製鉄の街として発展した北九州市は、気軽にグルメと文化を楽しめる街として多くの観光客が訪れます。また、福岡県の中でも生活費を安く抑えられるので、移住先としても近年人気の街です。九州の玄関口として本州からのアクセスもいいので、移住を検討している人も多いのではないでしょうか?北九州市は子育て支援も充実しているので、若い世代にもおすすめです。
この記事では北九州市の魅力・移住支援制度・おすすめのエリア・情報サイトをご紹介します。併せて生活する上でのデメリットについても解説していますので、北九州市への移住を検討している方はぜひ参考にしてみてください!
北九州市が移住先として人気の理由3選
観光地としても人気の北九州市は、移住先としても人気な街のひとつ。ここでは生活費の安さ、魅力的なグルメ、盛んな産業の多さの3つについて解説します。
生活費を抑えることができる
北九州市の大きな魅力のひとつは、福岡市と比較し、生活費を安く抑えられることです。移住を検討する際に気になるのが、移住後の生活費ですよね。転職を考えている人なら尚更重要視するポイントだと思います。
福岡県第二の都市である北九州市ですが、実は福岡市よりも物価が低く、住みやすい街。総務省が発表している「平成30年住宅・土地統計調査」では、家賃も福岡市より低いという結果が出ています。家賃は生活費の中でも割合を大きく占めているので、なるべく抑えたいところ。北九州市と福岡市で迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
1ヶ月1坪あたりの民営賃貸住宅の家賃
- 北九州市3,797円
- 福岡市4,423円
- 東京都区部8,824円
もつ鍋や海鮮料理など地元グルメを楽しむことができる
「北九州といえばグルメ」と連想する人も多いのではないでしょうか?北九州はその歴史や立地から、もつ鍋や海鮮料理、八幡ぎょうざなど、様々なグルメを楽しむことができます。九州料理のお店は全国的にも多いですが、やはり地元のお店で食べたいですよね。
市内には専門店も多いですが、もし色んな料理を少しずつ楽しみたいのであれば、旦過市場の路地裏にある新旦過飲食街がおすすめです。細い路地に小さなお店が並んでおり、まるで東南アジアのようなディープな雰囲気。食べ歩きをしながら、九州グルメを楽しんでみてください。
製鉄・製鋼、科学、エネルギーなどの産業が盛ん
三方を海に囲まれつつ、関門海峡を挟んで本州とも近いという特徴から、交通の要所として発展してきました。また、1901年に官営八幡製鐵所が稼働して以降は製鉄・製鋼分野での発展も著しく、現在でも北九州を代表する産業のひとつです。
それ以外にも化学やエネルギー分野の産業が盛んで、中でも環境エネルギーの事業に力を入れています。北九州市はSDGs未来都市として地域環境問題に取り組む港づくりを行っており、2011年からは再生可能エネルギーの主力電源化に向けた取組のひとつである「グリーンエネルギーポートひびき」事業が始まりました。こうした発展している産業によって、北九州市の経済が支えられています。
北九州市移住のデメリット3選
たくさんの魅力で溢れている北九州市ですが、その立地や特徴ならではのデメリットもあります。移住後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、事前に確認しておきましょう。
福岡県最大の都市「博多」まで遠い
博多は福岡最大の都市ですが、北九州の北部にある小倉駅からは車や電車で約1時間、新幹線で約20分と、少し遠い距離にあります。北九州も観光スポットがあったり、グルメに溢れていたりと魅力がありますが、雰囲気の違う博多にも足を運びたいですよね。もし博多への通勤や通学を検討している人は、エリアによって交通費が高くなるので、注意しましょう。
工場周辺は独特なニオイが発生する
北九州は工場の多い街なので、どうしても煙や匂いが発生してしまいます。そうなると洗濯物に匂いがついてしまう可能性もあるので、室内やサンルームで干すなど注意が必要です。また、工場が近くになくても風向きや天候で匂いが流れてくることもあるため、家探しをする際は事前に確認しましょう。
車がないと移動が困難なエリアが多い
北九州にはいくつかの路線がありますが、車を持っていないと生活に不便なエリアが多くあります。特に都市部からの移住を検討している人は、車を持っていない人も多いのではないでしょうか。そうなると、移住してすぐに車を購入するとなると、初期費用も膨らみます。運転に慣れるまでは不安だと思うので、まずは歩きや自転車で生活できるエリアに住み、その後違うエリアを検討するのがおすすめです。
北九州市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
北九州には移住・定住を促進する支援がいくつかあります。移住にはどうしても初期費用がかかりますので、ぜひ参考にしてください。
北九州市わくわく地方生活実現支援事業
東京圏から北九州へ移住する際、世帯での移住で100万円、単身での移住で60万円が支給される事業です。対象となるのは北九州市に住民票を移す直前まで東京圏に在住していて、移住後5年以上定住する意思のある人です。就労要件は就労場所や、専門職・テレワークなど働き方によって異なりますので、詳しくはホームページで確認してください。
住宅に関する支援
移住する人の多くは、まず賃貸物件への入居を検討しているのではないでしょうか。北九州では住宅に関する支援がいくつかありますが、中でも、若い世帯の定住を促進するため、特定優良賃貸住宅・地域優良賃貸住宅を設けています。
特定優良賃貸住宅・地域優良賃貸住宅とは北九州市の認定を受けて建設された民間の賃貸住宅で、単身でないことや月々の所得など、いくつかの条件を満たす人が入居できます。物件の専用面積は50平方メートル以上で、2つ以上の居室があり、バリアフリーになっているので、安心して入居できるのが嬉しいですよね。物件によって条件が異なりますので、不動産屋に確認しながら検討してください。
空き家リノベ補助
空き家をリノベーションする若い世帯や子育て世帯に対し、最大40万円の補助金が支給される制度です。元々ある物件を改装するのである程度制限はありますが、新築と比較して安く済ませられるため、空き家のリノベーションを検討している人も多いのではないでしょうか。
この空き家リノベ補助の制度では、リノベーションに加えて耐震改修工事を行う場合はプラス最大100万円、北九州市街からの転入世帯などで一定の条件を満たす人にはプラス最大60万円の補助が出ます。年度によって受けられる世帯数が限られるので、検討している人は早めに申し込みましょう。
参考:北九州市 建築都市局 都市再生推進部 空き家活用推進課
北九州市移住でおすすめのエリア3選
北九州はエリアによって特徴が異なります。ここでは小倉駅周辺エリア、若松エリア、門司エリアの3つのエリアと、そのエリアでおくれるライフスタイルを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
都会で暮らしたいなら「小倉駅周辺エリア」
小倉駅は在来線やモノレールだけでなく、新幹線も停まる、北九州を代表する駅です。周辺にはショッピングセンターやオフィスビルがあり、便利で都会なエリアに住みたい人におすすめとなっています。車を持っていない人でも徒歩や自転車で生活できるので、ここを拠点にしつつ、今後違うエリアを検討する人も多いです。
小倉城や八坂神社などの歴史ある建造物や、上記で紹介した旦過市場もこのエリアに含まれます。もし移住前に訪れる際は、小倉駅周辺に宿泊すると北九州の文化やグルメが楽しめるので、小倉駅を拠点にするのがおすすめです。
落ち着いた環境で暮らしたいなら「若松エリア」
若松区は海と緑に囲まれたエリアで、北九州の中でもゆったりとした雰囲気のエリアです。また、北九州学術研究都市やひびきのなど区画整理された新しい住宅地や、少し坂を登った見晴らしのいい住宅地などがあり、若い世帯に人気です。周辺にはイオンやコストコなどの商業施設があり、生活にも困りません。ただ、車を持っていた方が便利なエリアもあるので、注意しましょう。
オシャレな街で暮らしたいなら「門司エリア」
門司区は北九州の北部にあるエリアで、関門海峡を挟んで山口県下関市と繋がっており、九州と本州を繋ぐ玄関口です。古くからの建物や住宅地が残っており、オシャレなエリアに住みたい人におすすめとなっています。門司区からは大阪や神戸を結ぶフェリーも出ているので、少し足を伸ばして出かけることもできます。エリア内には国道沿いを中心にスーパーやホームセンター、病院などの施設があるので、生活環境も整っているのが魅力のひとつ。住みながら北九州ならではの文化を楽しむことができます。
北九州市の情報を収集する際に便利なサイト3選
移住を検討する際、北九州がどんな街なのか、どんな生活がおくれるのか気になりますよね。ここでは北九州の情報を集めたインターネットサイトを3つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
北九州ライフ
主に北九州の移住についての情報をまとめたサイトで、仕事情報や暮らし、子育てについて知ることができます。実際に移住した人のインタビューも掲載されているので、とても参考になると思います。また、移住する際の支援金制度やお試し居住など、移住についてのサポート情報が知れるだけでなく、移住相談もできるので、ぜひ活用してください。
ぐるリッチ北九州
主に北九州の観光情報をまとめたサイトで、季節ごとのイベントやグルメ、夜景スポットなどが掲載されています。エリアごとの観光マップも出ているので、旅行前の情報収集として活用するのもおすすめ。日本語だけでなく、英語や韓国語など6カ国の言語に対応しているので、海外の人も活用できます。
参考:https://www.gururich-kitaq.com/
ナッセ北九州
北九州の情報誌「NASSE」が運営しているサイトで、北九州市内の飲食店や習い事など、地元ならではの情報が掲載されています。また、「ナッセチャンネル」というYouTubeチャンネルもあり、おすすめグルメや県の取り組みについて紹介しているので、移住前からリアルな北九州を体験できます。
参考:https://nasse.com/kitakyushu/
北九州市の魅力を知って移住を検討しよう
日本随一のグルメと北九州ならではの文化が楽しめる街、北九州。福岡の玄関口として本州にも行きやすく、便利さも兼ね備えているので、移住のハードルも低いと思います。また、北九州は11年連続待機児童0人を更新しており、子育て施設も充実していることから、NPO法人エガリテ大手前の次世代育成環境ランキングで1位を獲得しました。子育て世帯に優しいのは大きな魅力のひとつです。ぜひ移住先として、北九州を検討してみましょう!