四国の玄関口、渦潮と阿波おどりが有名な徳島県鳴門市は、話題の「半農半X(はんのうはんエックス)」を強力に推進している移住先として注目されています。複雑な海岸線を形成する美しい海と田園風景が広がり、日本最大級の展示スペースを誇る大塚国際美術館は全国的に有名です。
車やバスで神戸まで約1時間、大阪まで約2時間、東京へも飛行機で1時間程度のアクセスのよさもあり、「半農半X」に興味のある方をはじめ、多くの方が移住しています。今回は、「半農半X」とはなにか?から解説し、鳴門市の取り組みや移住先としての魅力、移住のデメリット、移住の際に利用できる補助金やサービス・情報収集サイトも紹介します!
あなたが思い描く「理想」はなんですか?本当にしたかった「移住生活」が実現できる徳島県鳴門市へ、ぜひ移住を検討しましょう!
徳島県鳴門市「半農半Xのススメ」が話題に
そもそも「半農半X」とはどのようなものなのでしょうか?まずは、移住希望者に話題の「半農半X」について解説します。これを知れば、あなたのなかに新たな価値観が生まれるかもしれませんね。
半農半Xとは
「半農半X」とは、小規模な農業を営みながら、自分の好きなこと・得意なこと(X)などで社会に貢献する新たな移住スタイルです。普段の生活の半分を農業、もう半分をやりたいこと・やりがいなどを追求していく生き方ともいえるでしょう。
鳴門市では、2022年に移住促進パンフレット「半農半Xのススメ」を作成し、大きな話題を呼びました。市が率先して「半農半X」を推進し、さまざまな支援制度やサービスをスタートさせたのです。
「半農」といっても面積や時間の規定などはなく、自分や家族が食べるだけの家庭菜園でも広い農地を使った農業でもよく、朝だけや週末だけの農作業などでも構いません。もう1つのXで、あなたのライフワークとなる生きがいやミッション・天職・生きる意味などを、あなたなりに追求していくのです。自分を活かす「X」は、これまでやってきたあなたの仕事であったり、新たにチャレンジするボランティア・地域活動、アート活動や情報発信などなんでも構いません。
あなたがやりたかったことを実現し、持続的な幸せ(ウェルビーイング)を実現させる生き方が「半農半X」なのです。
参考:半農半Xで農業と仕事を両立!始め方とメリットデメリットを徹底解説
半農半X体験ツアーを実施
鳴門市では、2023年の5月に「半農半X体験ツアー」を実施しました。参加者は2週間にわたり数部屋に分かれて共同生活を送りながら、農園で午前か午後の約4時間、農作業の手伝いを通じて農業を体験し、収入を得ながら移住の具体的イメージをつかんでもらう内容です。1日の残り時間は自由時間となり、地域の観光や買い物・趣味など、それぞれが好きなように過ごしてもらいます。もちろん、宿泊費や光熱費は無料です。
2週間という長期の体験ツアーであることが特徴で、じっくりと農業や鳴門市での生活に触れられることにより、移住後の「半農半X」のイメージが明確になるため非常に好評を得ています。今後はツアーをどんどん拡充し、「鳴門金時」など鳴門市の特産品を中心とした農業体験をおこなう予定です。
少しでも「半農半X」に興味をもたれたようでしたら、ぜひ、内容をチェックしてみてはいかがでしょうか?実際に収入を得られながら移住体験できるのは貴重な経験といえるでしょう。
JAによる収穫体験プログラムや農業アルバイトの求人がある
鳴門市ではJAが主催する「芋掘り体験」や「レンコン掘り体験」といった収穫体験プログラムもおこなっています。「半農半X」を体験してみたいけど、2週間の休みが取れないという方は、このような1日だけのプログラムに一度参加してみるのもいいかもしれません。気軽に参加できるので、とりあえず土に触れてみたい、という方にもおすすめといえそうです。
また、鳴門市には農業アルバイトも多く、移住後は農業アルバイトに従事するのも「半農半X」実現の1つの方法ともいえそうです。野菜や果物の収穫や仕分けといったさまざまな仕事があり、自分で農業をはじめるのに不安がある方は、アルバイトからはじめるのがいいかもしれませんね。
徳島県鳴門市の魅力3選
徳島県鳴門市には、他の移住先にはない独自の魅力がいっぱいです。ここからは、徳島県鳴門市の魅力に迫ります!ぜひご覧ください!
世界最大級の渦潮が発生し多くの観光客が押し寄せる
鳴門市でまず思い浮かべるのが「渦潮」でしょう。渦潮が発生する「鳴門海峡」は、イタリア「メッシーナ海峡」、カナダ「セイモア海峡」とならぶ世界三大潮流といわれ、春と秋の大潮時に最大直径20~30mにも達する渦潮は「世界最大級」を誇ります。
世界一の渦潮は鳴門市の一大観光資源となり、間近で体感できる観光船や真上から見られる海上遊歩道など観光スポットも充実し、全国各地から訪れる多くの観光客でにぎわっています。また、渦潮に揉まれ身が引き締まった「鳴門鯛」をはじめとした海の幸も豊富で、この「世界三大潮流」で穫れた新鮮な魚介類をふんだんに楽しめることも強みといえるでしょう。
鳴門市といえばやはり「渦潮」です。移住の際は必ず体験することを強くおすすめします!
徳島の東の玄関口として栄えている
鳴門市は徳島県および四国の東端、関西方面の玄関口として栄えていることも魅力です。関西方面から四国へ訪れる人が必ずといってもよいほど鳴門市を経由し、観光地であることも手伝って街全体ににぎわいや活気を感じられます。
市内中心部は多くのカフェや飲食店が軒を連ね、スーパー・コンビニ・総合病院など生活インフラは充実しておりとても便利です。Jリーグ「徳島ヴォルティス」のホームスタジアムである「ポカリスエットスタジアム」も鳴門駅から南東へ2kmほどにあり、週末はサッカー観戦で盛り上がりをみせます。
徳島県および四国の東の玄関口として多くの人が行き交い、鳴門市自体にも数多くの観光資源を抱えていることから、人口約55,000人の街とは思えないほど栄えていることが魅力といえそうですね。
大塚国際美術館がありさまざまなアートに触れることができる
鳴門市の全国的に有名なスポットとして「大塚国際美術館」が挙げられます。西洋の名画約1,000点を「陶板」で原寸大に再現した美術館で、日本最大級の常設展示スペースを有し、日本にいながら世界の美術・芸術を体感できることが特徴です。数々の芸術作品を原寸大で再現したことによって得られる圧倒的な迫力や世界観は、他の美術館とは一線を画す唯一無二の存在といっても過言ではないでしょう。
また、大塚国際美術館は鳴門海峡の入り口近くにあることから、美術館から鳴門の渦潮見学といった贅沢な観光体験ができることも魅力といえそうです。
徳島県鳴門市のデメリット3選
徳島県鳴門市への移住には大きな魅力がある一方、デメリットも少なからずあります。ここからは、移住へのデメリットも紹介します。移住後に「こんなはずじゃなかった!」とならないよう、メリットとあわせてご覧ください。
バスや電車の本数が少ない
鳴門市は、人口約55,000人の小さな街です。決して都会というわけではないため、当然バスや電車の本数は少なくなっております。「JR高徳線」「JR鳴門線」の2路線を利用できるものの、中心駅であるJR鳴門線「鳴門駅」は、基本的に1時間に1本しか電車が来ません。路線バスも同様のため、公共交通機関を利用した移動は不便さを感じるでしょう。よく地方移住には車が不可欠といわれますが、鳴門市移住においても必要といえそうです。
本州に出る際は明石海峡大橋の通行料がかかる
四国と関西を結ぶ玄関口である鳴門市は、車で神戸まで約1時間・大阪まで約2時間でアクセスできることが大きな魅力です。ただし、淡路島と本州を結ぶ神戸淡路鳴門自動車道の「明石海峡大橋」は通行料がかかることに注意しましょう。正確には「通行料」が別途必要ではなく、橋を通過する両端の「淡路IC」と「垂水IC」の高速道路料金に含まれている、ということになります。
淡路IC~垂水ICの通行料金
軽自動車等 | 普通車 | |
---|---|---|
現金車(非ETC車)料金 | 1,940 | 2,410 |
ETC料金(平日) | 760 | 910 |
ETC料金(休日) | 760 | 910 |
海が近いためベタベタとした潮風が吹くことがある
海に近い移住先の全般的なデメリットとして、ベタベタとした潮風が吹くことが挙げられます。塩分を含んだ海水が蒸発し流れてくることで、夏場などは特にベタベタすると感じるかもしれません。また、「塩害」にも注意が必要です。長期間、海の近くに車や自転車などを置いておくと金属部分が腐食しはじめます。これらは、こまめな水洗いやコーティング等で防げますが、対策の手間が必要であることを事前に理解しておきましょう。
徳島県鳴門市移住で利用できる補助金・支援金、サービス
ここからは、徳島県鳴門市移住で利用できる補助金・支援金、サービスを紹介します!これらをうまく活用し、少しでもお得に移住を叶えましょう。各支援によって要件等がちがうため、詳細はリンク先をご覧ください。
最大100万円!鳴門市わくわく移住支援制度
東京圏から鳴門市に移住し一定の要件を満たした方に、2人以上の世帯の方は100万円、単身世帯の方は60万円を交付する大変お得な支援事業です。要件等がやや複雑なため概要のみの説明となりますが、該当する方はぜひ申請しましょう。
【移住元の要件】
鳴門市へ住民票を移す直前10年間のうち、通算5年以上かつ直前1年以上、東京23区内に在住または東京23区内へ勤務していた方が対象です。ただし、東京23区内の大学等へ通学し、東京23区内の企業等へ就職した方については、通学期間も本事業の移住元としての対象期間とみなされます。
【就職や起業・テレワークに関する要件(一部抜粋)】
- 徳島県移住支援金対象マッチングサイトに掲載されている法人へ就職すること。
- 「プロフェッショナル人材事業」または「先導的マッチング事業」で就業した方。
- 所属先企業の命令ではなく、自己の意思によるテレワーク移住者で、移住先を生活の本拠とし移住元での業務を引き続きおこなう方。
- 申請日から1年以内に徳島県が実施する創業支援事業にかかる創業支援補助金の交付決定を受けていること。
参考:ジョブナビとくしま(移住支援金対象求人)
【補助金の額】
- 単身世帯 60万円</li>
- 2人以上の世帯 100万円
参考:鳴門市わくわく移住支援制度
問い合わせ先:鳴門市 移住交流支援センター(商工政策課内)
3,000円/1泊!鳴門市お試し滞在助成制度
鳴門市への定住を目的として、住居または仕事を探す活動等をおこなう方に対して、鳴門市での宿泊に要する経費の一部を助成する支援制度です。移住前に、鳴門市へ宿泊をともなった下見に行く場合は必ず申請しましょう。
【助成の対象活動】
- 鳴門市への定住等を目的として、市内で住居または仕事を探す活動
- 鳴門市への定住等を目的として、市内の地域情報を収集する活動
【助成の対象施設】
旅館業法の規定による許可を受けたホテル・旅館・簡易宿所
【助成額】
1泊につき1人3,000円
※同行者は2名まで、小学生未満を除く。各助成対象者につき10泊まで
参考:鳴門市お試し滞在助成制度
問い合わせ先:鳴門市 移住交流支援センター(商工政策課内)
最大100万円!なると定住促進住宅取得補助金
若者の移住定住促進のために、鳴門市内で住宅を建築または購入した世帯を対象に、最大100万円を支援する制度です。中古住宅も対象となるので、移住を機に住宅を建築・購入予定の方は、ぜひご活用ください。
【対象住宅】
鳴門市内に建築され、令和5年4月1日以降に所有権の保存、または移転の登記がされた住宅。
- 新築住宅のみの要件
公共工事などにともなう移転補償により取得したものではないこと - 中古住宅のみの要件
昭和56年6月1日以降に建築された住宅であり、建物の取得額が100万円以上(消費税および地方消費税のぞく)であること
【対象者】
住宅にかかる工事請負契約または売買契約の締結日時点で、夫婦またはパートナーのいずれかが39歳以下である方で、以下の要件(一部抜粋)を満たすことが必要です。
- 対象住宅において鳴門市の住民票に登録があること
- 鳴門市において10年以上居住する意思をもっていること
- 過去にこの補助金を受けていないこと
【補助金額】
基本額と加算額を組み合わせ、最大100万円まで
〈基本額〉
- 新築住宅 30万円
- 中古住宅 20万円
〈加算額(一部抜粋)〉
- 15歳以下の子ども1人あたり 10万円
- 市内業者で住宅を建築または購入 20万円
- 住宅取得をきっかけとして鳴門市へ転入 20万円
- 居住誘導区域内で住宅を取得 10万円
参考:なると定住促進住宅取得補助金
問い合わせ先:鳴門市企画総務部 戦略企画課
徳島県鳴門市の情報を収集する際に便利なサイト3選
最後に、徳島県鳴門市の情報を収集する際に便利なサイトを3つ紹介します!
NARUTO 3RD
「NARUTO 3RD」は、鳴門市の移住・定住支援ポータルサイトです。市が推進する半農半Xの紹介から、鳴門市の特徴や魅力など、移住希望者が必要としている情報をあますことなく紹介しています。実際に半農半Xを実現された先輩移住者のインタビューも豊富で、鳴門市移住はもちろん、半農半Xに興味のある方にとっても大いに参考になるでしょう。
鳴門市移住を検討中の方は、まずこちらのサイトを必ずチェックしましょう。
参考:NARUTO 3RD
住んでみんで徳島で!
「住んでみんで徳島で!」は、徳島県の移住交流ポータルサイトです。こちらは徳島県全体の移住情報を取り扱うサイトで、県全体の魅力や特徴・仕事や住まいなど、幅広く紹介しています。各地方の特徴も紹介することで鳴門市とのちがいを比較できるため、興味深いサイトといえそうです。
鳴門市移住・定住支援ポータルサイト「NARUTO 3RD」とあわせて、こちらもぜひご覧ください。
参考:住んでみんで徳島で!
鳴門市うずしお観光協会
「鳴門市うずしお観光協会」は、鳴門市観光協会公式の観光サイトです。鳴門市といえば「渦潮」「阿波おどり」が有名ですが、それ以外にも見どころはたくさんあり、わかりやすく紹介しています。グルメ・イベント・特産品などの情報も豊富で、鳴門市での移住生活を楽しむうえで欠かせないサイトといえそうです。
参考:鳴門市うずしお観光協会
徳島県鳴門市の魅力を知って移住を検討しよう
世界最大級の渦潮や大塚国際美術館といった見どころたくさんの徳島県鳴門市は、話題の「半農半X」を推進する移住先として注目されています。自分らしさを追求することが重要視される現代において、持続可能な幸せを実現できることは、多くの移住希望者の「夢」といえるのかもしれません。
徳島県鳴門市の魅力を知って、あなたもぜひ移住を検討しましょう!
※内容は2023年5月執筆時のものです。