近年は働き方が多様化し、フリーランスや副業などさまざまな働き方が尊重されるようになりました。その中でも特に注目を集めているのが「早期リタイア」です。現在働いているビジネスパーソンの中には、早期リタイアして自由に暮らしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、準備すべきことや必要な貯蓄額を知らなければ、具体的な計画を立てられず、自由に暮らすチャンスを逃してしまいます。
早期リタイアを実現するためには、メリット・デメリットや準備すべきことを理解したうえで計画的に暮らす必要があります。そこで今回は、早期リタイアに必要なことを詳しく紹介します。必要な準備事項を押さえて、自由な生活を手に入れる第一歩を踏み出しましょう。
早期リタイアとは?
早期リタイアとはその名の通り早い段階でリタイア、つまり退職をすることです。以下では、早期リタイアの詳しい意味やセミリタイアとの違いを紹介します。
早期リタイア(FIRE)の意味
早期リタイアとは、定年を待たずに退職をすることを指します。早くリタイアをするためにはそれなりの貯蓄をする必要があり、生活費を蓄えておかなければ退職後の生活は成り立ちません。また、近年では早期リタイアを「FIRE」とも呼びます。FIREとは「Financial Independence,Retire Early」の略で、経済的自立と早期リタイアを意味します。
FIREは生活費の蓄えのみならず、投資をベースにした資産形成により早期退職を目指すものです。従来の早期リタイアよりも少ない資産で、若いうちからの退職を目指せると注目されています。実際に20代の頃から毎年少しずつ中古マンションを購入し、40代の若さで早期リタイアをした方もいます。不動産投資ではお金を借りて物件を購入するのが基本ですが、家賃収入をしっかり考えれば生活が苦しくなることは少ないでしょう。
セミリタイアとの違い
早期リタイアは退職後全く仕事をせず生活することを指しますが、セミリタイアは早期退職後もアルバイトやフリーランスなどで一定の収入を得ながら生活をするのが特徴です。早期リタイアより自由な時間は減りますが、一定の収入を得られるため安心して生活できます。
不動産投資や株式投資で収入を得ながら、足りない分をアルバイトなどで補って生活している方が多いです。現在ではYouTubeなど自宅にいながら収入が得られる仕事も多く、セミリタイアは人気があります。
早期リタイアのメリット
早期リタイアは、自由に暮らせることやストレスから解放されることなどが大きなメリットです。例えば、早期リタイアをしてゆったり田舎暮らしを楽しんだり、子育てを終えた段階で移住をして夫婦2人の生活を満喫したりできます。
暮らす場所を自由に選択できる
早期リタイアすると生活拠点を会社に合わせずにすむため、好きな場所で生活できます。早期リタイア成功者の中には、不動産収入を得ながら海外で暮らしたり好きな土地で人生を謳歌したりしている方も多いです。
早期リタイア後は好きな場所への移住も選択肢の1つに挙げられます。移住先として人気があるのは自然に囲まれつつアクセスもよい長野県。長野県ではゆったりとしたスローライフが送れることはもちろん、都会へのアクセスもよく便利に暮らせます。また、都会の生活から離れられる沖縄や北海道なども人気です。
今まで生活していた土地と全く異なる場所に移住すると、新しい価値観に触れることもできます。移住先によっては補助金や支援制度もあり、手厚いサポートを受けられる可能性が高いです。人気のある長崎県では「長崎県移住支援金制度」などが用意されています。
参考:東京から長崎県へのUIターンを考えている方向けの補助金
働くストレスから開放される
早期リタイアをすれば、働くストレスから解放されます。会社に勤務をしている方は、どうしても働くことにストレスを感じてしまう場合も多いでしょう。しかし、働かなければ生活はできないためやはりストレスは溜まってしまう一方に。しっかり計画を立ててから早期リタイアをすればお金の心配をすることもなく、毎日会社に行くストレスから解放されるでしょう。
決められた時間に何かをしなければならないこともなく、時間に縛られずにストレスフリーで生活できるのも大きなメリットです。そのためにも、準備の段階で資産形成をしっかり行いましょう。
自由な時間が増える
早期リタイアをすれば会社に行く必要もなくなり、自由に使える時間がグッと増えます。今までは休日やあいた時間にしかできなかった趣味も、好きなときに好きなだけ楽しめるのが魅力です。また、自己投資・家族・新しいことへのチャレンジにも時間を使えるため、心穏やかに毎日を過ごせるようになります。
特に仕事が忙しくて自由な時間がなかった方は、今まで時間がなくてできなかったことや家族との関わりにたっぷりと時間を使えるようになるはずです。
早期リタイアのデメリット
早期リタイアにはさまざまなメリットがある一方、注意しなければならないデメリットもあります。デメリットを理解できていなければ、思わぬ失敗に繋がってしまいます。例えば十分な貯蓄があると思って会社をやめても、途中でお金が足りなくなり苦しい思いをするケースが多いです。
サラリーマン時代に立てた計画が上手くいかず、失敗に終わってしまう方も少なくありません。こうした失敗を防ぐためにも、デメリットとしっかり向き合っておきましょう。
毎年資産が減っていく
早期リタイアには思っている以上の生活費が必要です。リタイア後に今までと同じ生活をしていくだけのお金に加え、何かあったときのための貯蓄も必要です。保険や年金なども自分で払わなければならず、毎年資産が減っていってしまいます。「地方で暮らせば生活費が安くすむ」と考え少なめの資産しか用意していない場合には、後々生活が困窮する可能性が高いです。
生活コストを下げて生活しようと考えている方も、余裕を持った資産を用意しておかなければなりません。資産運用をしながら生活をしたいと考えているのなら、インフレや円安に影響を受ける場合もあります。資産を減らしたくない方は余裕を持ってお金を用意しておくか、リタイア後も上手く資産を運用できるシステムを構築しておきましょう。
受け取れる年金額が減る
早期リタイアをした場合、退職後に支払うのは国民年金となります。会社員時代に支払っていた社会保険と違って全額を自己負担しなければならないだけでなく、会社員を続けるよりも受け取れる年金が少なくなります。定年退職をした場合と比べると約2,000万程度も差が出るとされているため、それ相応の資金を用意しておきましょう。
また、国民年金の受給額が減る分だけ個人年金をかけておくのもおすすめです。月単位で積み立てたお金を老後に受け取れるため、若いうちから利用しておくと貰える年金額をグッと増やせます。
社会的地位が下がる
会社員を辞めてしまうと、周りから評価されたり感謝されたりする機会が減ります。それにより承認欲求が満たされない、やりがいがなくなるなどと感じる方にとってはデメリットとして挙げられるでしょう。また、社会的な地位も下がってしまう可能性が高く、同じレベルの会社への再就職が難しくなるのもデメリットです。さらにはローンが組めない、クレジットカードが作れないなど信用を得にくくなります。
ただし、計画的に退職をすれば再就職をする必要はなく、新たにクレジットカードやローンを組むこともありません。そのため、早期リタイアで失敗しないためには計画を立てることが非常に重要となります。
早期リタイアするために必要なこと
早期リタイアは会社を辞めて新たな一歩を踏み出すためのもので、計画を立てたり資産形成をしたりすることが非常に重要です。以下で詳しい内容を解説するので、早期リタイア検討中の方はチェックしてみてください。
早期リタイアの目的を明確にして計画を立てる
まずは、早期リタイアの目標をできるだけ明確に設定しましょう。例えば退職後に移住する場所の物価や生活費の目安、どんな生活をしたいかなどをイメージします。年に1回は旅行に行きたいと考えているなら、旅費も計算に入れて資金を用意しなければなりません。
また、リタイア後にやりたいことなども計画しておきましょう。内容によっては資金が必要な場合があるため、計画の段階で細かく練っておくのがおすすめです。リタイア後の目的や生活のイメージがしっかりできると、必要な予算が分かります。
貯蓄や資産形成をする
ライフプランを立てたあとは、理想の生活をするために必要な金額を算出しましょう。まずは年間でかかる生活費を算出し、寿命年齢までの必要想定額をシミュレーションします。移住先などによっても家賃相場や生活費が異なるため、事前にどこに住むか決めておくのが大切です。必要想定額が分かったら、その資金をどうやって用意するのか考えます。
例えば、現在の給与を多めに貯蓄・投資・副業などが挙げられます。資産形成の方法にはさまざまなものがありますが、早期リタイアを考えているのであれば効率よく進められるものを選びましょう。時間のかかるものだと、資産形成や貯蓄ができる前に定年の歳に近づいてしまいます。効率よくお金を用意したいなら、以下の資産形成の方法を参考にしてみてください。
- 不動産投資
- 投資信託
- 式の積立運用
資産形成は難しく考えがちですが、行動に移さなければ何も始まりません。早期リタイアのための資産形成ならハイリスクハイリターンなFXなどよりも、コツコツと資産形成できる投資信託や株式投資がおすすめです。上記のような資産形成なら、リタイア後に移住をした先でも継続して行えます。また、早期リタイアはしっかり計画を練ってお金を用意しても、失敗する可能性はあります。いざというときに頼れる親族がいるかどうかも確認しておきましょう。
趣味やコミュニティを見つける
計画を立てて必要経費を貯める目処が立ったら、メリハリのある生活ができるように趣味やコミュニティを見つけましょう。
リタイア後は会社に通うことがなくなり、社会から孤立したと感じてしまう方もいます。そのため、周りとのコミュニケーションが取れるような趣味を見つけるのがおすすめです。移住先でコミュニティに参加したり、年齢を重ねても続けていけるような趣味を探してみましょう。
早期リタイアして理想のライフスタイルを実現しよう
今回は早期リタイアとはどんなものか、必要なものやメリット・デメリットなどを詳しく紹介しました。早期リタイアに対して不安を感じている方は多いですが、しっかりと計画を練って実行すればストレスフリーの生活が送れます。今の生活に窮屈さを感じている方は、ぜひ本記事を参考に早期リタイアや好きな場所への移住を検討してみてください。早期リタイアをすれば、きっと理想のライフスタイルに近付けるでしょう。