大阪府南部、泉州地域の主要都市の1つである岸和田市は、全国的に有名な「岸和田だんじり祭」があることで、その名をご存じの方は数多くいるでしょう。しかし、移住先として考えた時、あまり街のイメージが湧かない人もいるかもしれません。いったいどういう街なのか?物価は?交通アクセスは?
結論からいえば、城下町の面影を残した街並みは歴史・文化を感じさせ、海と山の両方を体験できるうえ、日常生活においても落ち着いた暮らしができる素晴らしい街です。しかも、2031年開業予定の「なにわ筋線」により南海電車の梅田乗り入れが実現され、その利便性は飛躍的に高まることが期待されています。
今回は、「だんじりの街」として全国的に有名な岸和田市の、移住先としての人気の理由やおすすめエリア、利用できる支援・情報収集サイトまで知りたい情報を一挙紹介します!岸和田市移住のデメリットも事前に紹介することで、納得の移住が叶えられるでしょう。
岸和田市移住に興味がある方は、ぜひ前向きに移住を検討されてみてはいかがでしょうか?
岸和田市が移住先として人気の理由3選
まずは、岸和田市が移住先として人気の理由を3つ紹介します!だんじり祭が有名ですが、もちろん、それ以外にも魅力がいっぱいです。ぜひご覧ください!
関西国際空港やなんばへのアクセスが良好
岸和田市が移住先として人気の理由として、「関西国際空港」や「なんば」へのアクセスの良さが挙げられます!西日本最大の国際空港である「関西国際空港」へは南海本線岸和田駅から最速15分でアクセス可能です。海外旅行はもちろん、国内線も東京・札幌・福岡・沖縄・石垣島など主要都市や人気のリゾート地へも就航しているので、出張や国内旅行にも利用できます。空港へのアクセスの良さは岸和田市ならではといえるでしょう。
また、大阪随一の繁華街「ミナミ」の中心地である「なんば」へのアクセスも良好です。南海電車「なんば駅」へは電車1本・急行で最速26分(特急なら22分)という好アクセスのため、休日のショッピングに便利で通勤も苦になりません。
さらに重要な情報として、大阪市内の主要道路の1つ、なにわ筋の地下を走る新路線「なにわ筋線」が2031年に開業を予定しています。なにわ筋線の開業で、南海電車はこれまでの終点であったなんば駅から梅田まで運行できるようになり、現在は不可能である岸和田駅から梅田までの直通電車が実現するのです。
2031年開業予定の「なにわ筋線」により、岸和田市がさらに注目の移住先となることはまちがいないでしょう。
家賃や物価が大阪市内よりも安い
家賃や物価など、生活コストが大阪市内よりも大幅に安いことも岸和田市が移住先として人気の理由の1つとして挙げられます。岸和田市の家賃相場をみると、ワンルームで2万円前後、2LDKであれば、なんと5万円以上も安くなっております。駐車場代も同様で、大阪市内だと場所にもよりますが2~3万円以上するところ、岸和田市は8,000円~13,000円程度と半額以下で駐車可能です。
また、岸和田市をはじめとする泉州地域は農業・漁業が盛んなため、山手にある道の駅「愛彩ランド」などを利用すれば、新鮮な地元食材が大阪市内よりも安い価格で購入できます。その他、地元の方が営んでいる個人のお店であれば、大手スーパーマーケットなどでは手に入らないような珍しい地元食材も安価で手に入るでしょう。
岸和田市は、家賃や物価が安く生活コストを大幅に下げられる、移住希望者にとって非常にメリットが多い移住先といえるのです。
あの超有名な「岸和田だんじり祭」がある
岸和田市といえば、だれもがイメージするのが「岸和田だんじり祭」です!江戸時代からつづく一大イベントとして、重厚で緻密な彫刻を施された美しいだんじりが、勇壮なパフォーマンス・熱気とともに市内各地を駆け巡ります。
毎年9月と10月におこなわれ、この期間は全国から数10万人という見物客が訪れます。岸和田市全体が日常を忘れるほどの一体感と高揚感に包まれ、その様子をテレビで観たことがある方も多いでしょう。
岸和田市民は、このだんじり祭のために生きているといっても過言ではないほどで、市民のアイデンティティとして代々受け継がれていきました。
勇壮・熱狂・一体感を感じられる、岸和田市移住最大の醍醐味といってもよい「岸和田だんじり祭」を、祭好きの方もそうでない方もぜひ、目の前で体感してみてはいかがでしょうか?きっと、日ごろのストレスや悩みなど一気に吹っ飛ぶほどの高揚感を得られるでしょう。
岸和田市移住のデメリット3選
岸和田市が移住先として人気の理由を紹介してきましたが、ここからは移住のデメリットも紹介します。だんじり祭はじめ魅力あふれる岸和田市ですが、事前に知っておくべきポイントもいくつかあるため、こちらもあわせてご覧ください。
だんじり祭のイベント時期は道路が混雑する
岸和田市といえばだんじり祭ですが、9月と10月の祭が開催される数日間は会場周辺が交通規制され、観光客もごった返すことから市内全域の道路がとても混雑します。駅周辺も混雑するため、電車に乗るのもひと苦労です。
当日は昼前から人が増えはじめるため、どうしても混雑を避けたい方は、用事を朝の時間帯にすませておいた方が良いかもしれません。また、基本的にだんじり祭は土日に開催されるため、通勤に大きな影響はないかもしれませんが、人ごみを避けようがないことは事前に知っておきましょう。
もし、交通規制区域内に駐車場がある場合は、事前申請により特別な使用許可が出るため、詳しくは岸和田市へお問い合わせください。
なんばには行きやすいが梅田は少し不便
岸和田市移住のデメリットとして、電車移動でなんばへは行きやすいものの、梅田へは乗り換えが必要となり不便であることもデメリットといえるでしょう。そのため、職場が梅田近辺の方や、よく買い物に出かけたい方は注意しましょう。南海電車でなんば駅まで行き、大阪メトロに乗り換え梅田まで行く方法が一般的です。
しかし、そのような状況が2031年開業予定の「なにわ筋線」により一変します!大阪市内の主要道路・なにわ筋の地下を走り、「なんば~梅田」を新たに結ぶなにわ筋線は、JR・南海電車・阪急電車の乗り入れが決定しており、なんばまでしか行けなかった南海電車がついに梅田まで直通するのです。さらに、梅田を通り越して「新大阪」へも直通するため、新幹線へのアクセスも容易なものになります。
このように、現在は少し不便な梅田へのアクセスですが、2031年開業予定の「なにわ筋線」によって飛躍的に交通利便性が向上するため、今後まちがいなく移住先として岸和田市の人気が高まっていくでしょう。
車がなければ移動に不便なエリアがある
岸和田市は、市域が大阪湾から和泉山脈まで広がっており、海側には南海電車とJR阪和線という2路線を利用できるものの、山側は電車が走っておらず移動には車が必要といえるかもしれません。岸和田駅などの主要エリアへの路線バスはありますが、本数があまり多くないため、山側に移住を希望される場合は、移動手段をどのようにするか事前に決めておいた方がよいでしょう。
月極駐車場代の相場が8,000円~13,000円とそこまで高くないので、可能な方は新たに車を購入するのもよいかもしれませんね。
岸和田市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
ここからは、岸和田市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービスを紹介します!生活コストを下げやすい岸和田市ですが、これら補助金等の活用によりさらにお得な移住が実現できます。要件等はあるものの、該当する方はぜひ活用しましょう。
中学卒業までもらえる児童手当
児童を養育する家庭において、生活安定を目的に児童手当を支給しています。中学校卒業までが支給対象となっているため、子育て世帯の方は必ず申請しておきましょう。所得の上限によって支給の要件や可否が変わるため、詳細はリンク先を参照してください。
【月額手当】
- 3歳未満 一律15,000円
- 3歳から小学校修了前(第1子・第2子)10,000円
- 3歳から小学校修了前(第3子) 15,000円
- 中学生 一律10,000円
参考:児童手当
問い合わせ先:岸和田市子ども家庭課 子育て給付担当
空き家リフォーム事業補助金
岸和田市外から移住し、市内にある空き家のリフォームを実施する所有者の方に、リフォーム工事にかかる費用の一部を補助する支援制度です。移住の際に空き家を購入しリフォームする方はぜひ活用してください。現在は受付終了しましたが、令和5年度に再開する可能性があるので、気になる方はこまめに情報をチェックしましょう。
【補助金額】
空き家リフォームに要する経費の10分の7(上限60万円)
【補助対象空き家】
- 昭和56年6月1日以降に建築確認を受けて建築されたもの
- 昭和56年5月31日以前に建築確認を受けて建築されたもの、またはその他の資料で昭和56年5月31日以前に建築されたことが判断できるもので、耐震改修促進法に基づき耐震性が確認されたもの
- 昭和56年5月31日以前に建築されたことが判断できるもので、当該リフォームにおいて耐震改修促進法に基づく耐震改修工事をおこなうもの
参考:空き家リフォーム事業補助金の交付
問い合わせ先:岸和田市住宅政策課 住宅政策担当
家庭用生ごみ処理機器購入補助金
一般家庭での生ごみの再利用を促進するため、家庭用生ごみ処理機を購入する経費の一部を補助する支援制度です。生ごみの削減という環境問題に関心がある方は、購入を検討されてみてはいかがでしょうか?
【補助対象機器および補助金額】
- 電源を必要とする処理機器
本体購入価格(消費税込)の2分の1の額(上限2万円)
※1,000円未満切り捨て - 電源を必要としない処理器機
本体購入価格(消費税込)の2分の1の額(上限3千円)
※100円未満切り捨て
参考:家庭用生ごみ処理機器購入補助金を交付します
問い合わせ先:岸和田市廃棄物対策課 減量推進担当
岸和田市移住でおすすめのエリア3選
それでは、岸和田市移住でぜひ知っておきたいおすすめのエリアを3つ紹介します!どこも住みやすく魅力あふれるエリアばかりです。それぞれの理想のライフスタイルに合わせて検討してみてください。
生活や移動に便利な場所に住みたいなら「岸和田駅周辺エリア」
まずおすすめするのが、岸和田市の中心駅である南海本線「岸和田駅周辺エリア」です!市の中心としてもっとも栄えており、「岸和田駅前通商店街」は、たくさんの商店でにぎわっています。
湾岸エリアには大型ショッピングモール「岸和田カンカンベイサイドモール」があり、飲食店・アパレル店・映画館など休日のショッピングに最適です。その他、ホームセンターやスーパーマーケットなども充実しているため、日常生活にもっとも便利な場所といえるでしょう。
また、古くからの城下町でもある岸和田市の観光スポットとして「岸和田城」が有名で、立派な堀に囲まれた美しい城や庭園は必見です。市役所も岸和田城のすぐ近くにあります。
さらに、岸和田駅から大阪市の一大繁華街である「なんば駅」へ、急行で最速26分(特急なら22分)でアクセスできるので移動にも便利です。海沿いにある阪神高速道路湾岸線の「岸和田南出入口」から、車で大阪市内や関西国際空港へ簡単にアクセスできることも強みといえるでしょう。
なにより、岸和田駅周辺エリアは「だんじり祭」の舞台となるため、祭の時期は岸和田駅周辺エリア全体が熱狂に包まれます。「最前列」でこの一大イベントに参加できることが最大の魅力といっていいかもしれません。
生活や移動に便利で「祭好き」まで加われば、岸和田駅周辺エリアを強くおすすめします!
天王寺周辺によく行くなら「東岸和田駅周辺エリア」
「キタ・ミナミ」につづく大阪第3の繁華街「あべの・天王寺」へよく行くならJR阪和線「東岸和田駅周辺エリア」がおすすめです!
南海本線岸和田駅から、大阪南部の大動脈・国道26号線を越えた東側に位置するJR東岸和田駅は、路線が天王寺駅へと続くため、「あべの・天王寺」周辺へ簡単にアクセスできます。快速電車に乗れば最速25分と使い勝手がよく、関西国際空港へも約20分という短時間でアクセスが可能です。
東岸和田駅周辺は閑静な住宅街で、南海岸和田駅前より落ち着いた雰囲気のため、静かに生活したい方にも適したエリアといえるでしょう。もちろん、駅前にはスーパーマーケットやコンビニ・銀行など生活に必要な店がそろっているので、日常生活に不便さはなさそうです。
天王寺周辺によく行く方は、アクセス良好な東岸和田駅周辺エリアをえらびましょう。田畑が点在する静かな住宅街というのもいいですね。
車移動が中心なら「岸和田和泉IC周辺エリア」
車移動が中心の方は「岸和田和泉IC周辺エリア」をおすすめします!岸和田市の山手に位置する岸和田和泉ICは、岸和田市と和泉市の市境にあり、阪和自動車道を使って大阪市内や和歌山方面へアクセスしやすいことが特徴です。関西国際空港へも直接アクセスできるので、車移動が中心であれば快適な暮らしが送れるでしょう。
また、山が近いため自然環境に触れやすく、「蜻蛉池公園」という広大な敷地の公園があり、芝生広場でのんびりしたり、ウォーキングにも最適です。道の駅「愛彩ランド」へ行けば新鮮な地元食材を安く購入できます。さらに山の奥まで走ると各地にあるキャンプ場へと続くので、アウトドア派の方にはもってこいのエリアといえるでしょう。
自然環境に近いため、生活利便性が低いと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。岸和田和泉ICの和泉市側には「ららぽーと和泉」と「コストコホールセール和泉倉庫店」という2つの大型商業施設があり、むしろ日常や休日の買い物にかなり便利であるといえるでしょう。
車移動の利便性や自然環境、大型商業施設の充実から、車移動中心の方は岸和田和泉IC周辺エリアがおすすめです。自然環境と大型商業施設の共存という稀有な立地といえるのではないでしょうか?
岸和田市の情報を収集する際に便利なサイト3選
最後に、岸和田市の情報を収集する際に便利なサイトを3つ紹介します!だんじり祭だけじゃない岸和田市の魅力をもっと知りたい方は、ぜひチェックしてください。
岸和田市地図情報配信サービス
岸和田市地図情報配信サービス「祭都Naviきしわだ」は、さまざまな種類の地図を活用して、公共施設や景観・公園情報、防災情報などを配信するウェブサービスです。
実際の地図を見ながら、どこでなにがおこなわれているかをリアルタイムで知れるので、非常に使い勝手のよいサービスといえるでしょう。スマホサイトもあるため、どこからでも確認できるのがいいですね。岸和田移住の際は、ぜひ活用してください。
岸ぶら
「岸ぶら」は、岸和田市観光振興協会公式サイトとして、グルメ・観光スポット・歴史遺産・自然などさまざまな街の見どころを紹介しています。
「岸ぶらがー」と呼ばれる、岸和田市を愛する個性あふれるライター達が実際に街を「ぶらぶら」歩いて発見した魅力を、面白おかしく紹介しています。イベント情報とあわせて、リアルな岸和田市の姿を発見できる素敵なサイトです。ぜひ一度チェックしてみてください。
参考:岸ぶら
みなとオアシス岸和田
「みなとオアシス岸和田」は阪南港を拠点とし、文化・商業・スポーツ・漁業の融合による湾岸振興をコンセプトとした、さまざまな取り組みをおこなっている複数施設の総称です。ウェブサイト「みなとオアシス岸和田」では、登録された多種多様な施設やイベントなどを紹介し、地域の活性化をおこなっています。
地元で獲れた新鮮な魚介類を食べられるお店や、大型商業施設などがたくさん紹介されているので、興味がある方は一度サイトに訪れてみましょう。
参考:みなとオアシス岸和田
岸和田市の魅力を知って移住を検討しよう
岸和田市は「だんじり祭り」が全国的に有名なものの、どのような街か知らない人も少なくありません。実際の岸和田市は、エリアによって大きく異なる個性をあわせもつ、魅力いっぱいの街といえるでしょう。城下町として栄え、歴史遺産を感じながらの生活や、海と山それぞれに近い場所で暮らすことも可能です。さらに、大阪市内や関西国際空港へのアクセスも良好なことから、移動にも便利な街といえるでしょう。
普段あまり語られない岸和田市の魅力を知って、ぜひ前向きに移住を検討しまし