富士山がトレードマークとなっている静岡県には、年間通して多くの観光客が集まります。
また、東京と大阪の中間に位置するアクセスの良さと、近くに山と海がある風光明媚さから、移住先としても人気が高まっています。
静岡県で仕事を探したいけど、求人は多いのか、どんな職種があるのか、年収アップは期待できるのか気になる方も多いと思います。
そこで、今回は静岡県の企業に転職事情や、活用できる移住支援制度などを紹介します。静岡県内の企業への就職と、移住に興味がある方は、参考にしてみてください。
静岡県の企業に転職するメリット
静岡県に移住するメリットや、静岡県の企業が転職先におすすめな理由を解説します。転職して移住するとどんな魅力があるか、知ってみましょう。
東海道新幹線が通っており東京へも名古屋へも約1時間でアクセス可能
静岡駅からは、東海道新幹線「ひかり」で東京駅と名古屋駅までそれぞれ約1時間と、都市へのアクセスが良好です。さらに、東京駅から熱海駅までは約45分でアクセス可能なので、都心へ通勤する方にもおすすめです。また、ひかりで浜松駅から名古屋駅まで約30分、東京駅と新大阪駅それぞれ約1時間半でアクセス可能です。新幹線を使えば三大都市圏全てにアクセスできるので、出張が多い方は便利でしょう。
ヤマハやスズキなどの大企業が本社を構えている
何事にも果敢に挑戦する「やらまいか精神」が根付く浜松市は、日本で初めて軽自動車やオートバイ、ピアノ、写真フィルムなど、多くの新しい物が生まれたものづくりの街です。浜松市には、ピアノやバイクで有名なヤマハと、日本を代表する自動車メーカーのスズキの本社があります。他にも、ピアノメーカーのローランドやカワイ(河合楽器)、高性能のセンサや光源を開発している浜松ホトニクス、二輪車用のクラッチで世界首位のシェアを誇るエフ・シー・シーの本社もあります。
住宅にかかるコストを下げることができる
ワンルーム・1K・1DKの家賃相場は、最も高い熱海市で約6万円、静岡市で5万円台、浜松市で3〜4万円台です。都心と比較すると、格安な相場であることが分かります。1LDK・2K・2DKは、最も高い静岡県葵区で約7万円です。広い部屋や部屋数を増やしたい方は、静岡県なら手が届きやすいでしょう。
静岡県の企業に就職するデメリット
次に、静岡県の企業に転職するデメリットについて解説します。デメリットについても理解し、転職後や移住後に、後悔しないようにしましょう。
大企業の求人は人気が高く競争率が高い
大手企業の求人は大人気なので、どうしても競争率が高くなります。特に、新卒の採用倍率が100倍を超えているヤマハは、中途採用も狭き門です。ですが、他にも優良な製造業や、大手のグループ会社を含めれば、求人数は多くあります。有名な大企業以外にも、視野を広げて転職活動すると良いでしょう。特に技術職やエンジニアの求人数が多いので、経験者は有利かもしれません。
主要幹線道路が渋滞しやすい
県内には、首都圏と関西を結ぶ国道1号線や東名高速道路、第二東名高速道路が通っています。日本の大動脈とも言える主要道路なので、平日になると多くのトラックが走っており、渋滞することもあります。また、連休になると首都圏から帰省や行楽地に向かう車で、高速道路で長時間の渋滞が発生することもあります。
大地震や大津波が発生するリスクがある
プレートと呼ばれる岩盤が沈みこむ場所では、地震が度々発生します。伊豆半島と静岡市周辺の間にある駿河湾には、駿河トラフというプレートが沈みこむ場所があります。そのため静岡県では、東海地震や南海トラフ巨大地震と呼ばれる大きな地震が、いつ来てもおかしくないと言われています。また、それらの大地震が発生した際には、巨大津波が発生すると言われています。沿岸部では、津波到達予想時間が、10分前後の場所も存在します。沿岸部に住む場合は、地震が発生した際の避難場所や経路を必ず確認しておきましょう。また、ハザードマップを事前に確認することもおすすめします。
静岡県で求人の多い業種
続いて、静岡県で求人数の多い業種について解説します。転職を検討している方は、参考にしてみてください。
自動車関連や機械加工業などの製造業
スズキやヤマハは、浜松市及び周辺の掛川市や磐田市、湖西市に各々の工場があり、求人数も多いです。
また富士山周辺には、豊富な地下水と利便の良さから、機械加工業に関する多くの工場が立地しています。パルプや製紙業も国内トップのシェアを誇っており、日本のトイレットペーパーやティッシュの殆どが富士市で製造されています。
上記のように、首都圏や関西への利便の良さと、豊富な地下水があることから、製造業の企業が多く立地しているので、多くの求人があります。
医療・介護などの福祉関連業
2022年に65歳以上の高齢化率が30%を超えた静岡県では、医療・福祉業の求人数が多く、常に人手不足の状態です。病院数は、浜松市や静岡市、次いで富士市の順に多くあります。特に、浜松市には病床数の多い大きな病院が複数あります。医療系の求人を探したい方は、浜松市や静岡市で探すと良いでしょう。
また、介護サービス業も求人数が多くあります。特に高齢化が進む伊豆半島には、富裕層が入るリゾートマンションのような老人ホームがあるなど、介護サービスを提供する施設が多くあります。他にも、訪問医療や介護職も、多くの募集があります。高原や海があるなどリゾート地でもある伊豆で働きたいなら、介護サービス業を検討することをおすすめします。
物流・運輸業
物流・運輸業には、トラック以外にもコンテナ船や、航空輸送なども含まれます。首都圏と関西圏の中間に位置し、新幹線や高速道路以外にも富士山静岡空港や、大きな港がある静岡県では、物流・運輸業が盛んです。特に静岡市には、海外への定期コンテナ航路もある清水港があり、物流の拠点となっています。そのため静岡市には、有限会社アムトラックスや鈴與株式会社、鈴与株式会社など、多くの物流会社があります。
静岡県の転職事情
次に、静岡県の企業に就職した場合の平均年収や、有効求人倍率や高収入が期待できる職種などの転職事業について解説します。収入も確認して、転職時に後悔しないようにしましょう。
平均年収
厚生労働省のデータによると、静岡県の平均年収は約475万円です。平均月収は約28万円と、他の都道府県と比較して高い数字です。
また一人当たりの市町民所得は、富士山の裾野にある長泉町が1位です。長泉町には、化学工業や自動車部品などの製造業の企業が多く立地し、大きな工業団地もあります。近くにある小山町や裾野市も、第二次産業の企業が多く立地しているため、平均年収が高くなっています。
有効求人倍率
静岡労働局が発表した最新情報では、静岡県の2023年1月度の有効求人倍率は1.29倍です。産業別では、新型コロナウイルス患者数の減少や、訪日観光客の増加の影響によって、宿泊業・飲食サービス業の求人数が増えています。次いで増えているのは医療・福祉業です。地域別では、静岡県中部の有効求人倍率が最も高くなっています。
転職先を探す方は、このような情報も参考に求職活動をすると良いでしょう。
高収入職種
ヤマハやローランドなどの楽器の会社が、平均年収700〜800万円台と高収入職種です。他にも平均年収が700万円台の企業には、静岡市に本社があり、コピー機を扱うスター精密株式会社があります。また、静岡銀行やスルガ銀行などの金融系や、富士市にあるジヤトコ株式会社や、ヤマハ発動機株式会社などの自動車やバイクに関する企業もあります。 さらに、食品の総合商社の東海澱粉株式会社も高収入が期待できる会社です。
静岡県の転職に使える移住支援
こからは、静岡県で転職と移住を検討している方に、使える支援制度や、相談可能な施設を紹介します。移住を悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
最大100万円!静岡県移住・就業支援金
東京圏から静岡県に移住して就業、起業した方に、最大100万円が支給されます。さらに、18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合、18歳未満の世帯員一人につき30万円が加算されます。
詳しい要件は、下記ホームページをご確認ください。
静岡県移住・就業支援制度
移住相談会・移住体験ツアー
静岡県及び県内の各市町村では、定期的に移住相談会が開催されています。東京のふるさと回帰センターや移住・交流ガーデン、オンラインでの開催もあるので、興味のある方は申し込みしてはいかがでしょうか。
他にも移住体験ツアーが、各市町村で開催されています。地元の方が、現地の観光地などを案内しながら住み心地などを教えてくれるので、移住を検討している方は参加してみることをおすすめします。
イベント情報は、下記ホームページをご確認ください。
ゆとりすと静岡
”ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センター
東京と静岡に、それぞれ移住相談センターが開設されています。東京では有楽町のふるさと回帰センター内、静岡は静岡県庁の西館にあります。専門の相談員の方がいるので、移住を検討中の方は気軽に問い合わせしてみると良いでしょう。対面相談は予約制なので、メールか電話にて申し込みが必要です。
静岡県の仕事を知って移住を検討しよう
静岡県には、日本が世界に誇るような大手企業や、沢山の優良企業があります。また、三代都市圏へのアクセスの良さもありつつ、山や海の自然も多く、家賃も安いので生活コストを下げれるなど、移住したくなる魅力も多いです。
しかし、人気の企業は就職が難しかったり、沿岸部は津波のリスクがあったりするなどの、デメリットもあります。
ですが、低コストで高収入の生活が実現すれば、生活に余裕が生まれますし、自然のなかでアウトドアなどの趣味を充実させることも可能です。
メリット、デメリットはありますが、移住先として検討したい方は、移住体験ツアーなどを利用して、気になる自治体を訪れてみることをお勧めします。自分に合うかどうか確認したうえで、ぴったりの仕事と物件を探してみてはいかがでしょうか。