移住コラム

お試し移住の体験は必要?5つの魅力と気になる疑問を解決!

移住はその後の人生を左右する、大きな決断となります。移住に憧れや希望を抱く反面、「移住後に後悔しないだろうか…」といった不安もあるでしょう。

そこで今回は、移住する前に現地の暮らしを体験できる「お試し移住」について紹介します。お試し移住の期間や料金などの基本情報をはじめ、魅力や注意点についても解説します。移住に興味がある方や前向きに検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

お試し移住とは?期間・料金・宿泊先などの基本情報

お試し移住とは、移住検討者を対象に、一部の自治体で行われている移住促進活動の1つです。移住前にその地域での暮らしを体験できるので、移住後に起こりやすい「思っていたのと違う…」といった失敗を防げます。

宿泊する期間は各自治体によって異なりますが、1泊や数週間、なかには1年ほど長期的に暮らせるところもあります。期間は自分で選択できることがほとんどなので、自治体の担当者と相談しながら決めるとよいでしょう。

またお試し移住を体験している間は、各自治体で用意している住居または宿泊施設に泊まります。宿泊料金は0円のところ、光熱費を含み1ヶ月数千円ほどのところなどさまざまで、個人で宿泊するよりもお得です。自治体や宿泊施設によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

お試し移住はやっておくべき?5つの魅力を解説

移住を検討しているのであれば、お試し移住はやっておくべきです。なぜなら、お試し移住には下記5つの魅力があるからです。

  • 移住後の暮らしをイメージしやすい
  • 無料または低価格で宿泊できる
  • 移住後の職探しができる
  • 農業体験ができるプランも
  • 移住後にサポートや助成金を受けられる場合も

それぞれの魅力を把握し、お試し移住の必要性を感じておきましょう。

移住後の暮らしをイメージしやすい

実際にその土地で一定期間暮らすことにより、移住後の暮らしをイメージしやすくなります。通勤・通学に支障はないか、スーパーやコンビニは近くにあるかなど、生活の利便性について把握できます。

また気候や環境、地域性についても知れるため、自分に合っているかどうか判断しやすくなるでしょう。移住後の暮らしをイメージしたいなら、住民目線で過ごせるお試し移住はやっておくべきです。

無料または低価格で宿泊できる

お試し移住の宿泊費は、個人で旅館やホテルを予約するよりも安く済むことがほとんどです。滞在期間中に、さまざまなところを見学したり体験したりすることもあるでしょう。数週間から1ヶ月程度は宿泊したいと思う方も多いはずです。

宿泊費用を抑えられれば、お金の心配をせず、存分に移住体験ができます。費用は施設にもよりますが、1泊2,000〜5,000円が多く、なかには無料で宿泊できるところもあります。お手軽感があるので、さまざまな地域で移住体験したい方にもおすすめです。

移住後の職探しができる

滞在期間中は、職探しや就職活動もできます。移住先で働きたいと思う方にとって、最大のメリットといえるでしょう。求人はあるのか?どのような仕事があるのか?このような疑問を、滞在期間中に解決できます。

また自治体によっては、お試し移住をしながら就業体験ができるプランを用意しているところもあります。働きながら移住生活を体験できるので、移住後の暮らしをより鮮明にイメージできるでしょう。

農業体験ができるプランも

お試し移住の滞在中に農業体験ができる自治体もあります。実際に農家さんのもとでお手伝いをしながら農業について学べるので、就農したい方や本格的な家庭菜園をしたい方にぴったりです。場合によっては農業体験をきっかけに、移住後の仕事にもつなげられます。

さらに、地域の人と触れ合えるところも農業体験の魅力のひとつ。移住後の人付き合いに不安を感じている方にもおすすめです。

移住後にサポートを受けられる場合も

お試し移住を体験後、その土地に移住を決めると、さまざまなサポートを受けられる場合があります。例えば、住まいや仕事探しのサポート、自治体から住居費の一部助成などなど。

体験せずに移住を決めるよりも得する可能性があるので、移住で物入りしやすい時期はぜひ活用したいものです。またサポート体制が整っていれば、移住後の暮らしで困ったことがあったとき相談しやすいでしょう。

お試し移住の3つの注意点

お試し移住の魅力を把握したところで、注意点についても覚えておきましょう。注意点は主に下記の3つ。

  • 移住先によって利用条件がある
  • 予約が埋まっていることも
  • 仕事との両立が難しいことも

それぞれ詳しく解説するので、申し込む前にチェックしてみてください。

移住先によって利用条件がある

お試し移住は誰でも利用できるわけではありません。移住先によって利用条件を設けているところもあるので、事前確認が必要です。

まず大前提として、移住を検討していない人やその地域の住人は利用できません。将来的に移住を検討している方を対象として行っているので、該当しない場合は利用不可です。

他にも、よくある利用条件として「20歳以上の夫婦と家族」「50歳未満の方」など、年齢制限がかけられています。また利用条件とは異なり、禁煙やごみの持ち帰り、ペット不可など規則を設けている場合も。

宿泊先は自治体で管理している施設になるので、その辺りは厳しくチェックされる可能性があります。

予約が埋まっていることも

宿泊施設は数に限りがあるので、すでに予約が埋まっている場合もあります。特に、夏休み期間中や土日は予約が集中しやすく、さらに人気の市町村になると予約を取るのが困難です。

お試し移住を利用したいときは、早めに予約することをおすすめします。

仕事との両立が難しいことも

仕事を続けながら移住先を探す方も多いはずです。宿泊施設から通勤できるのであれば仕事をしながら滞在できますが、距離的に難しいケースもあるでしょう。数週間ほど滞在してみたい、という方は有給を活用したり、リモートワークに切り替えたり、工夫が必要になります。

ただし、「ゆくゆくは移住先で転職を!」と計画を立てている方は要注意です。お試し移住をきっかけに、転職の意思があることを上司や同僚にバレてしまう恐れがあります。あまり知られたくない方は、計画的に進めるようにしましょう。

【実例】お試し移住をしている町・市を紹介

ここまで、お試し移住の魅力と注意点について説明してきました。では、実際にお試し移住を行っている自治体を3つ紹介します。

  • 沖縄県国頭郡国頭村
  • 北海道空知郡南幌町
  • 高知県高知市

いずれも移住先に人気のある市町村です。それぞれが行っているお試し移住の内容を参考にしてみましょう。

沖縄県国頭郡国頭村

国頭村は沖縄県の北端に位置する、人口約4,500人の小さな村です。村面積の約80%を亜熱帯照葉樹林が占めており、自然の豊かさが魅力です。

そんな国頭村では、お試し移住を促進するために有料の体験住宅を用意しています。

名称 利用人数 使用料
国頭村移住体験住宅1号館 4人まで 1泊1人あたり 2,000円(小学生以上)
国頭村移住体験住宅2号館 6人まで 1泊1人あたり 3,000円(小学生以上)
国頭村移住体験住宅3号館 4人まで 1泊1人あたり 2,000円(小学生以上)

【利用条件】

  • 原則50歳未満の方で、家族またはそれに準ずる範囲の方
  • 1泊以上13泊以内
  • 利用日当日、役場担当者との面談を受ける(代表者のみでも可)
  • 利用後、アンケート調査に協力する

ゴールデンウィークなどの大型連休や年始年末の利用はできないので、注意してください。

参考:国頭村

参考:国頭村移住体験住宅

北海道空知郡南幌町

札幌や千歳などへのアクセスがよく、広大な自然が広がる南幌市。キャンプ場やワカサギ釣りなど、さまざまなアクティビティがあります。

そんな南幌市で行われているお試し移住の料金は、下記のとおりです。

利用月 1ヶ月の利用料の目安
6月~9月 29,500円/月(うち光熱水費18,000円/月)
4月~5月 35,500円/月(うち光熱水費24,000円/月)
10月~11月 35,500円/月(うち光熱水費24,000円/月)
12月~3月 24,000円/月(うち光熱水費24,000円/月)

※寝具を使用する場合は、寝具使用料が別途発生します。

【利用条件】

  • 原則20歳以上の夫婦とその家族
  • 現在町外に居住し、将来的に南幌町への移住を検討されている方
  • 事業の趣旨を理解いただき、アンケートにご協力いただける方

滞在期間中は公共施設が町民料金で利用できたり、フェリーの運賃が割引されたり、さまざまな特典を受けられます。希望月の3ヶ月前から申請可能なので、興味のある方は早めにチェックしておいてください。

参考:南幌市 移住体験

高知県高知市

高知市は観光スポットが多く、祭りやイベントの開催も豊富です。また路面電車が通る風景は、どこか懐かしささえ感じることでしょう。

そんな高知市で行われているお試し移住の料金は、下記のとおりです。

単位 料金
最初の2泊まで(1室) 3,300円
以降1泊ごとに(1室) 1,100円

※調理室や交流室を使用する場合は、1時間につき430円の使用料が発生します。

【利用条件】

  • 高知市外に住民票があり,本市への移住を希望している方
  • 日本国内に居住している方
  • 中山間地域の住民と円滑かつ積極的に交流を持てる方

お試し移住ができる施設の近くにはコンビニやスーパーがないので、入念な準備が必要となります。最長28泊まで可能なので、長期的に滞在したい方にもおすすめです。

参考:かがみ暮らし体験滞在施設「しいの木」の利用について

お試し移住に関するよくある疑問

お試し移住を検討する中で、さまざまな疑問が生まれるでしょう。そこで、「これってどうなの?」「こんなときどうするべき?」このような疑問を解決します。お試し移住をするなら、疑問を残さずすっきりした状態で申し込めるようにしておきましょう。

どの市町村でもお試しできる?

市町村によっては、できないところもあります。

お試し移住を行っているかどうかは、各自治体の公式HPからチェックできるので、事前に確認しておきましょう。

また自治体によっては、移住促進活動の1つとして、長期滞在割引や家賃の一部助成制度を行っているところもあります。お試し移住を行っていない自治体でも、お試し移住に似たような取り組みを行っていないか確認しておくとよいでしょう。

申込み方法は?

相談または申込みは、各自治体の移住相談窓口にて受付けています。

申込みの手順は、下記のとおりです。

  • お試し移住をしたい自治体の移住相談窓口に問い合わせる
  • 空き状況を確認し、お試し移住の申請を行う(インターネットまたは郵送で申請書を送る)
  • 自治体が申請内容を確認し、審査を行う
  • 審査に通ると、各書類や本人確認書類を提出する

あとは予約日になるのを待ち、お試し移住を体験できます。

体験は1回のみ?

体験は1回のみと制限している自治体がほとんどです。

1泊や2泊では、その土地や地域性について理解するのは難しく、何度か利用したいと思う方も少なくないはずです。しかし、自治体で用意している施設は1回までと制限されていることが多いので、もう少し滞在したい場合は個人で宿をとるようにしましょう。

お試し移住よりも手軽に体験できるプランはある?

手軽に移住体験をしたい方には、体験ツアーがおすすめです。

体験ツアーは移住に興味のある方が集まり、農業体験や伝統食体験など、さまざまな体験企画に参加できます。1~3日ほどの短期間で行われることが多く、「暮らす」ことを目的にしたツアーは、移住検討者が知りたい情報を得られやすいのがメリットです。

他にも、繁忙期の農作業を手伝うワーキングホリデーやレンタカーで地域をめぐるのもおすすめです。

「お試し移住」を利用して移住後の暮らしをイメージしよう

お試し移住を利用することで、住民目線でその地域の暮らしぶりを体験できます。実際に地域の方たちと触れ合えたり、農業体験ができたり、さまざまなメリットがあります。移住の候補に挙げている自治体でお試し移住を行っている場合は、迷わず利用すべきでしょう。

まずは「お試し移住 〇〇(気になる市町村名)」で検索して、情報を収集するところから始めてみませんか?お試し移住を利用して、移住後の暮らしをイメージしましょう。

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