愛媛県伊予郡砥部町は、伝統工芸品である磁器「砥部焼」で有名な移住先です。人口約50万人の愛媛県の県庁所在地・松山市の中心地へアクセスしやすい好立地から、ベッドタウンとして人気があり多くの方が移住しています。静かな山間の街であるため自然も近く、「愛媛県立とべ動物園」をはじめとする見どころもたくさんです。
「焼き物の街」として町内各地に砥部焼の窯元や直売所があり、貴重な文化に触れられるため、趣ある文化的な移住生活が送れるでしょう。
今回は、愛媛県伊予郡砥部町移住に興味がある方に向けて、移住先としての魅力やメリット、おすすめエリア、利用できる補助金などを紹介します!
松山市中心部への通勤・通学にも最適な砥部町へ、ぜひ移住を前向きに検討しましょう!
砥部町移住の魅力/メリット3選
まずは、砥部町移住のメリットや魅力を3つ紹介します!緑に囲まれたベッドタウンは住みやすさも抜群です。ぜひご覧ください!
松山市内のベッドタウンとして松山市の中心地や松山ICへのアクセスが良好
重信川を挟んで松山市の南に隣接する砥部町は、昔から松山市のベッドタウンとして人気がありました。国道33号線を北上すると松山市の中心地へ出られ、松山自動車道「松山IC」にいたっては10分もあればアクセスできるという交通利便性の高さが人気の理由です。
それでいて松山市内よりも家賃が安いということもあり、多くの方が移住しています。重信川に近い北部は住宅街となっており、「ほぼ松山市」として生活利便性がかなり良く、中部~南部は山の自然に囲まれた落ち着きのある雰囲気です。
実際に、大東建託株式会社の調査による「愛媛県住みここちランキング2023」では松山市に次ぐ第2位に選ばれていることからも、人気であることがよくわかります。松山市の中心地への通勤・通学にも便利で、松山ICが利用しやすい好立地な砥部町は、今後も人気が高まっていきそうですね。
伝統工芸品の磁器「砥部焼」の窯元が各地にあり貴重な文化に触れられる
伝統工芸品の磁器「砥部焼」の窯元が町内各地にあり、貴重な文化に触れられることも砥部町移住の魅力といえるでしょう。
砥部町といえば、愛媛県民の間で「砥部焼の町」という共通認識があります。伝統工芸品としての「砥部焼」の歴史は江戸時代中期に遡り、今日もその伝統が受け継がれています。2021年には、砥部町を舞台に陶芸家が砥部焼を通して家族の絆を取り戻していく姿を描いた映画が公開され、大きな話題となりました。
砥部焼は、どっしりとした厚手のフォルムと手書きによる藍色の染め付けがされた、素朴でどこか温かみのあることが特徴です。丈夫なため日常使いに最適な磁器として、今もなお多くの愛媛県民に親しまれています。
砥部町へ移住すれば各地に窯元や直売所があり、陶芸体験も盛んにおこなわれていることから、まさに「焼き物の街」という印象を受けることでしょう。日常生活において貴重な文化に触れられることは、きっと移住生活に新たなインスピレーションをもたらすはずです。
ぜひあなたも、砥部焼作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
「とべ動物園」や梅の花が咲き誇る「七折梅園」といった見どころが充実している
砥部町には、「愛媛県立とべ動物園」や砥部町の特産品である七折小梅を栽培している「七折梅園」など、見どころが充実していることも魅力でありメリットといえるでしょう。
敷地面積11.2haを誇る西日本最大級の動物園である「愛媛県立とべ動物園」は、日本で初めて人工哺育に成功したホッキョクグマ「ピース」をはじめ、多種多様な動物に触れ合える砥部町随一のスポットです。周辺には「えひめこどもの城」や「愛媛県総合運動公園」もあり、これらをまとめて「TOBEMORI」と総称し、砥部町の一大レジャースポットとしてファミリー層を中心ににぎわっています。
七折地区にある「七折梅園」は、1万本を超える梅が咲き誇る、とべ動物園と並ぶもう1つの見どころです。毎年2月下旬から3月上旬には「七折梅まつり」が開催され、多くの人が訪れます。梅園で取れた梅は、「七折小梅」として愛媛県内のスーパーや産直市などに並び、その品質の高さから「青いダイヤ」と呼ばれる砥部町の特産品です。
その他、地殻変動により古い断層が新しい断層の上に乗り上げた、珍しい逆断層が見られる国の天然記念物「砥部衝上断層」や、秋の紅葉が美しい「仙波渓谷」など、砥部町にはさまざまな見どころが数多く存在します。
砥部町では、見どころがいっぱいの楽しい移住生活が送れそうですね。
砥部町移住で困ること/デメリット3選
つづいて、砥部町移住で困ることやデメリットにも着目していきます。メリットとデメリットの両方を知り、理想的な移住を叶えましょう。
通勤時間帯は国道33号線や県道23号線が渋滞しやすい
松山市と砥部町を南北に結ぶ主要道路である国道33号線や、砥部町を東西に横断する県道23号線はその利便性の高さから、通勤時間帯に渋滞しやすいことはデメリットといえます。
国道33号線を北上すると、最終的に松山市の中心地であり繁華街や官公庁・オフィスなどが集積する「松山市駅」周辺まで出られるため、渋滞が顕著です。また、東西を横断する県道23号線「伊予川内線」も同様で、ちょうど国道33号線との交差点にあたる「拾町交差点」付近が渋滞スポットとなります。
これらの渋滞は、交通利便性の高さにより多くの車を招き入れた結果といえ、渋滞に巻き込まれないためにも、通勤には余裕をもって少し早めに家を出たほうがいいかもしれませんね。
南部は山に挟まれている地形であるため雪が積もることがある
南部は山に挟まれている地形であるため、雪が積もることがある点にも注意しましょう。松山市側の砥部町北部は平地のため気にする必要はなさそうですが、市域の南部は山に挟まれており、山の斜面を削って造られた住宅街などは数年おきに雪が積もることがあります。
雪が積もった際は車の運転に細心の注意が必要なため、できればタイヤチェーンを持っていたほうがいいかもしれません。砥部町の南部へ移住する場合は、数年おきに積雪があることを事前に想定しておきましょう。
坂道が多く徒歩や自転車での移動が大変
砥部町の北部は平地であるものの、南部方向の山に近づくにつれ坂道が多くなり、徒歩や自転車での移動が大変なことはデメリットといえるかもしれません。
砥部町の住宅地は山を宅地造成して造られたエリアも多く、ちょっとした移動も不便なことがあります。高台からの眺めは良いものの、坂道の移動にストレスを感じる方は、なるべく平地を選んで住む場所を決めましょう。
砥部町移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
砥部町移住の際に利用できる補助金・支援金、サービスを紹介します!これらを活用し、少しでもお得な移住を実現させましょう。
空き家の改修などに対し最大400万円を補助!「移住者住宅改修支援事業」
愛媛県空き家情報バンクまたは、砥部町空き家バンクに登録された一戸建て物件を賃借・購入した方が、空き家の改修工事などをおこなった場合、最大で400万円を補助してくれる移住支援制度です。砥部町移住の際に空き家の活用を検討している方は、ぜひ申請しましょう。
【補助対象事業】
- 施工業者は町内に事業所を有する法人または、町内に住所を有する個人事業者であること。
- 空き家の改修は50万円以上、家財道具の搬出などは5万円以上のもの。
- 着工前の申請で、補助金申請年度内に改修などの完了が見込まれるもの。
【補助対象経費(一部抜粋)】
- 住宅の改修
木工事・屋根工事・内装工事・塗装工事・電気設備工事・省エネ設備工事 など - 家財道具の搬出
入居または住宅の改修のために不要な家財道具の搬出、処分または清掃
【補助金の額】
- 住宅の改修
補助対象経費の3分の2または200万円(子育て世帯は400万円)のいずれか低い額 - 家財道具の搬出
補助対象経費の3分の2または20万円のいずれか低い額
参考:移住者住宅改修支援事業
問い合わせ先:砥部町企画政策課
満1歳未満の子どもの子育て用品を補助!「子育て用品購入費助成事業」
乳児を養育する保護者に対して、子育て用品の購入費用を助成してくれる支援事業です。おむつや授乳用品などの引換券を交付し、指定のお店で交換できます。子育て世帯にとって非常に助かる補助といえるため、該当者はぜひ活用しましょう。商品を交換できる具体的な店舗名等は、下記リンク先から参照してください。
【対象者】
砥部町内に住所を有する満1歳未満の乳児の保護者
【助成額および助成期間】
- 砥部町で生まれ子どもに対しては1人当たり36,000円分
- 1歳までに砥部町に転入した子どもは、転入日の月から満1歳の誕生日の前の月までの月数に3,000円を掛けた金額分
- 手続きは最大2か月さかのぼって申請が可能。
【引き換え可能な商品】
- おむつ用品
- 授乳用品
- 離乳食用品
- お風呂用品
参考:子育て用品購入費助成事業
問い合わせ先:砥部町子育て支援課
木造住宅の耐震化や診断へ補助金を交付!「木造住宅耐震診断補助事業」
対象となる木造住宅において、耐震化や耐震診断の費用の一部を補助または、軽減された費用で診断してくれる支援事業です。移住の際に古い空き家などの木造住宅の活用を考えている方は、ぜひ申請しましょう。耐震診断には耐震診断技術者派遣と通常の耐震診断の2種類があり、それぞれ金額(費用なのか補助金なのか)がちがってくるため、詳細は下記のリンク先を参照してください。
【耐震診断の対象住宅(一部抜粋)】
- 昭和56年5月31日以前に着工した町内の一戸建ての木造住宅。
- 階数が2階以下で延べ床面積が500平方メートル以下のもの。
- 併用住宅は、延べ床面積の半分を超える面積が住宅の用途に供されているもの。
【耐震診断の費用および補助金の額】
- 耐震診断技術者派遣事業の費用
評価手数料の3,000円または9,900円 - 耐震診断費用の補助金の額
補助対象経費の3分の2以内で、上限40,000円
【耐震改修費用の補助対象となる木造住宅(一部抜粋)】
- 昭和56年5月31日以前に着工した町内の一戸建ての木造住宅で、耐震診断の結果、倒壊する可能性があると診断された住宅。
- 階数が2階以下で延べ床面積が500平方メートル以下のもの。
- 併用住宅は、延べ床面積の半分を超える面積が住宅の用途に供されているもの。
【耐震改修費用の補助金の額】
- 耐震改修設計
補助対象経費の3分の1以内で、上限100,000円</li> - 耐震改修工事
補助対象経費の5分の4以内で、上限1,000,000円 - 耐震改修工事監理
補助対象経費の3分の1以内で、上限20,000円
参考:木造住宅の耐震診断費用と耐震改修費用を補助します
問い合わせ先:砥部町建設課
砥部町移住でおすすめのエリア3選
それでは、砥部町でおすすめのエリアを3つ紹介します!移住の目的や叶えたいライフスタイルにあわせて、ぜひ参考にしてください。
松山市内へアクセス抜群で生活利便性が高い「拾町・高尾田」周辺エリア
最初のおすすめエリアは、松山市内へアクセス抜群で生活利便性が高い「拾町・高尾田」周辺エリアです!
砥部町の北側、松山市との境界にある「拾町・高尾田」周辺エリアは住宅街が広がっており、もっとも生活利便性が高いエリアとして人気があります。重信川を渡れば松山市であるため、松山市内への通勤・通学にも適しており、松山自動車道「松山IC」まで距離が近いことから高速道路利用にも便利です。
直進することで最終的に松山市の中心地へ出られる、南北の主要道路である国道33号線と、東西を結ぶ県道23号線の両方が使いやすいことから、移動のしやすさは砥部町のなかでも群を抜いています。また、「フジ砥部店」や「セブンスター砥部店」、「Aコープ城南店」といった複数のスーパーマーケットがあり、日常の買い物にも便利なことも強みといえるでしょう。
生活に便利で松山市内へのアクセス重視の方は、「拾町・高尾田」周辺エリアがおすすめです。
「とべ動物園」をはじめとしたレジャー施設が至近「宮内」周辺エリア
つづいては、「愛媛県立とべ動物園」や「えひめこどもの城」「愛媛県総合運動公園」が近い、「宮内」周辺エリアをおすすめします!
山に挟まれた「宮内」周辺エリアは、「愛媛県立とべ動物園」「えひめこどもの城」「愛媛県総合運動公園」を総称した、自然も豊かな砥部町最大のレジャースポットである「TOBEMORI」が近いことが最大の魅力といえるでしょう。
広大な敷地にさまざまなレジャー施設があるため、家族でのお出かけに最適です。総合運動公園内にある「ニンジニアスタジアム」はJリーグ・愛媛FCのホームスタジアムとして週末はサッカー観戦で大いに盛り上がります。公園内には体育館・テニスコート・キャンプ場なども併設されているため、運動不足解消にもよさそうです。
動物園をはじめ大きなレジャー施設が目の前にあるものの、住宅街を中心に田畑も混在する落ち着いた雰囲気のエリアであることも特徴といえます。自然の中で遊べる場所が多いため、子育て世帯はもちろん、アクティブな移住生活を楽しみたい方は「宮内」周辺エリアを第1候補にしてみてはいかがでしょうか?
砥部焼の窯元が多くスキー場のある久万高原町へも行きやすい「大南」周辺エリア
最後に紹介するおすすめエリアは、砥部焼の窯元が多く、スキー場のある久万高原町へも行きやすい「大南」周辺エリアです!
砥部町南部の「大南」周辺エリアは、「砥部焼伝統産業会館」をはじめとする砥部焼に関する施設が多く、まさに「焼き物の町」という雰囲気がエリア全体に広がっています。窯元が多く存在し、陶芸体験もできるため貴重な文化に触れられることが最大の魅力といえるでしょう。山が近く田園風景が広がっていることから、のどかな田舎暮らしも体験でき、国の天然記念物の衝上断層がある「衝上断層公園」では、砥部川での川遊びも可能で夏のおでかけに最適です。
また、国道33号線を南下することで、スキー場のある久万高原町へアクセスしやすいことも特徴といえます。約30分ほどで四国有数のスキー場である「久万スキーランド」へアクセスできることは、スキーやスノボが趣味の方にとって大きなメリットとなりそうですね。
「砥部焼」の文化に触れながら田舎暮らしをしたい方は、「大南」周辺エリアがおすすめです。
砥部町移住で失敗しないポイント3選
最後に、砥部町移住で失敗しないポイントを3つ紹介します!思わぬ落とし穴があるかもしれません。ぜひ参考にしていただき、充実した移住生活を送りましょう。
家賃だけでなくガソリン代や水光熱費といった日常の生活コストにも注意する
砥部町は、県庁所在地である松山市のベッドタウンとして家賃も安いため、生活コストを下げることが可能です。しかし、家賃だけでなくガソリン代や水光熱費といった日常の生活コストにも注意を払いましょう。
とくに、移動には車が必要なため、都会暮らしよりもガソリン代が大幅に増えることが考えられます。また、砥部町では都市ガスではなくプロパンガスが使われているので、ほとんどの場合ランニングコストが上昇する可能性が高いことも理解しておくことが重要です。移住後に思わぬ出費に苦しまないためにも、これらの生活コストを含めたうえで、生活設計していくことをおすすめします。
移住する前に複数回現地を訪れ街の雰囲気を調査しておく
移住を失敗しないためにもっとも大切といっても過言ではないのが、移住前に複数回現地を訪れ街の雰囲気を調査しておくことです。現在はネットをはじめ情報媒体が多様なため、さまざまな情報を入手できます。しかし、実際に現地を訪れないまま移住先を決めるのは非常に危険です。
現地の雰囲気、気温や気候、人々の様子など調べておくべきことは多岐に渡ります。短期移住するか複数回現地を訪れ、ネットの情報にはない実際の空気感を体験しておきましょう。
移住の相談窓口スタイルチャットで相談する
砥部町移住を検討しているものの、他にも素敵な移住先を知りたい方や、何からはじめていいかわからない方は、LINEでおこなう移住の相談窓口「スタイルチャット」を活用してみてはいかがでしょうか?
移住に求めることなどの簡単な質問に答えるだけで、移住styleが厳選したあなたにぴったりの移住先を、参考情報とともにお届けします。これまで自分で気づかなかった新たな価値観や、思いもよらなかった移住先を再発見できるかもしれません。もちろん、移住全般の疑問や質問などにも幅広く対応しているので、ぜひ、移住の相談窓口「スタイルチャット」をご活用ください。
砥部町の魅力を知って移住を検討しよう
愛媛県伊予郡砥部町は、県庁所在地である松山市中心部へのアクセスの良さから、ベッドタウンとして人気のある移住先です。伝統工芸品「砥部焼」の町として市内各地に窯元があり、貴重な文化に触れられることも魅力といえるでしょう。また、南部は自然に近いため落ち着いた暮らしが送れるのもいいですね。
砥部町の魅力を知って、ぜひ移住を前向きに検討しましょう!
※内容は2023年10月執筆時のものです。