移住コラム

憧れの2拠点生活を実践するには?生活費用と実現する手順を解説

リモートワークの浸透による働き方の変化により、ライフスタイルの多様化がますます広がっています。「2拠点生活」に興味を持つ人も多いでしょう。

都会と田舎の両方の良さを味わうことができる2拠点生活ですが、生活にかかる費用や仕事をどうするかなど不安ではないでしょうか。この記事では2拠点生活のメリット・デメリットや費用などを解説します。

2拠点生活とは

2拠点生活は、2つの地域に拠点を構えて生活することです。平日は都市部で暮らして働き、週末は田舎でのんびりプライベートを満喫する生活を送るケースが多いでしょう。

拠点となる家が2軒必要なため、かつては富裕層向けのライフスタイルでしたが、近年では都市部の一般層にも注目されています。その背景として、新型コロナウイルスの影響でリモートワークやワーケーションに注目が集まったことが挙げられます。

また、東京一極集中化が進み、人口が減少する地方の施策として移住制度の拡充を進めていることも2拠点生活の浸透を後押ししています。

2拠点生活のメリット

2拠点生活はどこに魅力があるのでしょうか。メリットを紹介します。

生活にメリハリが生まれる

平日は都会、休日は田舎と生活拠点を分けることで、生活にメリハリが生まれます。都会では「休日でも疲れが取れない」という方も、田舎で過ごすことで心からリフレッシュできるでしょう。

休日存分に癒された体で仕事に臨めるので、仕事のパフォーマンスが上がることも多く、公私ともに充実した生活を送れるようになります。

都会と田舎を両方楽しめる

生活拠点を2つ構えることで、都会と田舎、両方の良いところを楽しめます。田舎特有の自然やのんびりした雰囲気と都会の娯楽施設の両方にアクセスしやすく、楽しみ方の幅が広がります。

田舎でのびのびと子どもを育てられる

2拠点生活で田舎を軸に住居を構えれば、自然豊かでのんびりとした空気の中で子どもを育てることができます。自然に触れ合いながら遊ぶことで体が鍛えられ、新しい遊びを生み出す想像力も養われるでしょう。

都会では待機児童問題や騒音などの問題もありますが、田舎は子どもが都会ほど多くないため待機児童問題は起こらず、騒音とも無縁の生活が送れます。

2拠点生活のデメリット

魅力的な2拠点生活ですが、デメリットもあります。

家賃や交通費がかかる

生活拠点を2つ確保する必要があるため、家賃が2軒分かかります。都会の家を借りるには最低でも月6万円程度は必要になるでしょう。

さらに2拠点間の移動には交通費も必要になります。都会から遠く離れている場合は移動が新幹線になることも多く、休日の移動だけで毎月数万円はかかります。2拠点生活は仕事に関係がないとみなされ、会社からの交通費が出ないケースがほとんどです。

家賃と交通費の出費は避けられないので、2拠点生活が出費に見合うかはしっかりと検討する必要があります。

転職が必要な場合もある

人によっては早朝に出勤する必要があるという方、通勤距離が長すぎて負担が大きいと言う方もいらっしゃるでしょう。今までと同じ職場では出社時間に間に合わないという方、通勤が辛くて仕事に集中できなくなる方は転職を考える必要もあります。

転職は避けたいという方が2拠点生活を実践する場合、都会から近い場所に住む、電車内で仕事ができるなど負担が少なくなる工夫をすることで、できるだけ体の負担を少なくする工夫をして体の負担を抑える工夫が必要です。

家の掃除やゴミ出しが大変

掃除やゴミ出しも2拠点分必要になります。特に平日は仕事で疲れているため都会の拠点の掃除ができなくなるという方が多いですが、毎週続くと衛生上問題になります。

ゴミ出しは曜日が決まっているため、その日までにゴミをまとめておかないと延々とゴミが溜まります。拠点を離れる前にゴミが溜まっていないか確認する習慣をつけましょう。

2拠点生活の手順

2拠点生活を実現する手順を紹介します。

①周囲の理解を得る

2拠点生活は家庭や職場にも影響があるため、周囲の理解を得る必要があります。

まずは家族と話し合いましょう。2拠点生活は費用がかかり、環境の変化や転校など子育てに影響が出る可能性もあります。職場の理解も必要です。2拠点生活になることで「移動による疲労で十分なパフォーマンスが発揮できるか」、「毎日時間通りに出勤できるか」等、は職場にとっては懸念材料になります。

周囲の理解を得るには2拠点生活をしたい理由をはっきりと説明しましょう。家族には実際に移住先を見てもらい生活するイメージを共有することで、職場では仕事を頑張り成果を上げることで移住しても問題がないと理解してもらいやすくなるでしょう。

②仕事を確保する

2拠点生活に移る前に、必ずどちらかの拠点で仕事ができる状態を整えておきましょう。また、前提として2拠点生活を保てるだけの収入を確保しておく必要もあります。

リモートワークが一般化して以降、2拠点生活に寛容な職場は増えていますが、もしも職場の理解を得られなかった場合には転職、あるいは独立も考えなくてはなりません。wantedly等の求人サイトではフルリモート可能な職場も多いため、探してみるといいでしょう。

③物件を探す

仕事先の次は物件を確保しましょう。自分の住みたい場所の中から選びますが、生活環境や家賃はしっかりと検討しておく必要があります。特に新しい拠点が想像と違う場合もあるので、現地に足を運んで自分の期待通りの環境下は確認しておきましょう。

家賃は住む場所により大幅に変わるのですぐに決めずに様々な物件を検討しましょう。中心部から外れるだけで数万円抑えることもできます。資金余裕のない方は実家に移住する、安い賃貸物件を借りるなどの工夫で費用を抑えることも可能です。

④転居手続きをする

拠点を変える場合、転居手続きが必要になります。引っ越し前と後の両方で、役所に転出・転入届を提出しましょう。また、マイナンバーや免許証、児童手当の住所変更も必要になります。

子どもは住民票に記載された住所の学校に通うことになります。ただ、区域外就学制度という制度を使うことで、住民票に記載されていない土地の学校に通うことも可能です。住民票は田舎に置いてあるが、平日は両親ともに都会で暮らすといった場合におすすめです。

2拠点生活にかかる費用

2拠点生活にかかる費用は、以下の4つに分けられます。

  • 家賃
  • 家具など生活必需品
  • 固定資産税
  • 交通費

家賃に関しては毎月の家賃に加えて、初期費用に敷金と礼金が必要で、家の傷み具合によってはリフォーム代が必要になります。加えて生活するための最低限の家電や家具も揃えましょう。

住宅を所有している場合には固定資産税もかかります。ただし定期的に暮らしている実態が認められれば、税制上「居住用財産」に認められ、税制優遇を受けられます。具体的には200㎡以下の小規模住宅用地は固定資産税評価額の1/6、200㎡を超える場合も1/3減額されます。

交通費は2拠点間の距離や移動する頻度により変わります。新幹線や電車を利用する方はその運賃がかかり、車で移動する方はガソリン代や高速道路料金、駐車場代が必要になります。

2拠点生活の支援制度

自治体によっては、2拠点生活の様々な支援制度が用意されています。拠点先探しに便利なので積極的に使いましょう。ここでは移住支援金制度とお試し移住制度を紹介します。

国による「移住支援金制度」は、東京23区内に在住または通勤する人が地方に移住し、就業や起業する場合に最大100万円(単身の場合、最大60万円)の支援金が提供される制度です。2020年までは地方での就職が支給条件に含まれてましたが、2021年以降は移住先の自治体の許可が取れればテレワークでも支給されるようになりました。2拠点生活は新しい物件の費用にお金がかかりますが、移住支援金の利用により大幅に負担が軽くなります。

「お試し移住制度」は興味がある土地の住宅を一定期間借りて、その土地の暮らしを体験する制度です。物件を契約する前に興味がある土地が自分に合っているか確かめることができます。

支援制度は自治体によって異なるため、興味がある自治体に直接連絡を取って、用意されている支援制度を確認しておきましょう。一般社団法人 移住・交流推進機構が用意する「自治体支援制度検索」を使った検索も可能です。

参考:内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生 移住支援金

2拠点生活で公私ともに充実させよう!

ここまで2拠点生活のメリット、デメリットと、必要な費用や、便利な支援制度を紹介してきました。2拠点生活は生活のクオリティを上げるとても魅力的な取り組みですが、周囲の理解が必要な点、生活費用が増える点など、留意すべき点も多くあります。

ただ、都会と田舎の生活の両立は今までのキャリアと価値観を変えてくれる、素敵な体験であることには間違いありません。まずは興味ある土地を訪れて、その雰囲気を味わうことから初めてみてはいかがでしょうか。

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