福島県南相馬市は、県の北東部に位置する人口約5.5万人の移住先です。阿武隈山地の裾野から太平洋にわたって市域が広がり、海と山・市街地のバランスが整っていることから多様な移住生活が実現できます。沿岸部は東日本大震災の津波被害を受けましたが、復興が進みリアルタイムで街が新しく生まれ変わっており、若い世代や子育て世代を中心に移住者が増えている注目の移住先といえるでしょう。
実際に、宝島社の月刊誌『田舎暮らしの本』2月号「2025年版 住みたい田舎ベストランキング」で、以下のカテゴリーにおいて非常に高い評価を獲得したことは大きな話題となりました。
【人口5万人以上10万人未満のまち】
- 総合部門2位
【東北エリア】
- 総合部門 1位
- 子育て部門総合 1位
- 若者世代・単身者部門 2位
- シニア世代部門 6位
これらの高い評価によって、多くの方にとって魅力あふれる移住生活が実現できることでしょう。
今回は、福島県南相馬市移住の魅力やメリット・デメリット、利用できる各種移住支援、おすすめエリアを紹介します!ぜひあなたも福島県南相馬市の魅力を知って、移住を検討してみてください!
福島県南相馬市の魅力/メリット3選

まずは、福島県南相馬市の魅力・メリットを3つ紹介します!過ごしやすい気候と、海・山の自然に加え伝統文化も魅力です。ぜひ参考にしてください!
海と山の自然・伝統文化・市街地のバランスが整った移住先
南相馬市は海と山の自然が充実し、古くからつづく伝統文化とともに市街地のバランスが整った移住先です。市域の東側が太平洋に面していることから海岸線がつづき、「北泉海岸」や「烏崎(からすざき)海岸」は大会も開催される日本有数のサーフィンスポットとしても知られています。一方で西側は阿武隈山地(あぶくまさんち)の裾野となり、豊かな緑の景色が特徴です。
また、南相馬市は、いわき市以北の相双地域における最大都市であるため、市街地も充実しています。とくに、中心市街地を形成する「原町区」では商業施設も充実しており、便利な日常生活が送れるでしょう。さらに、南相馬市といえば、国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追(そうまのまおい)」が非常に有名です。相馬地方において約1000年つづく伝統行事は3日間にわたり開催され、約400騎の騎馬武者が先祖伝来の旗指物をなびかせながら疾走する時代絵巻は、大迫力かつ天下無比と称されるほどで、国内はもちろん海外からも大勢の見物客が訪れます。移住の際は、ぜひ最前列でその魅力を体験してみてください。
海と山の自然・伝統文化・市街地の充実という魅力をあわせもつ南相馬市は、多様なライフスタイルが実現できる素敵な移住先といえそうですね。
夏は暑すぎず冬は雪が少ない東北地方でも温暖な気候
南相馬市は年間平均気温が13.4℃と東北地方でも温暖な気候であり、年間を通して過ごしやすいことは移住先として大きな魅力です。
太平洋から吹く冷たい季節風「やませ」によって、8月の真夏であっても平均最高気温が28.2℃と涼しく、夏の暑さが苦手な方にとって大きなメリットとなります。また、雪のイメージがある東北地方ですが、南相馬市は雪が少なく冬場に数えるほどしか降りません。もし積もったとしても2~3日中に雪が溶けることがほとんどで、雪かき・雪おろしなどの作業は必要ないこともメリットといえるでしょう。
夏は暑すぎず、冬は雪が少ないという南相馬市の気候条件は、日々を過ごしやすいため移住先選びにおいて大きなアドバンテージとなります。極端な気候はイヤだという方は、ぜひ移住を検討してみてはいかがでしょうか?
起業支援や子育て支援が充実し若い世代の移住者が急増中
震災からの復興を猛スピードで進めるため、起業支援や子育て支援が非常に充実し、若い世代の移住者が急増していることも南相馬市の魅力・メリットといえます。
起業支援では、若い人材を誘致するため、最大600万円を助成してくれる「創業者支援事業助成金」を皮切りに、市や県・国が資金を強力にバックアップしてくれるため、新たなチャレンジが可能です。もちろんビジネス環境の整備にも力を入れており、「ゆめサポート南相馬」ではビジネスプランの作成や資金調達をサポートしてくれます。さらに、「Next Commons Lab南相馬」では、起業型地域おこし協力隊として多くのメンバーが活躍しており、地域課題の解決に興味がある方は、ぜひチェックしてみてください。
子育て支援では、18歳までの子ども医療費無料・所得制限なしの保育料無料・小中学校の給食費無料の「3つの無料」を実現し、経済的な負担を大きく軽減する支援がおこなわれています。住環境も良好で、子どもが安心して遊べる施設も多いため,子育て世代の方にとってかなり魅力的な移住先といえそうです。
これらの手厚い支援によって新たな移住者がどんどん増え、南相馬市ではかつての活気を取り戻しつつあります。それどころか、以前にも増して先進的な取り組みが多数実施されていることで、今後飛躍的な発展を遂げるポテンシャルを秘めており、まさに注目の移住先といえるでしょう。
福島県南相馬市のデメリット3選

福島県南相馬市の魅力・メリットにつづいて、ここからはデメリットにも着目していきます!メリット・デメリットの両方を理解して、失敗のない移住を実現させましょう!
公共交通機関が不便なため日常の足として車が必要
電車・バスなどの公共交通機関は、市内のどこでも行けるというわけではないため、日常生活において車が必要です。地方移住における移動の主役は車であり、現在車を所有していない方は、移住の際にぜひ車を購入しておきましょう。
都会であれば駐車場代等の維持費が気になるかもしれませんが、南相馬市での月極駐車場代の平均相場は7,000円程度と安く、スーパーなどの商業施設も無料で停められることがほとんどです。南相馬市での移住生活を不自由なく楽しむために、車は欠かせない存在といえるでしょう。
仕事の選択肢が限られており都会より収入が低くなる傾向
南相馬市は都会と比較して仕事の選択肢が限られており、収入が低くなる傾向が顕著です。大企業は別として、地元の中小企業などの給与はその土地の物価と連動していることが多く、こればかりはどうしようもありません。
都会からの移住の場合、以前よりも収入が低くなることを見越して生活設計をおこないましょう。また、必要に応じて副業等を視野に入れてみるのもよさそうですね。
近隣に大学がなく進学の際は市外で1人暮らしする必要がある
南相馬市には近隣に大学がないため、子どもの進学の際は市外へ出て1人暮らしする必要があることもデメリットといえそうです。最寄りといえる4年制大学は、福島市にある福島大学や宮城県の仙台大学などですが、車で1時間以上必要なため、子どもの通学としてはあまり現実的といえません。
もちろん、最寄りの大学が遠いのは南相馬市に限ったことではありませんが、子どもの大学進学を考えるうえで、事前に理解しておきましょう。
福島県南相馬市移住の際に利用できる補助金・支援金、サービス
つづいて、福島県南相馬市移住の際に利用できる各種補助金や支援金も3つ紹介します!移住支援がかなり充実しているため、ぜひ活用してください!
最大200万円以上!東京圏からの移住者必見「福島県12市町村移住支援金」
東京23区内在住者または通勤者の方が,南相馬市へ移住し就業・起業・テレワーク・関係人口などの要件を満たすことで、最大200万円以上を支給してくれる大規模な移住支援事業です。
こちらは全国で実施されている移住支援事業ですが、かつて東日本大震災の原発事故にともなう避難指示の対象となった、南相馬市を含む福島県内12市町村においては、他地域と比較して2倍の支援金が支給されます。
非常にお得な支援金のため、詳細は下記のリンク先をぜひチェックしてみてください。
【支援金の額】
- 単身世帯 120万円
- 2人以上の世帯 200万円
18歳未満の子どもを帯同した移住の場合、子ども1人につき100万円を加算。
最大600万円!起業を通じて新たなチャレンジ!「創業者支援事業助成金」
南相馬市で起業・創業をおこなう移住者に対し、事業を営むうえで必要な経費のうち、年額500万円(特定条件を満たすと600万円)を助成してくれる制度です。震災からの復興が猛スピードで進む南相馬市では、新たなチャレンジをしたい若い世代の移住者が増えており、多くの方がこちらの支援を受けています。
公募期間は決まっているものの、基本的に毎年公募があるため、新たに起業・創業してみたいという方は、ぜひこまめに情報をチェックしてみてください。
※特定条件
旧避難指示区域内(小高区および原町区)での創業、またはベンチャーキャピタル等からの資金調達をおこなっている創業者。
まだまだ盛りだくさん!超充実の「移住支援&子育て支援」
南相馬市では、かなり多くの移住支援や子育て支援が実施されており、まさに至れり尽くせりの内容です。こちらではその一部を抜粋し紹介します。この他にも多岐にわたる支援があるので、南相馬市への移住に興味がある方は、ぜひ一度目を通しておきましょう。
【南相馬市お試しハウス】
宿泊料無料で、2泊以上10泊以内のお試し移住ができる移住体験施設。
【移住検討者市内活動交通費支援補助金】
移住検討者が市内で移住活動をおこなう際に利用した、レンタカー(上限13,200円)およびタクシー(上限19,860円)の料金を助成。
【移住者自動車運転講習支援事業】
ペーパードライバー講習の受講料として、講習1回あたり上限5,610円を3回まで支援。
【子ども医療費助成事業】
18歳までの保険診療による子ども医療費が無償。
【在宅保育支援事業】
満3歳未満の子どもを保育園等に預けず、家庭で保育をおこなう保護者に対し子ども1人あたり月額1万円を支給。
参考:南相馬市移住定住課
福島県南相馬市移住でおすすめのエリア3選
それでは、福島県南相馬市移住でおすすめのエリアを3つ紹介します!市内は大きく3つのエリアに分かれ、それぞれちがった個性が魅力です。叶えたいライフスタイルにあわせてぜひ参考にしてください!
市の中心地として暮らしやすさ抜群!「原町区」周辺エリア
南相馬市の中心地である「原町(はらまち)区」は、市街地が広がっているため抜群の暮らしやすさを誇ります。JR常磐線・原ノ町駅周辺がもっとも栄えているものの、郊外であっても「南相馬ジャスモール」や「VIA FRESCO(ヴィア フレスコ)」といった複合商業施設があり、暮らしに不自由することはなさそうです。
また、相馬地方で広く実施される伝統行事、「相馬野馬追(そうまのまおい)」の主要な神事の多くが原町区でおこなわれ、毎年7月には国内外から多くの見物客でにぎわいます。1000年つづく伝統行事に参加できることも、原町区移住の魅力といえそうですね。
南相馬市で、市街地の利便性と「相馬野馬追」を間近で体験してみたい方は、原町区をぜひ検討してみてください。
落ち着いた田舎暮らしがしたい方は「鹿島区」周辺エリア
市域北部の「鹿島(かしま)区」は、のどかな田園風景が広がる田舎エリアとして、スローライフを実現したい方におすすめです。JR常磐線・鹿島駅周辺は住宅街となっており、スーパーやホームセンター・コンビニなどが点在しているため暮らしに不便ということはなく、国道6号線や県道120号線を南下すれば、15分ほどで原町区の中心地へアクセスできます。
鹿島区のおすすめスポットとして、「セデッテかしま」は常磐自動車道のSAですが一般道からもアクセスでき、子どもの遊び場やドッグランが併設されており、ちょっとしたお出かけにピッタリです。また、「烏崎(からすざき)海浜公園」はサーフィンスポットとして有名で、海岸沿いに置かれたベンチからのんびりと海を眺められます。相馬地方の伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」の時期が近づくと早朝は馬の調教場となり、朝陽とともに駆け回る馬の姿が見られるので、早朝の散歩コースとしてぜひ訪れてみてください。
田園風景や海の景色を眺めながらスローライフが実現できる鹿島区も、南相馬市移住でぜひおすすめのエリアといえるでしょう。
新たな交流拠点が続々誕生する注目の場所「小高区」周辺エリア
市域南部の「小高(おだか)区」は、震災における福島第一原発事故の避難指示により一時は住民がゼロになったものの、避難指示解除後は徐々に人が戻り、新たな交流拠点が続々誕生している注目のエリアです。
JR常磐線・小高駅近くにある「小高交流センター」は、イベントスペースやコワーキングスペース・カフェ・ジムなどが併設された地域住民の憩いの場であり、さまざまなイベントが開催されています。起業家向けのスペースもあり、新たなチャレンジがしたい方にとっては心強い拠点となるでしょう。
コンパクトな市街地の周りには田園風景が広がり、のどかな暮らしも可能です。農産物直売所「小高マルシェ」や、「小高区子どもの遊び場 NIKOパーク」といった子どもの遊び場も充実し、子育て世帯の方にとっても安心の環境といえます。もちろん、スーパーやコンビニなどはひと通りそろっており、新しく創業されたオシャレなお店も多いので、楽しい日常生活が送れそうです。
小高区は起業や子育て環境が充実し、今後の発展が非常に楽しみなエリアとして、ぜひおすすめといえるでしょう。
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福島県南相馬市の魅力を知って移住を検討しよう

福島県南相馬市は、海と山・伝統文化・市街地のバランスが整い、過ごしやすい気候も魅力の移住先です。震災からの復興が進み、充実した移住支援が実施されていることから若者や子育て世代を中心に移住者が増えています。起業や創業といった新たなチャレンジもしやすい環境といえ、今後ますます移住先としての人気が高まっていきそうです。
福島県南相馬市の魅力を知って、ぜひあなたも移住を検討しましょう!
※内容は2025年2月執筆時のものです。