あなたは、「古民家ブーム」という言葉を聞いたことがありますか?
地方移住の際に住む場所として、賃貸マンションや新築・中古住宅の購入などがおもに挙げられますが、ここ数年は「古民家をリフォームして暮らす」という選択肢をえらぶ方が続々と増えてきています。地方を中心に「空き家問題」が深刻化するなか、取得費用を安く抑えられる古民家は、移住者にとってうってつけの物件といえるかもしれません。
移住した先で購入した古民家を自分好みに住みやすくリフォームし、憧れのライフスタイルを手に入れる。これも、「移住の醍醐味」といえるのではないでしょうか?
しかしながら、「古民家のリフォームにはどれくらいの費用がかかるの?」「限られた予算でどこまでできる?」「耐震性は大丈夫?」などなど、古民家リフォームに興味が湧いてくると、同時に疑問も次々と生まれてくるものです。
そこで今回は、古民家リフォームのメリット・デメリット、予算別でできる古民家リフォームをわかりやすく解説していきます!
実は「古民家」の定義に決まったものはなく、さまざまな解釈があるものの、おおむね「築50年以上経過した、伝統的な木造軸組工法を用いた日本家屋」を指すようです。ですが、細かい定義は気にせず、移住先で見つけたお気に入りの古民家をリフォームして、ぜひあなたも憧れのライフスタイルを手に入れましょう!
古民家リフォームのメリット
最初に、古民家リフォームのメリットを3つ解説していきます!古民家リフォームに興味のある方は、まずこちらをご覧ください!
住宅の取得費用を安く抑えることができる
新築の住宅とちがい、空き家となっている古民家は安く売りに出されているため、取得費用を抑えられることがメリットといえます。その後のリフォームに費用はかかってしまうものの、ポイントを絞った部分的なリフォームであれば、トータルで考えても新築購入よりかなり安くなるはずです。
また、各自治体では、古民家をふくむ一定の条件を満たした空き家のリフォームに補助金を出しているところも多く、耐震補強が必要な場合も補助金の対象となります。新築住宅は高くてなかなか手が出せないという方は、ぜひ安価な古民家を購入し、リフォームに対する補助金を活用しながらお得に住宅を取得してみてはいかがでしょうか?
資産価値が向上する
古民家をリフォームすることで、建物の資産価値が向上することもメリットといえそうです。ここ数年、「古民家ブーム」というちょっとしたトレンドがあり、不動産投資の一環として古民家をリノベーション(再生)し、資産価値を向上させたうえで売却したり宿泊施設などに改装したりする会社が増えています。
もちろん、移住のための古民家リフォームであるため目指す方向性はちがいますが、何らかの理由でやむなく物件を手放すことになった場合でも、資産価値が向上した古民家は買い手がつきやすく、さらには売却益を得ることも決して不可能ではありません。
このように、古民家リフォームによって得られる資産価値の向上は、思わぬメリットを享受できる可能性があることもぜひ知っておきましょう。
設備を最新化することができる
設備を最新化することができるのも、古民家リフォームのメリットです。日本の伝統的な古民家は、湿度が高い日本の気候風土にあわせ、風通しがよくなるように建てられています。そのため、夏は比較的過ごしやすいものの冬場は寒さを感じることが多く、気密性が低いため暖房の効きがあまりよくないといわざるを得ません。リフォームすることである程度気密性を高められ、現代の暮らしにマッチさせることが可能です。
また、キッチンや浴室などの水回りはとくに劣化しやすく、リフォームによって設備を最新化することで一気に住み心地がよくなります。ある程度の予算は必要なものの、自分の好みにあわせて設備を最新化していくことは、古民家リフォームの楽しみであり醍醐味です。古民家リフォームを通じて、ぜひあなたも理想の暮らしを追求してみてください。
古民家リフォームのデメリット
古民家リフォームのデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?デメリットを事前に知っておかないと、あとで大きなトラブルになりかねません。デメリットについても確認しておきましょう!
リノベーションの内容によっては膨大な費用がかかる
古民家リフォームにおけるデメリットの最たるものとして、リノベーションの内容によっては膨大な費用がかかることが挙げられます。
まず、「リフォーム」と「リノベーション」のちがいですが、老朽化した建物に対し部分的な改修や全体的な改修をおこない新築に近い状態に戻すのが「リフォーム」です。それに対し「リノベーション」とは、建物の改修に加え、価値を高めるための大規模な工事をおこなうため、リフォームよりも高額な費用がかかります。
古民家をリフォームまたはリノベーションするにあたり、いずれも内容によっては膨大な費用がかかるため注意が必要です。とくに、構造部である柱や梁などが劣化していると費用が高額になりやすく、また、古民家によっては現代ではなかなか手に入らない希少価値の高い建材を使用していることもあり、修復にかなりの金額を要します。
古民家を購入する際は、どのようなリフォーム・リノベーションが必要か綿密に検討し、「できること・できないこと」を明確にしたうえで、予算オーバーしないよう気をつけましょう。
耐震性に問題がある場合がある
古民家は耐震性に問題がある場合があるため、耐震診断の結果によってはリフォームとは別に耐震改修工事が必要になることもデメリットといえます。
建築基準法が大きく改正され、「震度6強~震度7の地震であっても倒壊しない」という基準が設けられたのは、1981年(昭和56年)6月1日のことです。そのため、それ以前の古民家は耐震性があまりなく、大きな地震の際には倒壊してしまうリスクがあります。また、1981年以降に建てられた住宅でも、保存状態によっては耐震性が低下していることもあり、購入する際には注意しなくてはなりません。
耐震診断の結果、耐震改修工事が必要となった場合、費用は数10万円~200万円程度といわれています。自治体による補助が受けられることがほとんどですが、出費がかさんでしまうことは、やはりデメリットといえるでしょう。
建物が劣化している可能性がある
見た目には問題はなくとも、建物が劣化している可能性があることも、古民家を購入しリフォームするにあたってのデメリットといえます。
外観がそれほど劣化していないように見えても、床下や壁裏、屋根など見えないところが予想以上に劣化していることもあり、リフォーム工事の途中で新たな劣化が見つかった場合は、補修のため追加の費用が発生してしまいます。予定外の追加工事が必要となれば、予算をオーバーしてしまう可能性もあり、当初予定していたリフォーム計画の変更を余儀なくされるかもしれません。
想定以上の建物の劣化は、ある意味で避けては通れない深刻な問題といえます。古民家を購入する際は建物の劣化に気を配り、なるべく追加の出費を避けたいものですね。
古民家リフォームの費用
それでは、予算別の古民家リフォーム費用を解説していきます!古民家の保存状況や築年数などによって金額がかなりちがってくるものの、一般的・平均的な範囲を想定してわかりやすく解説しました。古民家リフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください!
予算200万円でできること
予算200万円でできることは、おおまかに以下のようなリフォームとなります。
- キッチンや浴室・トイレ・洗面所などの水回りのリフォーム
- 壁・天井・床下などの断熱リフォーム
- 壁面の筋交い補強や耐震パネル補強といった耐震改修工事
- 床や壁紙の張替え
予算が200万円の場合は、リフォームする場所を絞った小規模なリフォームとなります。優先順位をつけて、希望するリフォーム工事をおこないましょう。キッチンや浴室などの水回りのリフォームは、日常生活をおくるうえでかなり満足度の高い人気のリフォームか所といえ、デザインの自由度も高く劇的にQOLが向上するのでおすすめです。
しかし、やはり気になるのは「耐震改修工事」といえるかもしれません。耐震診断の結果、耐震性に問題のある古民家では、まずは耐震改修工事を優先すべきです。一般的な戸建てのリフォームとちがい、古民家のリフォームは費用が高くなりがちなため、できる範囲が限られてしまいます。いずれにせよ、リフォーム工事や耐震改修工事に対する補助金をフル活用しながら、限られた予算のなかで納得の古民家リフォームをおこないましょう。
予算500万円でできること
予算500万円でできることは、おもに以下のリフォームです。
- 簡単な間取り変更
- 屋根・外壁の改修
- 内装の大がかりな改修工事
予算が500万円ある場合は、予算200万円と比較して中規模なリフォームが可能です。部屋を仕切る壁を取り払い広いLDKにするといった簡単な間取り変更や、屋根や外壁、内装の大がかりな改修工事などをおこなえるでしょう。
ある程度広い範囲でリフォームが可能なため、かなり快適な住み心地を得られる古民家へと生まれ変わることができ、デザインの自由度もさらに向上します。とくに、日常生活で長時間過ごすLDKを間取り変更などによって広くすれば、まるでオシャレな「古民家カフェ」のようにリフォームできるかもしれません。建物全体を改修するフルリフォームは難しいものの、内容の充実したリフォームが可能です。
予算1000万円以上でできること
予算が1000万円以上あれば、古民家のフルリフォームが視野に入ります。
- 柱と基礎以外を壊して建物全体を作り直す「スケルトンリフォーム」
- 耐震性や断熱性を現代の新築レベルまで引き上げる
など、部分的な改修ではなく古民家全体をリノベーションできるため、大胆な間取り変更とともに、機能性とデザイン性を兼ね備えた「夢の古民家」が手に入り、資産価値もかなり向上します。ただし、「スケルトンリフォーム」は古民家の大きさや築年数などによって費用が膨れ上がるため、2000万円以上必要なことも珍しくありません。
こだわりればキリがないのが古民家リフォームの難しいところではありますが、予算が1000万円以上あれば、現代の家と遜色ない住み心地を得られます。古民家に末永く住み続けるためにも、可能であればぜひおこなってみたいものですね。
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古民家リフォームの魅力を知って移住を検討しよう
ここ数年の「古民家ブーム」を背景に、移住先で古民家を自分好みにリフォームして、憧れのライフスタイルを実現させるという方が続々と増えています。古民家は取得費用も安く、リフォームや耐震改修工事には各自治体の補助金を活用できることが多いため、新築1戸建て購入よりもかなりお得といえるのです。
しかし、古民家リフォームには魅力とともに注意点やデメリットもあります。限られた予算のなかで納得の古民家リフォームをおこなうためにも、「できること・できないこと」、「メリット・デメリット」をしっかりと理解して、憧れのライフスタイルを手に入れてください。
古民家リフォームの魅力を知って、ぜひあなたも移住を検討しましょう!
※内容は2024年8月執筆時のものです。