みなさんが移住を考えるのはどんな時ですか?人混みに疲れた時、満員電車で通勤している時など、タイミングは人それぞれだと思います。特に都市部の冬はビルの間を吹く風が冷たく、暖かな気候が恋しくなりますよね。今回お勧めするのは、日本国内の温暖な地域への移住です。
場所にもよりますが、地方は都市部と比較して賃料や物価が低い場所も多いので、生活費を抑えることもできます。また、自然が身近にあるとアクティビティも手軽にできるので、週末や空いた時間を趣味に費やすことができ、ゆったりとした時間を過ごせます。
この記事では温暖な気候の地域へ移住するメリットやデメリット、おすすめのエリアを紹介するので、忙しない日常から離れ、のんびりとした場所へ移住してみたいと思う人はぜひ参考にしてみてください。
温暖な地域のメリット
温暖な地域は寒い冬ならではのトラブルも少なく、たくさんの魅力があります。その中でも交通トラブルの少なさ、暖房費の節約、洗濯物の乾きやすさの3つに絞ってご紹介します。
冬に雪が積もることがなく交通マヒが起こりにくい
冬に起こると困るのが、雪による交通マヒですよね。特に通勤時間帯に起こる電車の遅延や、道路の渋滞にヒヤヒヤした経験がある人も多いのではないでしょうか?温暖な気候の地域では滅多に雪が降ることがないので、安心して通勤できます。
雪が降る地域、凍結をする地域では、スタッドレスタイヤへの交換も欠かせません。スタッドレスタイヤは保管するのにスペースが必要ですし、燃費が悪くなるので、なるべく避けたい冬支度のひとつですよね。温暖な気候の地域だと一年中ノーマルタイヤで走れるので、車の維持費の節約にもつながります。しかし、異常気象で雪が積もったり路面凍結した際はノーマルタイヤでは走ることはできないので運転を控えたりチェーンを巻くなどの対応が必要です。
暖房代を抑えることができる
電気代の値上がりで騒がれているのが、暖房代の高騰です。節電しようという呼びかけもありますが、寒い冬に暖房をつけずに過ごすのは危険ですよね。温暖な地域では寒い地域と比較し、暖房をたくさんつけなくても快適に過ごすことができます。
もちろん、夏には気温が上がるので冷房代がかかりますが、暖房代よりも安く抑えられるのを知っていましたか?その理由は、外気温との差が大きいほどエアコンがフル稼働するためです。
例えば、夏の外気温が35度でエアコンの温度を27度に設定すると、その差は8度で、エアコンはこの差を埋めるだけフル稼働します。それが冬になると、外気温が5度、エアコンの設定温度を20度とすると、その差は15度なので、冷房の倍稼働させなければいけません。光熱費の節約になりますし、寒いのが苦手な人には特に嬉しいポイントですよね。
冬でも洗濯物が乾きやすい
生活していると、冬に困ることのひとつが洗濯物です。日当たりが良い部屋だとあまり問題ないかもしれませんが、冬で雨が降った日には特に乾きにくいですよね。浴室乾燥や乾燥機がない家だと、2日以上部屋干しをしないといけないなんてことも珍しくないと思います。
中にはコインランドリーを使う人もいるかもしれません。場所が遠いと持って行くのも手間なので、なるべく家で乾かしたいですよね。温暖な地域は寒い地域と比較し、そこまで気温が下がらないので、雨の日でも洗濯物が乾きやすいです。冬だと厚手の服やインナーの数が増えるので、これは大きなポイントだと思います。
温暖な地域のデメリット
ここまで温暖な地域に住むメリットをご紹介しましたが、デメリットもあります。移住後にギャップが生まれないよう、確認しておきましょう。
ウィンタースポーツが趣味の人は遠方まで行かなければならない
雪があまり降らないので、スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツをしたいときは、街から離れた雪山まで行く必要があります。その上寒い地域と比較すると雪の質はあまり良くなく、ウィンタースポーツが好きな人には物足りなく感じるかもしれません。
しかし、温暖な地域だと冬でも水温があまり下がらないことも多いので、ダイビングやサーフィンなどのマリンスポーツを楽しめます。加えて、太平洋側の海では冬になるとプランクトンや冬の季節風から、夏よりも透明度が高くなり、条件によっては透明度が30mを超えることも。移住を機会にマリンスポーツを始めてみるのはいかがですか?
台風の被害を受けやすい
温暖な地域は主に太平洋に面しているので、夏から秋にかけては台風の影響を受けやすく、戸惑う人も多いかもしれません。台風が来るとひどい時は電車が止まったり、高速道路が封鎖されるなど、交通機関にも影響が出ます。その時は多くの会社や学校が休みになるので、なるべく外出は控えるようにしましょう。
台風対策として、飛びそうなものは中にしまう、非常食を用意しておくなどがあります。また、台風の影響を受けやすい地域の多くの家やマンションには雨戸が付いているので、窓ガラスを守るだけでなく、防音対策として積極的に活用しましょう。
湿気の多い夏季は不快指数が高くなる
寒い地域と比較すると、夏場は気温とともに湿度が高くなるので、不快に感じることが多いです。夜になってもあまり湿度は下がらないので、寝苦しく感じる日も多いでしょう。冷房やサーキュレーターを利用し、なるべく空気を循環させることで緩和できるので、身体を冷やさない程度に活用しましょう。
同時に注意が必要なのが、食品とごみの管理です。夏場は特に食品が傷みやすく、虫がわきやすいので、冷蔵庫に入れて保管することを心がけましょう。生ごみや液体がついたごみもそのまま放置すると異臭がし、虫がつきやすく衛生的にも良くないので、蓋付きのごみ箱や虫除けグッズの使用をおすすめします。
おすすめの温暖な移住先5選
いざ温暖な地域に移住しようとしても、都心に近い場所がいいのか、海に囲まれた島がいいのか悩みますよね。ここでは5つの地域を、それぞれの特徴や移住サイトと一緒にご紹介します。
沖縄県
「暖かい地域」と聞いて、まず沖縄を連想する人も多いのではないでしょうか。本州とは違う独特な文化を持ち、1年を通して温暖な沖縄は、移住先としてとても人気です。その魅力は、なんといっても透明度の高い海。ダイビングやシュノーケリングなどのマリンスポーツが有名で、日本国内だけではなく、海外からもたくさんの人が訪れます。
また、沖縄には米軍基地やアメリカンビレッジがあり、海外の人も多く住んでいるので、まるで海外のような雰囲気です。米軍基地と聞くとネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、軍に所属していないくても基地に入れたり、アメリカ人の人が街中のスーパーを利用していたり、あまり報道で聞くようなイメージはないので、安心して過ごせます。
南九州
自然に囲まれ、のびのびとした暮らしがしたい人におすすめなのが、鹿児島県南九州市です。南九州市は鹿児島県薩摩半島の南部に位置し、海や山に囲まれた街。市内には公園やキャンプ場、ゴルフ場など、自然の中で過ごせるスポットがたくさんあります。
南九州市は、移住支援が充実している点も魅力のひとつ。特にテレビでも紹介されたお試し居住は、南九州市への移住を迷っている人におすすめの制度です。対象となるのは移住を検討している、または地域間の交流を目的にしてる人で、知覧武家屋敷庭園という江戸時代から残る武家屋敷に泊まれます。まるでタイムスリップしたような街なので、歴史が好きな人には特におすすめです。
四国
近年移住先として注目されているのが、四国です。中でも太平洋側にある高知県は1年を通して温暖な気候で、南国土佐と呼ばれるほど。車がないと不便に感じますが、高知は山、川、海の全てが揃っており、キャンプや登山、サーフィンなど、様々なアクティビティが楽しめます。県庁所在地である高知市からでも、車を1時間ほど走らせれば山や川に行けるので、普段は利便性の良い街中に住み、週末にアクティビティを楽しむというライフスタイルもおすすめです。
高知県への移住を検討するにあたり、おすすめなのが「高知家」というサイト。これは高知県をひとつの家に例えており、仕事や物件、移住者のインタビューなど、移住するにあたって必要な情報が網羅されています。
高知県には移住支援がいくつかありますが、他の県にあまりないのが、「二段階移住」という制度。これは比較的市街地である高知市に移住・滞在し、そこを拠点に高知県内の最終的な移住地を探せるという制度です。都心から急に海や山に囲まれた土地に移住をするのは、少し不安ですよね。この制度を利用すれば時間をかけて理想の移住先を探せるので、ぜひ活用してみてください。
瀬戸内海に面する温暖な四国第2の都市!香川県高松市
香川県高松市は愛媛県松山市に次ぐ四国第2の都市であり、都市部から田園風景といったさまざまな側面をもつ人気の移住先です。年間平均気温が16.7℃と温暖な気候が特徴で、年間日照時間も2,047時間と東京や沖縄県那覇市などと比較して長く、また台風が直撃することもあまりないので、住みやすい街として近年移住者が増えています。
その魅力は気候だけでなく、うどんや骨付鳥を始めとするバラエティ豊かなグルメや、空路を利用しての都市部や海外へのアクセスの良さなどさまざま。新しいカフェやセレクトショップも増えており、街としての魅力もあります。そんな高松市には、都内からの移住で最大100万円受け取れる補助金や、リモートワークでの移住で最大35万円受け取れる補助金など、移住者に嬉しい移住支援が設けられています。利用するには諸条件あるので、詳細はホームページにて確認しましょう。
静岡県
富士山やお茶で知られる静岡は、日本のほぼ中央に位置し、山間部を除いてほとんど雪が降らないので、日本のフロリダとも呼ばれています。また、東京や名古屋へのアクセスの良さも魅力のひとつ。県庁所在地である静岡市から東京までは車で約2時間、新幹線で約1時間で行けるので、静岡と東京の二拠点生活も可能です。
静岡県は面積が広く、その街によってそれぞれ特徴が異なるので、どこの街が自分の理想に近いのか、迷っている人も多いのではないでしょうか?静岡県の公式移住サイト「ゆとりすと静岡」では、希望の立地・特徴・支援制度からぴったりな移住先を調べられます。移住者のインタビューやセミナー開催のお知らせなど、移住前に役立つ情報がたくさん掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください。
都心から電車で一本!静岡県熱海市
静岡県の中でもおすすめなのが、熱海市です。熱海市は東京都心へのアクセスが良いので、通勤が可能であり、街としての顔も持ちつつ、豊かな自然に囲まれているため、便利さと地方の良いところを併せ持っています。また、夏は涼しく冬は暖かな気候なので、1年を通して過ごしやすいのも大きな魅力ですよね。
そんな熱海市には新婚世帯の新居の住居費や引越費用が補助される結婚新生活支援補助金や、東京圏から熱海市への移住で最大100万円の支援金がもらえる移住支援金制度があります。これらは1年の予算が決まっているため、利用する場合は早めに申請しましょう。
千葉県房総半島
「都心に近い田舎で暮らしたい」という人におすすめなのが、千葉県の房総半島です。都内までは電車で1時間というアクセスの良さから、房総半島に移住後も都内まで通勤している人も少なくありません。また、成田空港も近いので、出張が多い人や旅行が好きな人にもおすすめです。
房総半島は主に4つのエリアで構成されていますが、マリンスポーツを楽しめる外房線沿線エリアや、人気なアウトレットモールや大型のショッピングモールがある内房線沿線エリアなど、それぞれに特徴があります。房総半島の暮らし情報を掲載している「田舎暮らし千葉房総ねっと」では各エリアの情報だけでなく、房総半島内の古民家を含む物件情報を掲載しているので、移住前の情報収集に活用してみてください。
歴史・温泉まで充実の冬も温暖なリゾート地!千葉県館山市
房総半島南部に位置する館山市は、海のアクティビティを楽しめるリゾート地として知られており、その豊かな自然から移住先としても人気の街です。冬でもコートがいらないと言われるほどで、夏の暑さもあまり厳しくないため、1年を通して過ごしやすい温暖な気候です。
館山市は移住者も積極的に受け入れており、東京圏からの移住で最大100万円受け取れる「UIJターン移住支援金」や、民間賃貸住宅の月額家賃を上限2万円補助される「館山市移住定住促進助成金交付制度」など、移住支援が充実しています。また、高校生までの医療費が300円または無料となる「子ども医療費助成制度」もあります。遊んでいる時や部活動の時で怪我をすることも多いですが、医療費の補助が出ることは金銭的にも精神的にも安心ですよね。それぞれ利用するには申請が必要なので、ホームページにて確認しましょう。
ぴったりの温暖地域を見つけて移住を検討しよう
穏やかな気候の中でゆったりと過ごす。誰もが一度は憧れた暮らし方ではないでしょうか?地方でも都心までのアクセスが良いところや、支援制度が整っているところなど様々です。しかし、実際に住んでみないとわからないこともたくさんあると思うので、まずはこの記事で紹介したサイトを参考にしつつ、気になる街があればぜひ足を運んでみてくださいね。