賃料や物価の高騰などから、東京を脱出して地方移住を検討している方も多いのではないでしょうか。また、リモートワークが普及し、東京に拠点を持たずとも働ける環境は、今では珍しくありません。近年では東京で働きつつ、地方にも住居を持つ二拠点生活を選択する方も多くなりました。
しかし、いざ移住しようと思っても、どこが自分に合っているのか、移住後の生活環境はどうなのか、気になりますよね。そんな時におすすめなのが、『お試し移住』です。お試し移住とはその名の通り、短期間で地方に移住し、実際の生活を体験できる制度です。地方移住を積極的に受け入れている自治体の多くが行なっている取り組みで、ホテルに滞在するよりも手頃に滞在でき、自治体の担当者や移住者の話を直接聞けるので、移住についての不安も軽減できます。この記事ではそんなお試し移住について解説するほか、お試し移住を行なっている自治体を5つご紹介します。地方移住を検討している方はぜひ参考にしてください。
現地ツアーガイド付きのお試し移住とは
お試し移住の多くには、ツアーガイドの案内が含まれます。それには大きく分けて3つのタイプがあるので、ひとつひとつ解説していきます。
パッケージタイプ
パッケージタイプのお試し移住は、学校や公共施設の紹介、先輩移住者や地域住民との交流など、街の紹介だけでなく実際の生活についてリアルな声が聞けるような内容のものが多いです。1日だけでなく、2日から3日など複数日で行われるので、日中だけでなく夜間の雰囲気も体験できます。働きながら移住先を探している方にとって、週末の連休などを利用して体験できることもポイントと言えるでしょう。
オーダーメイドタイプ
オーダーメイドタイプは、体験したいことや知りたいことを中心にプランが組めることが特徴です。小さな子どもがいる家庭だと、学校や病院などを中心に組み込んだり、サーフィンやスノーボードなど、アクティビティ目的で移住する方はその場所や立地を中心に組み込んだり、移住後におくりたい暮らしをベースにプランを組めます。移住後の生活イメージが具体的に決まっている方は、自治体の担当者に相談しながらどんな内容にするか決めていきましょう。
お試し住宅タイプ
自治体には移住者向けにお試し住宅を持っているところがあり、ホテルよりも手頃な価格で滞在できます。滞在できる期間は自治体によって異なりますが、中には3ヶ月近く滞在できるところもあり、その街での暮らしをしっかり体験できます。例えば、神奈川県山北町には3つのお試し住宅が用意されており、滞在期間は2週間から最大14週間。移住体験参加料金は光熱水費込みで2週間につき20,000円なので、1ヶ月40,000円で滞在できます。長期間滞在することでその土地で暮らすように過ごせるので、移住後の生活もイメージしやすいでしょう。人気の自治体はキャンセル待ちになっている場合もあるので、興味がある方は早めの申し込みがおすすめです。
おすすめの現地ツアーガイド付きお試し移住先
全国にお試し移住ができる自治体は多くありますが、その中でも5つの移住先をご紹介します。それぞれ特徴が異なるので、ぜひ比較しながらご覧ください。
宿泊滞在費を半額補助!静岡県下田市
伊豆半島南東部に位置する静岡県下田市は、美しい海が自慢の移住先です。海沿いならではののんびりとした暮らしをおくれるだけでなく、リゾート都市として自然を利用してのアクティビティが豊富です。特にサーフスポットとして有名なので、サーフィンをしている方は訪れたことがあるのではないでしょうか。そんな下田市は地方移住を積極的に受け入れており、移住支援が充実しています。中には『移住希望者滞在費補助金』として、対象の宿泊施設に泊まると滞在費用の半額(上限4,000円)が補助される制度があります。また、オーダーメイド型の移住ツアーもあるので、併用して利用すると、より下田市の暮らしについて知ることができるでしょう。
要望に合わせたツアーと城下町の町家に宿泊!岡山県津山市
岡山県津山市は、周囲を山に囲まれた県北部・津山盆地にある移住先です。都市としての機能と自然の美しさのバランスが良く、若者や子育て世帯を中心に人気が高まっています。また、移住支援も充実しており、要望に合わせた体験スケジュールを提案してくれる「オーダーメイド体験プラン」と、2泊以上の滞在者を対象とした「トライアルステイ」を実施しています。オーダーメイド体験プランでは医療機関や学校などの環境だけでなく、就職や家探しなどプランに組み込めるので、移住後の暮らしを具体的に体験できるのが嬉しいですよね。
移住体験施設が無料でできる!大分県宇佐市
大分県宇佐市は、宝島社発行の月刊誌『田舎暮らしの本』2月号の「2024年版 住みたい田舎ベストランキング」人口5万人以上10万人未満の市、シニア部門全国1位かつ総合部門、若者世代・単身者部門、子育て世代部門2位に選ばれた、今注目の移住先です。その人気の理由は、合計10万円給付の「出産子育て応援給付金」や、シニアを対象とした「高齢者ふれあいサロン」の実施など、全ての世代が暮らしやすいような施策が充実している点にあります。そんな宇佐市はオーダーメイド型の移住体験ツアーを実施しており、市内の見学や空き家見学、先輩移住者との交流など、要望に合わせたプランの作成が可能です。体験中はお試し住宅の利用が可能なので、費用を抑えて体験できることも大きなポイントと言えるでしょう。
農業体験ができる!長野県木曽町
長野県木曽町は、「日本で最も美しい村連合」に選出された美しい自然や農村風景が魅力の移住先です。宿場町として栄えていたことから当時の町並みや伝統文化が色濃く残り、観光地としての見どころも充実しているほか、スキーやキャンプ・登山といったアウトドアも大いに楽しめるため、多くの移住希望者にとって満足度の高い移住が叶えられるでしょう。そんな木曽町は、移住を検討している方を対象に移住体験ツアー・農業体験を実施しています。体験できる期間は5月から10月で、第三土曜日に開催されます。農業に興味がある方は、ぜひ参加してみましょう。
希望にあわせて内容を決めていく「オーダーメイド型移住ツアー」を実施!兵庫県相生市
瀬戸内海に面し兵庫県相生市は、特産品である「相生牡蠣」の養殖が盛んで、相生市最大のイベントである壮大な舟競漕「相生ペーロン祭」は、全国から多くの観光客が訪れます。また、新幹線「ひかり」が停まるため、関西や東京へのアクセスも良く、リモートワークでたまに都市部へ出勤がある方も暮らしやすいでしょう。そんな相生市は移住支援としてオーダーメイド型移住ツアーの体験ツアーを実施しています。海の見える地域をまわってみたい、子どもが遊べる場所や保育所、学校をみてみたい、スーパーや病院などの距離感をみてみたいなど、人によって気になるポイントはさまざまですが、この体験ツアーではそんな要望をもとにツアーを作成できるので、よりリアルに移住後の暮らしを体験できます。実施日も希望に応じて対応しているので、まずは担当窓口にて問い合わせましょう。
移住ツアーガイドの相談は「スタイルチャット」に相談する
全国に移住ツアーを行なっている自治体は多くありますが、その中から選ぶのは大変ですよね。そんなときにおすすめなのが、移住Styleの「スタイルチャット」です。スタイルチャットはLINEで相談できるので、時間や場所を気にすることなく利用できるのが嬉しいですよね。要望を伝えることでおすすめの移住先を提案してもらえますし、希望者には物件紹介も行なっているので、移住後も活用できます。また、ホームページにはさまざまな自治体の移住記事や、温暖な地域やサーフィンができる地域など、特徴ある移住先の特集も掲載されているので、移住先を探している方はぜひ参考にしてください。
移住体験ツアーの利用を検討しよう
移住体験ツアーは、不安点や疑問点を移住前に解消できるだけでなく、インターネットだけではわからない情報を得られるので、移住を検討している方には特におすすめです。もちろんツアーに参加せず旅行がてら足を運ぶこともできますが、多くのツアーに移住者や地域住民との交流が組み込まれているので、よりリアルな声を聞くことができます。移住前には余裕を持って準備期間を作り、ぜひお試し移住をして自分に合った移住先を見つけましょう。
※上記の内容は2024年87月執筆時のものです