新宿駅や品川駅など、東京の中心部に通勤している方は通勤に便利なエリアに住みたい方もも多いと思います。しかし、都心で物件を探すと、安いけど古くて狭かったり、綺麗だけど家賃が高かったり、なかなか条件に合う物件が見つからないですよね。長らく続く物価高もあり、家賃を節約したいという方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、ベッドタウンです。
今回は、ベッドタウンへの移住を考えている人向けに、ベッドタウンのメリットとデメリット、東京近郊のおすすめのベッドタウンを解説します。
ベッドタウンとは?
ベッドタウンとは、大都市へ通勤する人の居住地となっている街のことです。昼間は大都市に出かけ、夜間に寝に帰ってくることから名付けられました。
日本では、高度経済成長期に地方から東京都心に仕事する人が集まり、通勤する人が増え都心では、人口の過密状態が問題になりました。それを解消するべく、田畑が広がる東京郊外にも、都心へ通勤する人向けの住宅が造られ始めました。郊外に鉄道会社や不動産の開発会社によって、郊外へ延びる私鉄の沿線が開発され、住宅やマンション群が造られるようになりました。こうして、、東京の西側や隣県に、都心へ通勤する人が居住するベッドタウンが増えていきました。また、私鉄のターミナル駅には百貨店、終点にはテーマパークが造られるなど、各々の会社が沿線の魅力アップに努めた結果、ベッドタウンの人気は更に向上し、人口が益々増えていきました。主に、東京西部や神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県に多くあります。
その後は、住民の高齢化により、ベッドタウンの人口減少が危ぶまれました。しかし、近年はでは、IKEAやコストコホールセール、三井アウトレットパークなどの大型商業施設や、シネコンがベッドタウンエリアにオープンし、ファミリーや若い世代を中心に、再び人気を集めています。
ベッドタウンのメリット
そもそもベッドタウンに住むと、どのようなメリットがあるのでしょうか。改めてベッドタウンのメリットを紹介します。
都心より家賃が安い
都心では、主要ターミナル駅や山手線の駅から、離れれば離れるほど家賃が下がります。ベッドタウンの家賃も、郊外に行けば行くほど安くなります。駅近でセキュリティのしっかりした物件や、部屋数の多い物件に安く住みたい方は、ベッドタウンであれば条件に合う物件が見つけやすいですかりやすいでしょう。
オンオフでメリハリのある暮らしができる
仕事とプライベートを分けたい方に、ベッドタウンがおすすめです。電車に乗っている間に気持ちの切り替えができますし、家の近所で職場の人に出くわすこともありません。また、郊外なら駐車場代が安く済むので、車の維持費を抑えることができますを所持することも可能です。休日にドライブや、遠出してキャンプや釣りなどのアクティビティを楽しむなど、メリハリある生活を送れるでしょう。
都心部よりも静かで治安が良い
ベッドタウンにはファミリー層が多く住んでいるので、夜は非常に静かです。外が騒がしいと眠れない方も、朝まで快眠できるでしょう。また、郊外でも田畑が多いエリアや、山間部だと夜道が怖いですが、街灯が多いベッドタウンなら安心して歩けます。
ベッドタウンのデメリット
ここからはベッドタウンのデメリットについても紹介します。メリット以外にデメリットについても知って、移住後に後悔しないようにしましょう。
終電が早い
郊外に行くほど電車の本数は少なくなるので、終電の時間も早くなります。0時前までに都心からの終電が出発してしまう地域も少なくありません。終わってしまう地域もあるので、仕事や遊びで帰宅時間が遅くなる人は、住む前に終電の時間を必ずチェックした方が良いでしょう。
通勤時間は満員電車に長時間乗ることになる
ベッドタウンから多くの人が都心に通勤しているので、電車もかなり混雑します。特に朝の通勤ラッシュ時間帯は、混雑する挙句電車が遅延することも多いので、満員電車で1時間立ちっぱなしになることも覚悟しなければなりません。満員電車が嫌という方は、乗車率の路線の乗車率を調べて、低い路線や始発駅に住むのが良いでしょう。
電車代が高い
電車の乗車距離が長くなると、電車代も高くなります。通勤の定期代も高くなるので、通勤代の支給金額に制限がある方は、調べてから住む地域を決めた方が良いでしょう。また、主要ターミナル駅を含んだ定期を持っていると、プライベートでの移動も定期が使えて電車代が安く済むことが多いので、それも考慮して住む地域を選ぶと良いでしょう。
東京近郊ベッドタウンの選び方
東京近郊にベッドタウンは沢山あるので、どこを選ぶべきか悩む方も多いと思います。ここからは、失敗しないベッドタウンの選び方を紹介します。
職場へのアクセスが良いエリアで選ぶ
まずは、職場の最寄駅がある路線沿いで、ベッドタウンを探すことをおすすめします。主要ターミナル駅が最寄なら、各路線の家賃相場や電車の乗車率などを調べると良いでしょう。また、地下鉄が最寄駅なら、郊外に向かう私鉄への直通列車も多くあります。直通する私鉄の街を調べると良いかもしれませんて、住みたい地域を探すと良いでしょう。
家賃の安い地域を選ぶ
郊外にあるベッドタウンでも、ターミナル駅や観光地などの人気エリアだと、家賃が高いので注意が必要です。とにかく安い家賃で住みたい方は、急行や快速が通過する駅がおすすめです。通勤に時間がかかったり、駅周辺に店が少なかったりしますが、家賃相場が下がるので、良い物件に安く住めるかもしれません。
電車の始発駅を選ぶ
満員電車は乗っているだけで体力を消耗するので、毎日の通勤だけで疲れ切ってしまいます。また、長い通勤時間は、1日のなかで貴重な時間です。通勤時間は勉強や読書をしたり、たっぷり眠ったりしたい方に、おすすめなのが始発駅です。絶対に座りたい方は、始発本数が多い駅を選ぶと良いでしょう。
東京近郊ベッドタウンおすすめエリア
ここからは、移住先におすすめのベッドタウンを紹介します。これまで紹介した情報を元に、自分にあった移住先をみつけましょう。
渋谷まで乗換なし48分で東京へ通勤可能!横浜市泉区いずみ野駅
横浜市泉区に位置するいずみ野駅は、住宅街や田畑が広がるのどかさがありつつ、通勤に便利なエリアです。東急東横線に直通する通勤特急に乗れば、渋谷駅まで最速48分で行けます。新横浜駅へも最速17分でアクセス可能なので、出張や旅行で新幹線に乗車する機会が多い方にもおすすめです。
また駅前には、ホームセンターや大型スーパーがあるので買い物には困りません。さらに、駅周辺には図書館や警察署・郵便局などの公共施設も充実しています。小・中・高校も近くにあるので、子育て世帯の方にもおすすめのエリアです。
詳しくは横浜市泉区の移住に関する記事をご覧ください。
自然に癒されながら東京通勤も可能!茨城県牛久駅
牛久大仏で有名な牛久市は、東京へのアクセスの良さと豊かな自然、どちらの環境も欲しい方におすすめの街です。牛久駅からJR常磐線の特別快速に乗車すれば、約50分で東京駅まで行けるので、通勤に便利です。
また、駅から少し離れた場所には「牛久自然観察の森」や「うしく かっぱガーデン キャンプ場」などの大きな公園があります。駅周辺には、大型商業施設「エスカード牛久」があるほか、スーパーマーケットも複数あるので、買い物する場所もたくさんあります。
詳しくは牛久市の移住に関する記事をご覧ください。
上野駅まで約1時間!茨城県古河駅
栃木県・埼玉県の県境に近い古河駅は、東京までのアクセスが良好で自然豊かな街です。上野駅までは、1時間弱でアクセス可能なため、通勤に便利です。駅周辺には「あかやまJOY」や「イオン古河店」などがあるので、買い物する場所も充実しています。
また、駅の西側には渡良瀬川が流れているので、河川敷でウォーキングやジョギングなどをし、身体を動かすのも良いでしょう。
詳しくは古河市の移住に関する記事をご覧ください。
新宿、池袋まで乗換なし!埼玉県所沢駅
所沢からは西武新宿線で新宿まで約35分、西武池袋線で池袋まで約23分と、短時間でターミナル駅に出ることが可能なため非常に便利です。西武池袋線は、副都心線と有楽町線への直通列車もあるので、渋谷や有楽町にも乗換なしで行けます。所沢市内には、西武新宿線の新所沢駅、西武池袋線の小手指駅とそれぞれ始発駅があるので、座って通勤したい方におすすめです。
また、所沢駅周辺は近年再開発が進んでおり、新しい商業施設が続々と開業しています。駅直結のグランエミオ所沢では、惣菜店やレストラン、アパレルショップ、雑貨店があるので、通勤帰りの買い物に便利です。他にも2024年秋には、西口側に映画館などの入るファミリー向けの巨大ショッピングモールの開業が発表されています。都心に出なくても、買い物や娯楽には困ることはないでしょう。
所沢市の家賃相場は、ワンルーム〜1DKなら5万円以内なので、都心と比べて格安の家賃で住むことが可能です。
快適な始発駅で秋葉原まで1本!茨城県つくば駅
多くの研究や教育機関がある「科学・教育のまち」として知られる筑波市は、茨城県内で住みやすさランキング1位を獲得したことがあるなど、人気のある街です。つくば駅からは、つくばエクスプレスで秋葉原駅まで約503分で行けます。また、東京駅にも高速バスで約1時間半と、乗換なしで行くことが可能です。
また、わくわく茨城生活実現事業(移住支援金)の対象になると、単身の場合60万円、世帯の場合100万円が交付されます。東京都区内に在住または通勤している人が、つくば市に移住し、茨城県の就業マッチングサイトに掲載されている求人に応募し、採用された方が主な対象者です。詳しくは、つくば市ホームページをご確認ください。
わくわく茨城生活実現事業(移住支援金)
二線利用可能で便利な始発駅!千葉県津田沼駅
千葉県習志野市にある津田沼駅周辺は、都心への通勤に最適なエリアです。JR総武線の津田沼駅からは、快速なら東京駅まで約2730分以内、各駅停車なら秋葉原駅まで約35分、新宿駅まで約50分で到着します。さらに、京成本線の京成津田沼駅からは、京成上野駅まで約50分です。また、成田空港まで約45分で行けるので、国内や海外出張が多い方にもおすすめです。
駅周辺には、津田沼PARCOやモリシア津田沼や、イオンモール津田沼があるので、買い物や食事する場所には困りません。
ベッドタウンの魅力を知って移住しよう
都心へのアクセスが良好であるにも関わらず、家賃が安くて静かなベッドタウンは、移住先として非常に魅力的です。
一方、終電が早かったり、通勤時間が長かったりするなど、デメリットもあります。夜間の人口が多いので、朝の満員電車も避けられません。
ですが、家賃が安くなった分、浮いた固定費で車を所有すれば、遠方でドライブやアウトドアを楽しむことが可能です。スキルアップの勉強代に使えば、転職や昇進して給料アップに繋がる可能性もあります。他にも習い事をして新たな交友関係を作れば、良い出会いにも繋がるかもしれません。
メリット、デメリットは有りますが、移住先としてベッドタウンを検討したい方は、通勤先から好条件の場所を調べてみると良いでしょう。候補が見つかったら、まずは訪れてみることをお勧めします。自分に合うかどうか確認したうえで、ぴったりの物件を探してみてはいかがでしょうか。