世界遺産「熊野古道」の伊勢路で有名な三重県御浜町。温暖な気候で一年を通し、安定してみかんが収穫できる御浜町は、未経験からでもみかん農家を目指せる街として、今注目を集めている街です。北は山、南は海という自然豊かな環境で、御浜町内には思わず写真に残したくなるような絶景がたくさんあります。魅力あふれる御浜町への移住を検討している方も多いのではないでしょうか。
この記事では御浜町の魅力はもちろん、多くの方が不安に思っている仕事や生活についても解説していきます。また、移住前に活用できるサイトも紹介しているので、御浜町への移住を検討している方はぜひご覧ください!
「みかん、やったらええやん」三重県御浜町の農業支援
温暖な気候かつ、豊かな土壌が広がっていることから、御浜町はみかんの栽培が盛んな街です。自然災害の影響を大きく受けますが、会社員と違い、自分のペースでできるみかん農家を始める人が近年増えています。しかし、未経験からとなると、何から始めたらいいのか、資金をどのように集めるのか、不安も大きいですよね。農業が盛んな御浜町では、初めての人でも安心して始められるよう、農業支援が充実しています。ここでは3つご紹介しますので、みかん農家に興味がある方はぜひ参考にしてください!
はじめての就農でも怖くない!農業就職相談
みかん農家への就職はもちろん、移住を伴うとなると、誰かにまず相談して検討したいですよね。御浜町では農業への就職プログラムが用意されており、その第一ステップとして相談窓口が設置されています。このプログラムは農業初心者の方や農業について基礎から学びたい方向けになっているので、気軽に問い合わせられるのが嬉しいですよね。
同時に、移住についての相談も可能です。直接相談窓口に行くこともできますし、オンライン相談も承っています。遠方に住んでいて、まずは話を聞いてみたいという方も、ぜひ問い合わせてみてくださいね。
体験住宅を無料で利用可能!農業研修・体験プログラム
「農業をしたいけど、まずは体験してみたい」という方に向けて、農業体験ができるプログラムが設けられています。期間は1日〜1週間。サポートリーダーと呼ばれる、県の認定を受けた農家さんに教えていただきながら体験ができます。滞在している間の宿泊費はなんと無料!食事や布団は個人で用意が必要ですが、町にある空き家に滞在できるので、よりリアルに移住後をイメージできるのが嬉しいですね。
農業体験終了後、みかん農家として働きたい意志が固まり、その意向を伝えると、本格的な長期研修を受けられます。1〜2年かけて先輩農家さんから栽培技術や販売まで教わることができるので、就職・独立に向けてしっかりと準備ができるだけでなく、御浜町内の農家さんとのつながりもできます。地方で農業をするとなるとお互いの助け合いがより必要になりますので、ここで繋がりが生まれるのは心強いですよね。
年間最大150万円の資金を最長2年間交付!就農資金支援
農業研修を受けている期間、最大150万円の収納準備資金が交付されます。詳細は下記をご覧ください。
・対象
研修期間中の研修生(就農予定時に 49 歳以下の方)
※就職氷河期世代(申請時の年齢が30歳以上で、かつ就農予定時の年齢が49歳以下の方は「就職氷河期世代の新規就農促進事業〔令和 5 年度まで〕」の利用も可能。
・要件
- 就農予定時の年齢が49歳以下
- 独立・自営就農、雇用就農もしくは親元就農のいずれかを目指すこと
- 約1年以上、かつ年間1,200時間以上研修すること
- 常勤の雇用契約を締結していないこと
- 生活費の確保を目的とした国の他の事業による給付などを受けていないこと
- 原則、前年の世帯(親子及び配偶者)所得が600万円以下であること
・交付額
- 150万円/年もしくは12.5 万円/月(選択制)
- 最長2年間
研修期間を終え、実際に農家として働く際にも、経営開始資金や資材補助など様々な補助金制度があります。自分で農業を始めるとなると、土地の賃料や肥料など、費用がかさみますよね。補助金を受け取ることで経済的にも、精神的にも安心して農業に取り組むことができますので、ぜひ活用してください。
その他の利用できる補助金・支援金、サービス
御浜町では就農支援の他にも、移住者に向けて様々な支援やサービスを設けています。移住をするとなると、引越し費用や家の初期費用などが必要ですよね。金額も安くないため、費用面でネックになっている方もいるのではないでしょうか。ここでは3つの助成金精度を紹介しますので、どんな補助を受けられるのか、確認しておきましょう。
最大100万円!移住支援金制度
三重県が行っている助成金制度で、東京23区の在住者、または東京圏在住で23区への通勤者を対象に、最大100万円の助成金を申請できます。これは転入後、3か月以上1年以内の申請が必要なので、早めに申請しましょう。世帯や就業に関する要件がいくつかあるので、詳しくはホームページ、または町役場の企画課にて確認してください。
支給額は下記の通りです。
【支給額】
単身:20万円
世帯(2人以上):100万円
※18歳未満の子どもがいる場合、最大100万円加算
参考:ええとこやんか三重
最大120万円!御浜町マイホーム取得支援制度
御浜町で新築住宅や中古住宅を購入すると、住宅とその敷地にかかる固定資産税相当額を11年間で最大110万円支給される制度です。都市部に住んでいると、なかなか一軒家に住むことは難しいですが、地方に移住するのであれば、広い戸建で暮らしたいですよね。マンションやアパートだと騒音や隣への気遣いが必要ですが、戸建だとそこまで気にせずのびのびと過ごせます。
マイホーム取得支援制度の他にもマイホーム取得支援ポイントという制度があり、御浜町で住宅を取得すると10万円相当のKii Cardポイントを受け取れます。Kii Cardとは紀伊半島の経済を応援するために生まれた地消地産のポイントカードで、100円につき1ポイントが貯まり、三重県内の加盟店で1ポイント1円から使用できます。年々加盟店が増えていますので、ぜひ移住した際には活用しましょう。
最大5万円!空き家改修補助金
御浜町で購入した空き家を補修する際、申請すると修繕費用として最大5万円の補助金が受け取れる制度です。改修工事が始まる前に担当の企画課へ連絡が必要で、売買契約から6ヶ月以内の申請が可能です。一から間取りを考えられる新築もいいですが、中古物件を購入し、その古さを活かしながらリノベーションをするのも素敵ですよね。しかし、改修費も規模によっては高額になりますので、ぜひこの制度を利用しましょう。
また、御浜町では空き家ツアーも行われています。交通費や宿泊費は実費ですが、平日・休日ともに対応していますので、移住を検討している方はぜひ参加してみてくださいね。
三重県御浜町の魅力3選
山と海に囲まれた御浜町には、たくさんの魅力があります。ここでは世界遺産の「七里御浜」、生活のしやすさ、自然豊かな御浜町ならではの景色の3つについてご紹介します。これを読むときっと御浜町に移住したくなるでしょう。
アカウミガメが上陸する世界遺産「七里御浜」がある
七里御浜は世界遺産に登録されている熊野古道伊勢路の一部で、熊野市から紀宝町にある砂礫海岸です。砂礫海岸とは粒の大きい砂や小石によってできた海岸で、長さ22キロという日本一の長さを誇ります。その美しさからこれまでに「日本の渚百選」や「21世紀に残したい自然百選」に選ばれました。
七里御浜の小石はみはま石と呼ばれ、中でも白石は高級のまき石として、古くから庭園に使用されていました。現在では「拾い子さん」と呼ばれる許可を得た人が採取し、お土産品などに加工されています。
また、アカウミガメの上陸地にもなっており、5月から8月にかけて産卵のためにウミガメがやってきます。暗い夜の中、涙を流しながら散乱する様子はとても神秘的。七里御浜はアカウミガメの保護活動や、事故などが怒らないよう、啓発の拠点にもなっています。
田舎だけどスーパーやコンビニが近くにあり日常生活には困らない
御浜町には海岸沿いを中心にスーパーやコンビニ、ホームセンター、病院などがあり、生活する上でもあまり不便を感じません。都市部から移住する人にとって、生活の利便性は大きなポイントだと思います。生活圏内に買い物できる場所があるのは嬉しいですよね。
ただ、都市部と比較して公共交通機関はあまり発達していないため、車やバイクを持っていた方が生活はかなりしやすいです。都市部ほど車も多くないので、運転もしやすく、苦手な方でも走りやすいでしょう。また、御浜町はどこに行っても綺麗な景色が楽しめるので、休日のドライブもおすすめです。移住する際はぜひ車の購入も検討してみてください。
写真映えする絶景を楽しむことができる
御浜町は七里御浜で海を楽しめるだけでなく、青々とした山も美しく、いろんな絶景を楽しめるのが大きなポイント。七里御浜にはまるでハワイのようにヤシの木が並ぶふれあいパークがあり、写真スポットとしても人気です。また、朝には海上に登る朝日が見られるので、少し早起きしてカメラを片手に出かけるのもおすすめです。
反対に、山側には伊勢路という伊勢から東紀州地域にかけて続く約130kmの道があり、古くから熊野本宮大社を目指す巡礼者や、山側と海側を行き来する住民に親しまれてきました。現在でもハイキングスポットとして人気で、多くの人が訪れています。アップダウンがありますが、その道中や頂上からの景色は絶景!体力をつけて、ぜひ足を運んでいただきたい場所のひとつです。
三重県御浜町移住のデメリット3選
豊かな自然やおいしい食材が魅力の御浜町ですが、地方ならではのデメリットもあります。ここでは交通インフラ、台風被害、地域社会のつながりの3つについてご紹介しますので、移住後に「こんなはずじゃなかった」とならないよう、事前に確認しておきましょう。
交通インフラが乏しく都市部にアクセスしづらい
大きなデメリットのひとつが、公共交通機関が都市部と比較し整っていないことです。東京からだと、飛行機の利用で約4時間、新幹線の利用で約5時間と、アクセスがいいとは言えません。関西方面からでも約4〜5時間かかります。仕事や家庭事情で都市部を行き来する方は、より不便に感じるでしょう。まずは今住んでいる場所から御浜町へのアクセスを調べ、時間や費用を確認しておくのをおすすめします。
台風の被害を受けやすい
太平洋に面している御浜町は、台風の影響をもろに受ける地域です。平成23年には台風12号による記録的な大雨が降り、浸水や河川の氾濫などが発生しました。山が北側にあることから、土砂災害も発生しています。近年台風による被害は大きくなっているので、自然災害に対してしっかりと対策しておくことが重要です。御浜町の防災マップや、地震・津波対策についてはホームページに掲載されていますので、移住前だけでなく、移住後にも確認しておきましょう。
参考:防災情報について
地域社会のつながりが強く都会のように干渉のない生活が難しい
地方になればなるほど、地域社会のつながりが求められます。御浜町も同様で、どの職業につくにしろ、街でのコミュニケーションは欠かせません。都市部は地方ほど干渉されないので、地域社会での生活を億劫に思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、御浜町はじめ地方では人口が少なく、交通の便が悪い所も多いので、協力し合って生活するためにも地域でのつながりが重要です。上記の台風の被害を受けやすいでも紹介しましたが、御浜町は自然災害の多い街。緊急事態時に助け合えるよう、地域社会でのつながりを大切にしましょう。
三重県御浜町の情報を収集する際に便利なサイト3選
移住する前に御浜町では何があって、どんな暮らしができるのか知りたいですよね。豊かな自然や歴史的な建物もあるので、まずは観光をしたいと思う方もいるかもしれません。移住前の情報収集にぴったりなサイトがあるので、ぜひ活用してください。
青を編む 三重県御浜町
印象的な海の写真から始まるこのサイトは、観光情報から暮らしの様子まで掲載されているサイトです。中には移住者のインタビューも出ているので、それぞれどんな理由で御浜町を選んだのか、どんな暮らしや仕事があるのかを知ることができます。中でもみかん農家への就農情報に特化しているので、みかん農家に興味がある方へ特におすすめです。
参考:青を編む 三重県御浜町
ええとこやんか三重
御浜町を含む、三重県の移住情報サイトです。移住支援制度の紹介や移住セミナーの告知だけでなく、移住相談まで受けられるので、移住の検討段階の方にもおすすめ。また、子育てセミナーや福祉情報も掲載されており、移住後にも活用できます。月に1回、メールマガジンで移住イベントの告知や都市部での移住セミナー情報を配信しているので、ぜひ登録してみてくださいね。
参考:ええとこやんか三重
青の鼓動、感じる。東紀州観光手帖
御浜町含む、紀北町、尾鷲市、熊野市、紀宝町の5市町で構成される東紀州の観光情報について知ることができるサイトです。絶景スポットや特産品まで幅広く掲載されているので、移住後のお出かけ前にも活用できます。サイト内では、いくつかある熊野古道伊勢路モデルコースの対象レベルや所要時間など詳しく書かれているので、伊勢路を歩いてみたいという方はぜひ参考にしてください。
三重県御浜町の魅力を知って移住を検討しよう
山と海に挟まれ、歴史と豊かな自然が魅力の御浜町。その土地柄から食材も豊富で、みかんだけでなく、野菜や魚も感動するような美味しさです。移住者の中にはみかん農家を目指す方はもちろん、のびのびとした環境で新しいことにチャレンジしたいと移住してくる方も多く、小さいながらもたくさんの刺激を受けられます。
都市部とは違う広々とした自然で暮らしたいという方は、ぜひ御浜町への移住を検討してみてくださいね。
※内容は2023年5月執筆時のものです