静岡県中部に位置する焼津市は、駿河湾に面する港町です。焼津市には、日本有数の漁港である焼津漁港があり、新鮮な魚介類が手に入ります。一方、北部には山間部もあるので、海と山どちらも自然も楽しめます。
また焼津市は、新幹線停車駅のある静岡市に隣接し東名高速道路も通っているので、都心へのアクセスが良好な街として近年移住人気が高まっています。
そこで今回は、焼津市への移住を考える人向けに、焼津市の魅力や移住する時の注意点、移住する時に使える制度や情報源を紹介します。
焼津市が移住先として人気の理由3選
ここからは焼津市が移住先として人気の理由を3点紹介します。
全国的に有名な漁港の焼津港があり新鮮な魚介が手に入る
焼津市には、焼津港、小川港、大井川港の3つの漁港があります。特に、焼津港は水揚げ金額が7年連続全国1位、水揚げ量は全国3位の日本有数の漁港です。特にマグロ漁が盛んで、漁獲量は日本一を誇ります。マグロ以外にもカツオやサバ、アジといった一般的に親しまれている魚の漁獲量が多いです。港や駅周辺には、獲れたての魚を楽しめる飲食店や居酒屋が多くあります。魚好きの人にとっては最高の環境でしょう。
海だけでなく山岳地帯もありハイキングを楽しめる
焼津市の北部にある静岡市との境界付近には山地が広がっています。「笛吹段公園」は、高草山の山頂まで行く途中にある展望公園で、眼下には駿河湾と焼津市街が広がります。また、奈良時代の東海道と言われる「やきつべの小径」の途中にある「花沢の里」は江戸時代から続く山村集落です。風情ある石垣と板張りの建物が並ぶ光景から、静岡県で初めて国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。集落は、花沢山のハイキングコースにもなっているため、興味のある人は寄ってみると良いでしょう。
東海道新幹線停車駅の静岡駅まで近く東京、名古屋へのアクセスが良い
焼津駅からは、東海道新幹線の停車駅である静岡駅まで約13分で行くことが可能です。静岡駅からはひかりで約57分で東京駅に着きます。乗り換え時間を含めると、最短で約1時間半あれば都心まで行けるので便利です。また、名古屋駅も約1時間17分で行けます。定期的に出勤が必要な人や、出張の多い人におすすめです。
焼津市移住のデメリット3選
焼津市への移住には、デメリットもあります。問題点も知ったうえで、移住するか検討してみましょう。
海が近いため津波のリスクがある
焼津市では、南海トラフ巨大地震が発生した際に最短2分で津波が来ることが予想されています。そのため市内各所の3階建て以上の建物は津波発生時の緊急避難場所になっているので、逃げ込むことが可能です。津波避難タワーも5基あるので、海沿いに住みたいけど津波が心配な人は、タワーの近くに住むのが良いでしょう。
交通インフラが乏しく車がないと移動が困難
焼津市内で利用可能な公共交通はJR東海道本線か静鉄バス、焼津市自主運行バスがありますが、都心に比較すると本数が少ないです。焼津市自主運行は市内の隅々まで走っていますが、7〜18時しか走っておらず、1〜2時間につき1本しかありません。お買い物やお出かけには車があった方が便利でしょう。
潮風で車が錆びることがある
焼津市は沿岸部に位置しているので、塩害に注意が必要です。塩害で特に深刻なのがサビによる被害です。車や自転車が錆びてしまうことがあるので、車庫や室内に入れるかカバーで隠すなど対策しましょう。また、室外機や給湯器も塩害の影響を受けて、壊れるのが通常より早い時があります。こまめに水拭きするなど、しっかりメンテナンスをして長持ちするようにしましょう。
焼津市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
移住をする際、焼津市ではどのような補助金・支援金、サービスがあるのでしょうか。ここからは代表的なものを3点紹介します。
上限100万円!子育て世帯移住定住応援事業(通称:YAIJU)
市外から焼津市に転入する子育て世帯が、一般保留地(焼津市または土地区画整理組合が販売する土地)を購入し住宅を新築した場合または、市内の中古住宅を購入した場合に補助金が交付されます。補助額は新築の場合、一般保留地購入価格の10分の1で上限100万円です。中古住宅の場合、基本額は20万円です。
夫婦の場合、中学生以下の子どもがいて夫婦ともに40歳以下が対象です。一人親の場合、中学生以下の子どもがいる人が対象です。
詳しくは焼津市ホームページをご確認ください。
参考:子育て世帯移住定住応援事業(通称:YAIJU)
もしものときも安心!子ども医療費助成
焼津市では子どもが病気や怪我をした場合、入院や通院など医療費の助成を行っています。対象者は、焼津市に住所がある0〜18歳(18歳到達後の最初の3月31日まで)の子どもがいる保護者です。但し子どもと保護者が同じ健康保険に加入している必要があります。対象になった場合、入院と通院にかかる自己負担金はありません。事前に「子ども医療費受給者証」の発行が必要です。
詳しくは焼津市ホームページをご確認ください。
参考:子ども医療費助成
子育て世代は1人につき100万円の加算金あり!移住・就業支援
焼津市に移住し、静岡県が選定した中小企業に就職または起業、関係人口とみなされた人に補助金が交付されます。他にも、プロフェッショナル人材事業または扇動的マッチング事業を利用して就業した人、移住元からしていたテレワークを引き続き続ける人、過去に5年間焼津市に住民票があった人で就業または起業した人、移住前に焼津市にふるさと納税を3回以上した人も対象者になります。補助額は、世帯の場合は1世帯につき100万円、単身の場合は1人につき60万円です。交付対象者は、移住等に関する要件を満たす必要があります。
詳しくは焼津市ホームページをご確認ください。
参考:移住・就業支援金
焼津市移住でおすすめのエリア3選
焼津市ではどのようなエリアが居住エリアとして人気なのでしょうか。3エリアをピックアップしましたので、ご紹介します。
新幹線をよく利用するなら「焼津駅周辺地区」
新幹線を定期的に利用するなら焼津駅周辺がおすすめです。東海道線に乗り、静岡駅で乗り換えれば都心まで東海道新幹線1本でアクセス可能です。また日常のお買い物は、「KOマート焼津駅北店」や駅直結の「ウェルシア焼津駅店」があるので便利です。南口には飲食店や居酒屋が多いので、外食やお酒が好きな人におすすめのエリアです。
美しい海の景色を楽しみたいなら海岸線の「渚地区」
海近くの生活を満喫したいなら、海岸線沿いのエリアがおすすめです。「和田浜海岸」は富士山が見える人気のビーチです。特に元日には初日の出を見に多くの人が訪れます。また「石津浜公園」や「原浜チビッコ広場」のような子供が遊べる公園が沢山あります。プラネタリウムや星空観察会が開かれる「ディスカバリーパーク焼津 天文科学館」もおすすめです。近くには「イオン焼津店」もあるので買い物にも困りません。家族連れにおすすめのエリアです。
津波被害を避けるなら「北部地区」
津波を絶対に避けたいなら北部エリアがおすすめです。特に、東名高速道路の焼津インター周辺は、買い物スポットが充実しています。「焼津さかなセンター」では、新鮮な魚介類を購入することが可能です。「MEGAドン・キホーテUNY大覚寺店」や「スギ薬局 大覚寺店」も日用品の購入に便利です。
さらに、北部の「笛吹段公園」や「花沢の里」方面に行けば、ハイキングも楽しめます。車があった方が高速道路も使えて便利なエリアなので、運転が好きな人や身体を動かすのが好きな人におすすめです。
焼津市の情報を収集する際に便利なサイト3選
移住を検討する際、焼津市の情報はどのように収集したら良いかなかなかわからないですよね。ここからは焼津市の情報を収集する際に便利なサイトを3つピックアップしました。
やいづライフ
焼津市への移住者向け情報や、イベントに関して掲載されているサイトです。東京で開催される移住フェアや移住相談会の告知もあるので、首都圏から移住を検討している人も必見です。
参考:やいづライフ
移住・定住情報サイトゆとりすと静岡
静岡県全体の移住者に向けたサイトです。焼津市にIターンで移住した人のインタビューもあるので、移住を検討している人は読んでみると良いでしょう。求人情報も載っているので、仕事探しにもおすすめです。
焼津市観光協会
焼津市の観光情報が充実しているサイトです。観光マップも載っているので、移住前に下見をする人は、参考にして市内を観光するのがおすすめです。イベント情報も多く掲載されているので、移住後にも役に立つでしょう。
参考:焼津市観光協会
焼津市の魅力を知って移住を検討しよう
焼津市は、乗り換え1回で新幹線で都心に行けるアクセスの良さや、海に近く新鮮な魚介類が豊富なことから、移住場所として注目を集めるようになりました。
また焼津市内には、「航空自衛隊静浜基地」がある他に、近隣の牧之原市には「富士山静岡空港」があるので飛行機好きな人にもおすすめです。
一方、都市部と比べて電車やバスの本数が少なかったり、塩害で車などが傷みやすいなど、不便に感じることも多いでしょう。大津波がすぐに来るリスクもあるので、日頃から備えておく必要があります。
ですが、海や山でウォーキングやハイキングを楽しんだり、子供と一緒に遊んだりすれば、首都圏で生活していた時より健康的で充実した生活が送れるでしょう。新鮮な魚介類を使った料理のレパートリーを増やすのもおすすめです。
メリット、デメリットは有りますが、移住先として検討したい方は、まずは焼津市を訪れてみることをお勧めします。自分に合うかどうか確認したうえで、ぴったりの物件を探してみてはいかがでしょうか。