物のしやすさ、自然や歴史あふれるスポットなど、こだわりたい条件から拠点を選んでみると良いでしょう。
名古屋近郊のベッドタウンで、都会の喧騒を離れ、ゆったりと落ち着いた暮らしを始めてみませんか?