愛媛県西予市は、海・里・山の自然と歴史にあふれ、「四国西予ジオパーク」として壮大な景観が広がる、日本でも数少ない移住先です。海抜0メートルから1,400mの標高差のなかに、リアス式海岸・盆地・河成段丘・カルスト台地などさまざまな地形が存在する、愛媛県でも特別な場所といえるかもしれません。また、これら自然の恵みを受けた特産品も豊富にあり、食を楽しめることも強みといえるでしょう。
今回は、愛媛県西予市への移住に興味がある方に向けて、魅力やメリット・デメリット、おすすめエリア、利用できる補助金やサービスなどを紹介します!とにかく自然が美しい「奇跡のジオパーク」西予市へ、ぜひ移住を検討しましょう!
西予市移住の魅力/メリット3選
まずは、西予市移住の魅力やメリットを3つ紹介します!自然が美しい西予市の魅力を知って、ぜひ移住を前向きに検討しましょう。
日本ジオパークの認定を受けた山と海の自然両方が楽しめる
西予市は「四国西予ジオパーク」として、日本ジオパークの認定を受けた美しい山と海の自然両方を楽しめることが魅力です。宇和海のリアス式海岸をはじめ、4億年以上前の岩石をふくんだ黒瀬川構造帯という特異な地層をもつ原始の自然の姿は、感動的な景観となり観る人すべての心を打ちつづけます。
美しいその地形や自然の景観は、ぜひ移住して体験していただきたい西予市最大の魅力といえるでしょう。日本百名洞に数えられる四国最大級の鍾乳洞「羅漢穴」や、白い石灰岩が点在する標高1,100mの高原「四国カルスト 大野ヶ原」といった山の景色も印象的で、多くの観光客が訪れます。
「四国西予ジオパーク」の西予市は、海と山の両方が飛び抜けて美しい稀有な移住先といえるのです。
江戸時代より宿場町として栄え歴史的な景観が残っている
西予市の中心地である卯之町エリアは、江戸時代より宇和島街道の宿場町・宇和島藩の在郷町として栄え、歴史的な景観が残っていることも魅力といえます。白壁・うだつ・出格子といった伝統的な美しい街並みがつづき、重要伝統的建造物群保存地区に認定されたことで西予市随一の観光地となりました。古い町並みを少し歩けば、まるで江戸時代にタイムトリップしたかのような錯覚を覚えるくらいです。
明治期に建てられた擬洋風建築である国の重要文化財「開明学校」をはじめ、歴史的に価値のある建物が数多く現存する卯之町エリアは、西予市へ移住した際に必ず訪れるべきスポットといえるでしょう。
みかん・魚介類・米・畜産といった多様な特産品がある
西予市では山・田畑・海のそれぞれからとれた多様な特産品があることも魅力です。愛媛県の代名詞である「みかん」の他、米の栽培が盛んな宇和町では品評会で何度も金賞を受賞した、大粒でもっちりとした食感がおいしい「田力米」といった農産物が特産品として挙げられます。
海産物では、ちりめんじゃこや4種のハーブを使用した飼料で養殖した「ハーブ媛ひらめ」、さらに、野村地区は乳用牛の産出が愛媛県全体の約半分を占める、県下屈指の酪農地帯として有名です。これら豊かな自然から生み出された多様な特産品は、西予市移住の楽しみの1つといえそうですね。
西予市移住で困ること/デメリット3選
つづいて、西予市移住のデメリットにも着目していきたいと思います。移住先選びを失敗しないためにはデメリットを知ることが重要です。1つずつご覧ください。
市域に土砂災害のリスクがある地域が点在している
西予市は、平成30年7月の西日本豪雨の被災地でもあり、野村町栗木地区では大規模な地すべりが発生しました。また、令和2年7月の豪雨では須崎海岸で土砂崩れが発生するなど、市域に土砂災害のリスクがある地域が点在していることはデメリットといえるでしょう。
移住の際はハザードマップを確認し、少しでもリスクが低い場所を選ぶことが大切です。また、常日頃から災害に備え、防災グッズや非常食などの準備を怠らないようにしましょう。
参考:西予市ハザードマップ
生活するためには車が必要
西予市は市域のほとんどが農村地域のため、生活には車が必要です。JR予讃線が走っていますが、市域の一部しかカバーしておらず決して便利とはいえません。路線バスも同様で、本数が少なく行き先も限られているのが現状です。
また、市域の東側へ行く場合は、車がなければバスを乗り継いで行く以外に方法はなく不便さを感じるでしょう。そのため、西予市へ移住の際に車を所有していない方は、新たに購入することをおすすめします。
雪が積もりやすい地域があるため車の運転に注意が必要
西予市には雪が積もりやすい地域があるため、車の運転には注意が必要です。海沿いではめったに雪が積もることはないのですが、内陸部の野村町や宇和町などではまれに雪が積もります。
数年に一度の頻度ではあるものの、内陸部に移住する場合はタイヤチェーンや冬用タイヤを事前に準備しておいたほうがよいかもしれません。また、積雪時は高速道路が通行止めになることもあります。四国は温暖な気候のイメージがありますが、内陸部ではまれに積雪することを事前に知っておきましょう。
西予市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
ここからは、西予市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービスを紹介します!要件等はあるものの、少しでもお得な移住を実現させるため、該当する方はぜひご活用ください。
東京圏からの移住者は必見!最大100万円以上!移住支援金事業
東京23区に在住または通勤している方が西予市へ移住し、一定の就労要件等を満たすことで最大100万円以上を支給してくれる、とてもお得な移住支援事業です。要件等が複雑なため、詳細はリンク先を参照してください。
【移住元の要件(一部抜粋)】
- 東京23区(在住者または通勤者で期間等の要件あり)から西予市へ移住された方。
- 申請時において転入後3か月以上1年以内であること。
- 申請日から5年以上、西予市に継続して居住する意思を有していること。
【就業等に関する要件(一部抜粋)】
- 愛媛県求人マッチングサイト「あのこの愛媛」に移住支援金対象事業として掲載されている求人へ新規就業したこと。
- 所属先企業等からの命令ではなく自己の意志により移住し、移住後も所属先企業等の業務を引き続きおこなうこと。
- 「愛媛グローカルビジネス創出支援事業」による起業支援金の交付決定を1年以内に受けていること。
【補助金の額】
- 単身世帯 60万円
- 2人以上の世帯 100万円
※18歳未満の世帯員1人につき30万円を加算
参考:西予市移住支援金事業の実施について
問い合わせ先:西予市まちづくり推進課
上限400万円!西予市移住者住宅改修支援事業費補助金
西予市内の空き家を有効活用するため、空き家バンクに登録された空き家の改修費用の一部を補助します。移住の際、空き家に住む予定の方はぜひ活用してください。
【対象住宅】
以下に登録されている物件で、居住を目的に売買または賃貸借されたもの。
- 愛媛空き家バンク
- 西予市空き家情報登録制度
【補助対象経費】
移住者がおこなう住宅の改修や家財道具の搬出などに要する経費
【補助金の額】
住宅の改修工事
- 補助対象工事額(税抜き)の3分の2
上限額 働き手世帯:200万円 子育て世帯:400万円
家財道具の搬出等
- 家財道具の搬出・処分・清掃費(税抜き)の3分の2
上限額 20万円
参考:【令和5年度】西予市移住者住宅改修支援事業費補助金について
問い合わせ先:西予市まちづくり推進課
引越費用や住宅取得費などを補助!西予市結婚新生活支援事業
西予市では、経済的理由で結婚に踏み切れない世帯を対象に、新生活にかかるさまざまな費用の支援をおこなっています。結婚を機に西予市へ移住しようとする方は、ぜひ活用しましょう。
【補助対象経費】
婚姻にともなう以下の経費
- 住宅取得費用
- 住宅リフォーム費用
- 住宅賃貸借費用
- 引越し費用
【補助世帯】
令和5年3月1日から令和6年3月31日までの間に婚姻届を提出し受理された夫婦で、次の要件を満たす世帯。
- 夫婦ともに西予市内に居住し、転入または転居の届け出をしていること
- 夫婦ともに婚姻日における年齢が39歳以下
- 世帯所得500万円未満(世帯年収約670万円未満に相当)
【補助上限】
- 夫婦ともに29歳以下 最大60万円
- その他の場合 最大30万円
参考:【補助】婚姻に伴う住宅費用などを補助します
問い合わせ先:西予市子育て支援課
西予市移住でおすすめのエリア3選
西予市へ移住する際、どのあたりに住めばよいのでしょうか?移住styleおすすめのエリアを3つ紹介します!それぞれ特徴あるエリアばかりなので、叶えたいライフスタイルを考えながらご覧ください。
江戸時代の歴史的な景観が残る「卯之町駅周辺エリア」
最初におすすめするのは、江戸時代の歴史的な景観が残るJR予讃線「卯之町駅周辺エリア」です!卯之町駅周辺は、江戸時代より宇和島街道の宿場町・宇和島藩の在郷町として栄え、重要伝統的建造物群保存地区に認定されました。江戸時代から明治・大正期にかけての伝統的な建物が今も残り、歴史を感じさせる落ち着いた町並みを形成しています。
卯之町駅は西予市の中心駅として栄えており、周辺は市役所をはじめさまざまな商業施設もあり生活にもっとも便利なエリアです。伝統的な町並みとともに日常生活に不便さを感じさせないため、多くの方におすすめできるエリアといえるでしょう。
「卯之町駅」は、2022年11月に駅舎が建て替えられ、全国のJR駅で唯一「卯」のつく駅名から「うさぎ」をモチーフにしたことが話題となりました。木のぬくもりあふれる駅舎にも、ぜひ一度訪れてみてください。
山に囲まれのどかな田園風景で田舎暮らしがしたい方は「西予市野村町周辺エリア」
山に囲まれのどかな田園風景で田舎暮らしがしたい方は、「西予市野村町周辺エリア」がおすすめです!西予市の中部、四国カルストの急峻な山に囲まれた盆地である野村町は、のんびりとした雰囲気の農村地帯となっています。養蚕や酪農・畜産も盛んにおこなわれ、「ミルクとシルクのまち」として産業の活性化を図ってきました。
また、肱川の流路に沿って発達した階段状の河成段丘は、「四国西予ジオパーク」の見どころの1つとして見事な標高差を生んでいます。悠久の自然の歴史を感じさせてくれるのも、野村町の魅力といえるかもしれません。
のどかな田園風景が広がる「野村町周辺エリア」は、のんびりとした田舎暮らしがしたい方に最適なエリアといえるでしょう。石灰岩が広がる高原「四国カルスト 大野ヶ原」もおすすめです!
リアス式海岸が美しい海のそばで暮らしたい方は「西予市明浜町周辺エリア」
最後に紹介するのは、リアス式海岸が美しい「西予市明浜町周辺エリア」です!宇和海に面した明浜町は、「潮風とみかんと心ときめく町」をキャッチフレーズとし、温暖な気候とみかん畑が特徴です。リアス式海岸とともに白い砂浜の「大早津海水浴場」もあり、ダイビングやシーカヤックをはじめとした海のレジャーが盛んにおこなわれています。
また、複雑な海岸線の影響もあってか、1年をとおしてアジやグレなどのさまざまな魚が釣れる絶好の釣り場としても有名です。釣り好きの方はぜひ移住先候補にしてみてはいかがでしょうか?
「四国西予ジオパーク」の美しいリアス式海岸で夕日を眺めながら過ごす移住生活は、贅沢で貴重な体験といえるでしょう。すべての自然が美しい西予市において、海のそばで暮らしたい方は「西予市明浜町周辺エリア」がおすすめです!
西予市の情報を収集する際に便利なサイト3選
最後に、西予市の情報を収集する際に便利なサイトを3つ紹介します!移住へ向けてさらなる情報を知りたい方は、ぜひこれらのサイトも活用しましょう。
海里山の憧れ暮らし
「海里山の憧れ暮らし」は西予市公式の移住交流サイトです。「四国西予ジオパーク」に認定された西予市は、美しい地形や風景が自慢です。その「海里山」の魅力をふんだんに紹介し、移住希望者が知りたい各エリアの情報や仕事の情報も網羅されています。
風光明媚な写真がたくさんあり、見ているだけで楽しいサイトです。西予市への移住に興味のある方は、まずこちらのサイトを参考にしましょう。
参考:海里山の憧れ暮らし
西予市移住定住センター
「西予市移住定住センター」は、一般社団法人 西予市移住定住交流センターの公式サイトです。さまざまなプロモーションを通じて、西予市の魅力を発信しています。移住相談や各種支援制度など、こちらのサイトも移住希望者にとって有益な情報がたくさんです。
東京や大阪などで移住フェアを開催し、西予市内外で交流イベントも主催しているため、興味のある方はぜひサイトをチェックしてください。
参考:西予市移住定住センター
せいよじかん
「せいよじかん」は、西予市観光物産協会公式サイトとして、西予市の特産品や観光地・グルメ情報などを紹介しています。
海の幸・山の幸それぞれに豊富な特産品をもつ西予市は食材の宝庫ともいえ、移住後にはぜひ数多くの特産品を味わってみたいものです。また、「四国西予ジオパーク」や歴史的な建物が残る「卯之町エリア」をはじめ見どころもたくさんあります。こちらのサイトを参考に、彩りのある移住生活を送りましょう。
参考:せいよじかん
西予市の魅力を知って移住を検討しよう
西予市は、「四国西予ジオパーク」として海・里・山さらには歴史的な景観が残るとても美しい移住先です。豊かな自然の恵みを受けた多様な特産品も充実しており、一般的な移住先とは一線を画す不思議な魅力にあふれています。
歴史的な町並みのなかで落ち着いた暮らしをするのも、田園風景の真ん中でのんびり過ごすのも、美しい海を満喫するアクティブな暮らしをするのも、そのどれも叶えられる懐の深さが最大の特徴といえるのです。
西予市の魅力を知って、ぜひあなたも前向きに移住を検討しましょう!
※内容は2023年8月執筆時のものです。