四国は晴れの日が多く、温暖な気候に恵まれた移住先です。瀬戸内海沿岸の海は穏やかで、大小さまざまな島を眺めながらのんびりとした移住生活が送れるでしょう。海・山・川・島どれも美しく、観光資源も豊富で食文化も非常に魅力的です。また、近年は移住先として注目度が高く、住みたい田舎全部門1位を獲得したのも、のちほど紹介する四国のとある街でした。
今回は、四国への移住に興味がある方に向けて、四国移住の魅力やデメリット、おすすめの移住先や物件の選び方などを紹介します!住めばわかる四国の良さ、ぜひあなたも移住を前向きに検討してみてはいかがでしょうか?
四国移住の魅力/メリット3選
最初に、四国移住の魅力とメリットについて紹介します!海・山・川の自然が充実した穏やかな環境が自慢です。四国に対するイメージがあまりない方は、まずこちらをご覧ください。
温暖な気候で暮らしやすい
四国移住の魅力として、温暖な気候で暮らしやすいことが挙げられます。移住先選びにおいて、気候が温暖で暮らしやすいことはとても重要です。四国4県(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)はいずれも年間平均気温が全国平均を上回っていることから、日々を穏やかにのんびりと過ごせるでしょう。
また、四国内でも瀬戸内海側は特に過ごしやすいといわれており、穏やかな瀬戸内海の雰囲気もあわさって、移住先としてとても人気です。気候特性がヨーロッパの地中海に似ていることから、香川県では国産オリーブの栽培も盛んにおこなわれています。温暖な気候のなかで、穏やかな瀬戸内海をのんびりと眺めながら、ゆったり送れる移住生活は最高ですね。
ただ、四国中央部を横断する四国山地は標高が高く、西日本最高峰の愛媛県「石鎚山(1982m)」や、徳島県「剣山(1955m)」などの周辺はとても気温が低くなります。そのため、山間部の広い範囲で、たびたび雪が積もることを知っておいたほうがよいでしょう。実は、四国移住の魅力を語るうえでココが「ポイント」となります。沿岸部は温暖な気候ながら、山間部では冬にスキーが楽しめるのです。あまり知られてはいませんが、四国内には複数のスキー場があり、多くの方が訪れています。
さらに、これら標高の高い山間部は、真夏には「避暑地」としても大活躍します。愛媛県と高知県の県境にある標高1,000~1,500mに広がる「四国カルスト」は、点在する白い石灰岩と牛の放牧も見どころの、ぜひ訪れていただきたい避暑地の1つです。
温暖な気候が人気の四国において、中央部にある四国山地で冬はスキー、夏は避暑地といった使い方ができることは、あまり語られない四国移住の大きな魅力といえるでしょう。
海の幸も山の幸も豊富で魅力的な食文化がある
四国は周囲を海に囲まれ、内陸部は山が大部分を占めています。豊かな自然を背景に海の幸・山の幸が豊富なことも魅力です。さらに、山が大部分を占めることによって、歴史的にたくさんの街道が整備されていた本州とちがい人の往来があまり多くなかったため、四国4県はそれぞれ独自の文化が発展してきました。なかでも食文化においては各地で大きなちがいや魅力的な特徴があります。
徳島県は、鳴門の渦潮に揉まれ身の引き締まったハモやブランド鯛である「鳴門鯛」などの魚介類、近年では3種類のスープや豚バラ・生卵トッピングが特徴のソウルフード「徳島ラーメン」が非常に有名です。また、「すだち」の生産量が全国1位であることから、香り豊かなすだちをふんだんに使った贅沢な料理も数多く食べられます。石焼き芋にもよく使用される「なると金時」をはじめとした農業も盛んで、海の幸と山の幸の両方が充実していることが大きな特徴といえるでしょう。
香川県は、いわずとしれた「うどん県」として、讃岐うどんが非常に有名です。県内のいたるところにうどん店がひしめき合い、それぞれ特徴ある本場の讃岐うどんが食べられます。6時や7時といった朝早い時間から営業している「朝うどん」のお店も多く、香川県独自の文化といえるでしょう。また、国産オリーブのシェア約90%・生産量ダントツ日本一であることから、オリーブオイルが特産品となっており、その品質は世界から高く評価されています。オリーブ採油後の果実を食べて育った黒毛和牛「オリーブ牛」も、ぜひ味わっていただきたい自慢の特産品です。
愛媛県といえば、やはり「みかん」が有名です。日当たりの良い山間部や丘陵地を中心に広がるみかん畑は、愛媛県ならではの光景といえます。数多くの品種を開発し、皮が薄くゼリーのような食感が特徴の「紅まどんな」などは、高級な贈答用フルーツとして大人気です。愛媛県は、南部の宇和島市を中心にマダイの養殖が日本一であることから「鯛めし」も有名で、愛媛移住の際は必ず食べていただきたい郷土料理といえるでしょう。
高知県のグルメというと、多くの方が「カツオの一本釣り」をイメージします。黒潮の流れに乗って春と秋にそれぞれ旬を迎え、「初鰹」の春は脂が少なくサッパリしているため「タタキ」で、「戻り鰹」の秋は脂が乗ってやわらかな味わいのため「刺し身」が最高です。漁港近くの市場では、ワラ焼きによるタタキの実演もおこなわれているなど、ぜひ体験していただきたい高知移住の醍醐味といえるでしょう。また、高知県ではタタキをポン酢ではなく塩とスライスしたニンニクで食べることも多く、新鮮だからこそ可能な「塩タタキ」をぜひ現地で味わってみてください。
四国へ移住することで、各県それぞれに特徴ある豊富な山の幸・海の幸を楽しめます。魅力的な食文化は移住生活の満足度に直結するため、ぜひとも押さえておきたいポイントといえそうですね。
人口密度が低くどのかで穏やかな暮らしができる
四国は比較的人口密度が低くのどかなため、穏やかな暮らしができることも魅力といえます。もちろん、田舎であれば全国各地でのんびりとした穏やかな暮らしは可能です。四国移住の魅力・メリットとして特筆すべきは、県庁所在地を含む都市部であってもゴミゴミしておらず、ちょうどいい距離感・密度であるため生活がしやすい点といえるでしょう。自然に囲まれた田舎はもちろん、都市部であっても余裕のある暮らしが送れるのです。
東京や大阪のような大都市の利便性はありません。しかし、日常生活における利便性をある程度確保しながら、のどかで穏やかな移住生活を送れることが四国移住の魅力でありメリットといえるのです。
四国移住で困ること/デメリット3選
つづいて、四国移住のデメリットにも着目していきましょう。メリットだけでなくデメリットを知ることこそ、移住成功の秘訣といっても過言ではありません。メリットとあわせてご覧ください。
都市部と比較し就業先の選択肢が少なくなる
地方移住の宿命といえるのが、東京や大阪といった都市部と比較して就業先の選択肢が少なくなることです。リモートワークやフリーランスの方などであれば問題ありませんが、そうでない場合は、移住先候補地に希望する業種の就業先があるか事前に調べておきましょう。
ほとんどの場合、各自治体の役所に移住・定住をサポートしてくれる部署があるので、そういった部署に仕事の相談をしてみるのがいいかもしれません。移住者獲得に力を入れている自治体などでは、就職相談や就業先の紹介などもおこなっているので、ぜひ活用してください。
地域コミュニティへの関わり方が都会と異なる
地域コミュニティの関わり方が都会と異なることもデメリットといえるかもしれません。人口が少ない地域では、人と人とのつながりを大切にしなければ、いざというときになにもできなくなってしまいます。
地方独特の地域コミュニティはたしかに存在するものの、特に難しく考える必要はありません。笑顔であいさつをおこない、地域の行事があれば参加できる範囲で積極的に参加する。地域の人たちに対して、敬意をもってオープンマインドで接することができればそれでOKです。
本州への移動は海を渡る必要があり交通費が高くなる
四国移住で困ることとして最たるものが、本州への移動です。海を渡る必要があり、車の場合は通行料金が必要な「瀬戸大橋」や「明石海峡大橋」、「しまなみ海道」を渡らなければならないため交通費が高くなります。用事などで頻繁に本州へ渡る必要がある方は注意しましょう。
また、電車で本州へ行くルートは香川県と岡山県を結ぶ瀬戸大橋経由が唯一のため、あまり利便性は高くありません。新幹線の利用も、瀬戸大橋を渡ってJR岡山駅で乗り換える必要があり、香川県以外に移住した場合、JR岡山駅へ向かうだけでかなりの時間がかかります。料金も、飛行機の「早割」やLCCなどを活用すればほとんど変わらないため、名古屋より東へ行く場合、時間的・経済的には飛行機がもっとも便利といえそうです。
おすすめの四国移住先3選
それでは、四国のおすすめ移住先を3つ紹介します!それぞれオンリーワンの魅力あふれる移住先ばかりです。理想とする移住生活を送るためにも、ぜひ参考にしてください。
四国の玄関口!徳島県鳴門市
最初に紹介するおすすめの四国移住先は、四国の東端「徳島県鳴門市」です!渦潮と阿波おどりが有名な徳島県鳴門市は、四国と淡路島~本州を結ぶ玄関口として車やバスで神戸まで約1時間、大阪まで約2時間、東京へも飛行機で約1時間程度というアクセスの良さを誇る移住先です。
小規模な農業を営みながら、同時に自分の好きなことや得意なことで社会に貢献する新しいライフスタイル、「半農半X」を協力に推進していることでも有名で、多くの方があらたな人生を開拓すべく鳴門市へ移住しています。
観光資源も非常に豊富です。直径20~30mに達する渦潮を間近で体験できる、世界3大潮流の1つ「鳴門海峡」をはじめ、西洋の名画約1,000点を陶板で原寸大に再現した「大塚国際美術館」も鳴門市にあります。人口約55,000人の小さな街でありながら、四国と本州を結ぶ玄関口として人の往来が盛んなため、街全体ににぎわいや活気を感じられることも魅力といえるでしょう。
半農半X体験ツアーや、お試し滞在助成制度といった移住支援も充実しているので、ぜひ興味のある方は、下記リンクから詳細をご覧ください!
参考:【徳島県】鳴門市へ「半農半X」移住しよう!四国の玄関口・世界最大級の渦潮の街で新たな移住スタイルを
住みたい田舎全部門1位!愛媛県今治市
つづいて紹介するのは、住みたい田舎全部門1位に輝いた「愛媛県今治市」です!瀬戸内海西側に位置し、広島県へとつづく美しい「しまなみ海道」、戦国武将・藤堂高虎によって築城された「今治城」、「今治タオル」や「造船」の街としても有名です。
宝島社の月刊誌「田舎暮らしの本」で「2023年度版 住みたい田舎ベストランキング」全部門・全国1位を獲得したことは記憶に新しく、温暖な気候・美しい島の風景・雇用の充実などが多角的に評価された結果といわれています。子育て支援も非常に充実していることから、ファミリー世帯を中心に移住者が増えており、安心して子育てできることは大きなメリットといえるでしょう。
今治市の最大の魅力といえば、やはり「しまなみ海道」です。広島県尾道市までつづく全長約60kmの自動車専用道路は、瀬戸内海とそこに浮かぶ島々の緑のコントラストが素晴らしく、多くの観光客が訪れます。「世界7大サイクリングロード」の1つとしてサイクリングの聖地ともなっており、世界中からサイクリストが集まっていることも特徴です。
「住みたい田舎」全部門1位の今治市は、移住生活におけるさまざまなニーズを高いレベルで満たしています。ぜひ移住先候補として、リンク先をチェックしておきましょう!
参考:【愛媛県】「住みたい田舎」全部門1位の今治市へ移住!しまなみ海道の絶景は必見!魅力を徹底解説!
海・山・川が楽しめる自然豊かな環境!高知県
最後に紹介するのは、海・山・川すべてが楽しめる自然豊かな「高知県」です!太平洋に面する高知県は、その豊かな自然環境が最大の魅力といえるでしょう。四国でもっとも年間を通して気候が温暖であり、カツオをはじめとした海産物も有名です。
高知県内でも特に人気がある「柏島」では、エメラルドグリーンに輝く透明度の高い海でのダイビングや、イルカの群れやクジラを間近で見られるホエールウオッチングも楽しめます。日本最後の清流といわれる「四万十川」や、日本トップクラスの透明度を誇り「仁淀ブルー」の代名詞で有名な「仁淀川」では、カヌーやカヤックなども盛んです。
また、高岡郡には平野が一望できる「虚空蔵山観光農園フルーツランド」や、森林セラピーロードに認定された「天狗高原」の遊歩道などがあり、キャンプをはじめ家族で楽しめる山のアクティビティも充実しています。
雄大な自然のなか、海・山・川でのんびりと田舎暮らしをしたい方に高知県は最適な移住先といえそうですね。
参考:高知県への移住はメリットがたくさん!支援やおすすめの地域を解説
四国移住で失敗しない物件の選び方3選
移住生活そのものを左右する物件選びはなによりも重要です。ここからは、移住後に後悔しないためにも、失敗しない物件の選び方を3つ紹介します!理想的な四国移住を実現させるべく、これらを踏まえて物件選びをおこないましょう。
短期移住制度がある場合は利用して移住体験をしてみる
移住を失敗しないためには、必ず現地へ下見へ行き実際に数日間生活することが大切です。できれば複数回現地を訪れましょう。自治体によっては短期移住制度もあり、活用することで宿泊代の補助やイベント・相談会などへの参加も可能です。
複数回現地を訪れることにより、それまで見えてこなかった部分が見えてきます。想像していたことより良かったこと、良くなかったことさまざまです。せっかくの四国移住を失敗しないためにも、短期移住制度がある場合は、活用して実際の生活を体験しましょう。
ハザードマップを確認し安全なエリアを選定する
自然災害の多い日本では、物件選びの段階で自然災害に備えておく必要があります。移住先候補の自治体HPを閲覧し、各種ハザードマップを確認して安全なエリアを選定しましょう。また、過去数十年の間にどのような災害が起きていたのかということを調べておくことも重要です。
特に、高知県南部などは台風の通り道になりやすい傾向があります。また、太平洋側は津波被害も想定されるので、災害が起こった際の避難場所や、そこへ行くまでの距離などを事前にしっかりと調べておきましょう。
移住関連のイベントに参加し情報交換をする
移住関連のイベントに参加して情報交換することも大切です。移住関連イベントに参加することで地域の人々とのつながりが生まれます。移住前から交流を深めておくことで、移住時もスムーズに地域社会に溶け込め、満足度の高い移住生活が送れるようになるでしょう。
また、逆もしかりです。イベントに参加して「ちょっとちがうかな」と思った場合は引き返すことができるので、四国移住で失敗を回避するためにも、ぜひ移住関連のイベントに参加することをおすすめします。
四国の情報を収集する際に便利なサイト3選
最後に、四国の情報を収集する際に便利なサイトを3つ紹介します!語り尽くせない四国の魅力を深掘りできるサイトばかりです。ぜひ、これらのサイトも参考にしながら理想の四国移住を叶えましょう!
ツーリズム四国
「ツーリズム四国」は、四国地方の官民が一体となって運営している四国ツーリズム創造機構の公式サイトとして、四国4県の魅力を国内外に発信しています。県ごとにコンテンツが分かれているため調べ物もしやすく、それぞれの有名観光地や自然豊かなスポット、グルメ情報などを簡単に検索できることが特徴です。
四国の魅力を知るのにとても役立つサイトといえるので、こちらのサイトは必ずチェックしておきましょう。
参考:ツーリズム四国
JR四国
「JR四国」公式サイトも、四国移住の情報収集にとても役立つサイトです。四国各県には観光列車といわれる、美しい景色を眺めながらのんびり走る専用列車があり、なかには食事まで提供されるものもあります。沿線情報だけでなく、これら四国全域の観光列車を紹介しているので、見ているだけで楽しいサイトといえるでしょう。
また、四国にある鉄道駅周辺のフォトスポットも紹介されており、実際に撮影された写真を通じて現地の雰囲気を感じ取ることもできそうです。
参考:JR四国
四国のみちガイド
「四国のみちガイド」は、四国内を網羅する全長1545.6kmの自然歩道を紹介するサイトです。四国のみちを歩くことで、瀬戸内海の島々が浮かぶ海岸線沿いや四国山地を縦断する道・旧街道・四国八十八ヶ所巡りのへんろ道といった、多種多様な自然・歴史・文化に触れられる貴重な体験となるでしょう。
各県内コースまたは、四国全コースを踏破することで認定証を交付してもらえるため、移住後にじっくりと時間をかけてチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
参考:四国のみちガイド
四国には魅力ある移住先がいっぱい!魅力を把握し移住を検討しよう
四国4県(徳島県・香川県・愛媛県・高知県)はそれぞれ異なった特色があり、魅力的な移住先にあふれています。温暖な気候のもと、海・山・川・島すべて美しくそのどれもが充実しており、観光資源や食文化にも恵まれていることから、あなたの理想とする移住生活がきっと叶えられるでしょう。
魅力ある四国の移住先をたくさん知って、ぜひ前向きに移住を検討しましょう!
※内容は2023年8月執筆時のものです。