二拠点生活や地方移住、リモートワークなど、新型コロナウイルスの流行をきっかけにひとつの場所にとらわれない生活の仕方が注目されるようになりました。しかし、いざ移住しようと思っても、金銭面や人間関係、新しい住居など不安なことも多いと思います。その中でも特に仕事面で悩む人が多いのではないでしょうか。転職するとなると、まず仕事の引き継ぎに始まり、移住先での転職活動など、時間と労力がかかりますよね。そんな中で今注目されているのが、『転職なき移住』です。その名前の通り、これまでと同じ仕事につきながら地方移住する方法で、1番の悩みである転職をしなくても地方移住できるとして選ぶ人が増えています。この記事では転職なき移住のメリットやポイント、おすすめの自治体について解説しますので、今の仕事を続けながら地方移住したいという人はぜひ参考にしてくださいね。
転職なき移住とは
転職なき移住とは、地方創生や東京一極集中の是正、個人の生産性や豊かさの向上を目的に、政府が推進している地方移住の新しい手段です。新型コロナウイルス流行をきっかけにリモートワークを取り入れる企業が増えたことで、都市部に住まなくても仕事ができるようになりました。そこで、地方にシェアオフィスを設置したり、サテライトオフィスを誘致したり、転職をせずに地方移住できるよう、行政と企業が協力して行なっている取組みです。
転職なき移住のメリット3選
転職なき移住にはさまざまなメリットがありますが、ここでは生活コスト、生活リズム、職探しにおける不安の解消の3つにしぼってご紹介します。転職をせずに移住したあとの暮らしをイメージしながらご覧ください。
年収はそのままで生活コストを抑えることができる
転職をせずに移住することのメリットのひとつが、今の年収を維持しながら生活コストを下げられることです。地方企業に就職することはもちろん悪いことではありませんが、都市部の企業と比較して年収は低いことの方が多いです。これまで積み上げてきたキャリアを手放すことにもなるので、できればそれは避けたいですよね。また、都市部と地方では生活コストが大きく異なります。特に家賃はその差が大きく、都市部と同じ家賃でも、より広い部屋に住むことが可能です。年収は変わらず生活コストを下げられるので、その分貯蓄や他の資金に当てることができます。また、自治体によっては移住支援金を受け取れる制度もあるので、それらを活用して引越費用を抑えられます。申請には必要な条件や書類があるので、詳しくは自治体のホームページで確認しましょう。
メリハリのある生活ができる
都内に出勤していると1時間かけて通勤することは珍しくなく、満員電車だと仕事終わりでも余計に疲れてしまいますよね。地方で場所にとらわれず仕事することで、通勤の必要がなくなり、より自由な時間を確保することが可能です。例えば、朝6時に起きて朝食をとり、始業時間まで散歩や勉強など好きなことをする。お昼ご飯は自炊、または近くのお店でランチを食べる。終業後は地元の食材でおつまみを作り、映画を見ながら地酒で晩酌する。都市部でもできそうなことばかりですが、時間にゆとりがあると心にもゆとりが生まれ、仕事の生産性が上がるだけでなく、時間を有効活用することでスキルアップにもつながります。このようなメリハリのある生活がおくれることは、地方移住の大きな魅力と言えるでしょう。
職探しの不安は解消される
新しい仕事を探すという不安から解消されることは、転職なき移住の大きな特徴のひとつです。転職活動はインターネットでの職探しから始まり、履歴書と職務経歴書の作成、オンライン面接などたくさんの段階がありますし、給与や福利厚生の条件が見合うかどうかの不安もありますよね。転職活動にかかる時間を、引越し作業や仕事の引き継ぎなど違うことに活用できるので、より心の負担も軽くなるでしょう。
転職なき移住のポイント3選
たくさんの魅力がある転職なき移住ですが、そのときに気をつけたいポイントを3つご紹介します。ポイントを抑えることで移住後の暮らしやすさにつながるので、事前に確認しましょう。
移住先の条件を会社に確認する
住居や仕事する場所など、移住先の条件を会社に確認する必要があります。例えば家賃補助や出勤時の交通費補助があるかなど。また、転職なき移住を推進している自治体の中には、個人が利用できるシェアオフィスや共用のコワーキングスペースを設置しているところがありますが、会員登録や利用料金は会社負担になるのかも確認しましょう。企業によっては在宅が前提のところもあるので、移住前に確認し、文書で残しておくと安心です。
移住支援策を確認する
地方移住を推進している自治体の多くは、さまざまな移住支援が設定されています。例えば、移住時に引越費用が補助される移住支援金や物件の紹介、お試し移住の実施などです。移住支援金は移住する世帯人数によって人数が異なったり、リモートワークにおける条件があったりするので、もしホームページだけでわからない場合は直接問い合わせてみましょう。中にはオンラインで相談できる自治体もあり、とても親身になって話を聞いてくれます。
地域コミュニティに参画する
地方移住の不安のひとつが、新しいコミュニティ作りですよね。これまで縁がなかった街に移住する人も多いと思うので、移住先で人間関係を作ることはその後の生活に大きく影響します。地方移住を推進している自治体の多くは移住者と地域住民をつなぐコミュニティがあるので、それらに参加することで新たなつながりが生まれます。そこから地域の情報を得たり、今ままでできなかったような体験ができたり、相談できる相手ができたり、プラスになることばかりなので、積極的に参加しましょう。
転職なき移住でおすすめの自治体
いざ移住しようとしたとき、どこがいいのか迷ってしまいますよね。ここでは全国の中でもおすすめの自治体を3つご紹介します。それぞれに特徴があるので、どんな環境の街が合っているのか、移住後の暮らし方も考えながらご覧ください。
県本庁舎内に地方創生テレワークのモデルオフィスを開設!山口県山口市
下関や角島など、自然豊かで豊富な食材が採れることで有名な山口県。その中でも県庁所在地である山口市は自然と都市のバランスがとれた街で、移住先として人気です。また、地方創生においても積極的に活動しており、県本庁舎内にテレワークができるオフィスがあります。オフィスにはWi-Fiと電源が完備されており、利用料金はなんと無料!利用証明の発行も行っているので、会社に勤務証明として出すことも可能です。個人での活用はもちろん、グループで利用できるテーブルや、オンライン会議ができる防音ブースもあり、さまざまなニーズに対応しているのが嬉しいですよね。
22社のIT関連企業がサテライトオフィスを設置!福岡県北九州市
食の街として人気な福岡県北九州市は、行政が中心となってサテライトオフィスの誘致を行なっており、現在その数は22社。北九州市には新幹線が通っていますし、博多区にある福岡空港までは新幹線で約1時間なので、飛行機の利用も便利です。また、地方移住も推進しており、東京圏から世帯で移住すると100万円、単身での移住で60万円が支給されるほか、物件紹介や空き家のリノベーション補助などもあるので、若い世帯に特におすすめの自治体です。
東京都心へ電車通勤も可能!茨城県つくば市
茨城県つくば市は、つくばエキスプレスを利用すると秋葉原まで最速45分でアクセスできるので、東京への通勤も可能です。テレワークでも月に何度か出社することを推進している企業もあるので、東京までのアクセスの良さは大きな魅力ですよね。東京よりも自然が多くのんびりとした雰囲気ですが、市内には大型のショッピングセンターがあるので、買い物には困りません。移住支援もたくさんあるので、詳しくは下記の記事を参考にしてください。
転職なき移住についてはスタイルチャットで相談する
転職をせずに移住するので、職探しについての不安はあまりありませんが、移住後の生活や移住の準備など、不安な点もあると思います。そんなときにおすすめなのが、移住Styleが行なっている『スタイルチャット』です。スタイルチャットはLINEで無料相談できるツールで、移住に詳しいスタッフに相談することができます。移住後の生活や街の情報、また具体的な物件紹介まで行なっているので、移住前の準備にとても便利です。また、質問に答えるだけでおすすめの移住先が診断できるツールもあるので、「なんとなく移住したいな」と考えている人も、ぜひ一度利用してみてくださいね。
転職なき移住を検討しよう
今の仕事を続けながら好きな街に暮らせる転職なき移住は、収入が下がらない、より自分の時間を確保できる、自然に囲まれてリラックスできるなどたくさんのメリットがあり、リモートワークの人にとって最適な移住方法と言えるでしょう。仕事とは別に、イベントに参加したり、行きつけのお店を作ったり、地域の人と交流することで新たな選択肢も見えてくると思います。これからのライフスタイルや人生設計を考える上でもとてもいい刺激になるので、ぜひ転職なき移住を検討してみてくださいね。
※内容は2024年2月執筆時のものです