世界遺産「熊野・熊野古道」で知られる和歌山県。「熊野・熊野古道」の中でも、「熊野三山」、「熊野古道」、「那智の滝」は、フランスで最も権威ある旅行ガイドでも高い評価を受け、世界的にも有名な地となりました。
このような観光地としてのイメージが強い和歌山県ですが、海・山・川の大自然に恵まれ、美味しい農作物や海産物も楽しめる住むのにも魅力的な地域です。家賃や物価が安いので、節約できた分で趣味やレジャーを楽しむこともできるでしょう。
そこで、今回は和歌山県の魅力、移住する際の注意点、おすすめ地域、そして和歌山県の移住支援などの情報収集に便利なサイトを紹介します。和歌山県への移住に興味がある方は参考にしてみてください。
和歌山県に移住する魅力とは?
和歌山県への移住にはどんな魅力があるのでしょうか。ここでは和歌山県の特徴について紹介します。
雄大な自然と世界遺産が楽しめる
和歌山県は世界から観光地として注目されています。その要因の一つは、世界遺産「熊野・熊野古道」にあります。中でも「熊野本宮大社」、「熊野速玉大社」、「熊野那智大社」の3社と「那智山青岸渡寺」1寺の総称である「熊野三山」、そして「那智の滝」は人気のスポットです。
この神秘な雰囲気漂う世界遺産に加え、和歌山県は海・山・川と自然の宝庫でもあります。海水浴やダイビングはもちろん、釣り、カヌー、ラフティングなど大自然を満喫できます。熊野古道や高野参詣道のトレッキングも楽しめるでしょう。
そしてもう一つ、和歌山県に住むと嬉しいことは「日本三古湯」に数えられる「白浜温泉」、「日本三美人の湯」とうたわれる「龍神温泉」、熊野詣の参拝者を癒す「熊野本宮温泉郷」などの名湯が県内にいくつも点在していることです。温泉でくつろぐ贅沢な時間を過ごすことができます。
世界遺産に大自然、さらに温泉と、和歌山に移住すると充実した日常を送れそうです。
安価で新鮮な食材を楽しめる
和歌山県では農業、水産業がさかんに行われています。収穫量で全国上位の食材もたくさんあります。和歌山県と聞くと「みかん」を思い浮かべる人も多いでしょう。実はそれ以外にも「うめ」「かき」「はっさく」「いちじく」も収穫量全国1位です。他にも「もも」「すもも」「キウイフルーツ」なども上位となっています。
野菜では「グリンピース」が収穫量全国1位。他にも「だいこん」「新しょうが」があります。肉では「熊野牛」が有名です。海の幸では「いせえび」「たちうお」「養殖あゆ」「しらす」「マグロ」が有名です。
このような新鮮な食材を安価で楽しめる、それも和歌山県の魅力の一つです。
待機児童が少なく、子育て世帯が暮らしやすい
厚生労働省が発表した2021年4月1日時点の和歌山県の待機児童数は22名、全国でも上位です。参考として、東京では7,939名、大阪では1,724名です。待機児童が少ないということはそれだけ子育て中の保護者が働きやすい環境にあると言えるでしょう。
子育て支援も充実しています。子育て情報や相談窓口など子育てに関する情報をまとめたホームページ「わかやま子育ての広場」が開設されています。また2人以上の子どもを育てている家庭の負担を軽減するための「紀州っ子いっぱいサポート事業」も行っています。これには所得制限付きですが保育所や認定子ども園などの保育料や食材料費を助成する「保育料および食材料費助成」、一時預かりなどの「育児助成事業」があります。
待機児童も少なく、子育て支援も充実しているのが和歌山の魅力です。
和歌山県に移住する際の注意点
和歌山県へ移住する前に知っておきたい注意点について紹介します。
下水道の普及率が低い
総務省統計局の調査(最新2017年)において、和歌山県の下水道普及率は27.1%と全国で2番目に低い数字となっています。全国平均が78.7%であることからも和歌山県の下水道普及率が低いことがわかるでしょう。下水道の普及率が95%を超え、下水道のあるのが当たり前の都心から移住する場合は、下水道がないことにおどろかれるかもしれません。下水道が気になる場合は、移住先の下水道状況をあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
台風の上陸数が多い
和歌山県は台風の上陸数が多いことも知っておく必要があるでしょう。気象庁の1951年~2021年20号までの和歌山県の台風上陸数は24個と鹿児島、高知に続いて第3位です。台風に慣れていない地域から移住する場合は、あらかじめ知識として台風対策を調べておいたり、移住先で台風対策を教わろうという心構えでいたほうがいいでしょう。
コンビニが少ない
最新のデータが2014年と少し古いものですが、総務省統計局の調査で人口10万人当たりのコンビニエンスストアが21.8店と全国で2番目に低い数字となっています。全国平均27.6店、東京32.2店と比較するとコンビニエンスストアの数が少ないことがわかるでしょう。田舎では歩いて行ける距離にコンビニエンスストアがないことは想像できるかもしれませんが、店舗数が少ないということは車で行く場合でもコンビニエンスストアがなかなかない見つからないという状況もありえるかもしれません。コンビニエンスストア中心の生活をしてきた人は、移住希望先に車で簡単に行けるコンビニエンスストアがあるかどうか確かめておくことをおすすめします。
和歌山県に移住する際におすすめの地域
ここではおすすめの移住先を紹介します。
参考:和歌山県の公式サイトより
「和歌山市」トカイナカとして人気
和歌山市は和歌山県の県庁所在地です。紀州徳川家の城下町として発展しました。「トカイナカ」と呼ばれる都会と田舎の良いところ(アクセスは都会より、時間の進みは田舎より)を持ち合わせた地域として人気の移住先となっています。
車でも鉄道でも関西国際空港まで約40分、大阪市内への移動も1時間程度なので大阪市内への通勤、買い物ができ便利です。一方で街のシンボル、桜や紅葉の名所「和歌山城公園」、日本名城100選に選定されている「和歌山城」などの歴史的名所もあり、歴史と自然の融合する街でもあります。
また保育施設が充実し待機児童数はほぼゼロです。救急告示病院数や従事医師数が全国平均を大きく上回っていて和歌山県立医科大学付属病院などの大病院があります。このように生活しやすい環境が整っているのも移住先としての魅力です。
子育て支援としては、所得制限付きで中学校修了前の児童対し、例えば0~3歳未満には月額1万5000円を支給する「児童扶養制度」、所得制限付きでひとり親家庭などの18歳以下の子どもの保険診療自己負担額を助成する「ひとり親家庭等医療費助成制度」などがあります。
移住支援としては、市外から転入して三世代で新たに同居又は近居するための住宅を取得する場合やリフォームする場合などに費用の一部(住宅取得又はリフォーム工事にかかった費用の10分の1 1戸あたり30万円上限)を助成する「和歌山市転入型三世代同居・近居促進補助金」などがあります。
参考:和歌山市公式サイト
参考:和歌山市移住定住支援サイト
「岩出市」和歌山市や大阪への交通アクセス良好
「活力あふれるまち ふれあいのまち」岩出市。和歌山市の中心部から約15km、大阪都心部から約50km、関西国際空港からは約30kmの距離に位置し、大阪府や和歌山市のベッドタウンとして人気のまちとなっています。広域幹線道路の整備に伴い、大型店舗やロードサイドショップの進出が相次ぐなど和歌山県の玄関都市となっている一方、北部には緑豊かな和泉山脈が連なり、南部には紀の川が流れ、また国宝大塔をはじめ文化財の宝庫でもあります。
子育て支援としては、保護者の所得制限なしで中学卒業までを対象とした「子ども医療費助成制度」、「ひとり親家庭等医療費助成制度」、ひとり親家庭の生活の安定と自立を助け、児童の福祉の増進を図ることを目的とした「児童扶養手当」などがあります。
岩出市では令和3年3月に策定された「第3次岩出市長期総合計画」において、基本目標1を「住んでよかったと思えるまちづくり」としています。公共インフラによる都市基盤整備や公園整備によるゆとりとやすらぎの創出、一方で、まちの都市化により、道路整備や農地の宅地化が進む中、自然環境を維持し、農地などの田園風景との調和を保つことも重要としています。そして岩出市は都市の風格をもち、自然環境と共生した、人が集い、にぎわいのあるまちを目指し、市民が“住んでよかったと思えるまちづくり”に取り組むとしています。このような取組みも岩出市の魅力です。
参考:岩出市公式サイト
「田辺市」県南部の経済・産業の中心地
「未来へつながる道」田辺市。海・山・川の大自然、龍神温泉や湯の峰温泉など有名な温泉資源、そして世界遺産「熊野古道」や「熊野本宮大社」など歴史的文化資源を数多く有する地域です。一方で和歌山県の南部の経済・産業の中心地であり、市街地にはスーパーや病院、飲食店が揃っています。また、ほぼ市内全域に光ファイバー網が整備されており、テレワークに最適なところも田辺市の魅力です。
子育て支援としては「田辺市みんなで子育て応援プログラム」があり、出産前の支援、出産時の支援、0歳からの支援、1歳からの支援、就学後からの支援、ひとり親家庭への支援と、子どもの年齢や状況に応じた支援内容がいくつも用意されています。支援内容と対象年齢を色分けして表示しているプログラムの一覧表がホームページに掲載されているので、自分がどの支援の対象になるかもわかりやすく便利です。
移住支援としては、移住等に関する要件など条件を満たした移住者に移住支援金交付金額、単身の場合60万円、2人以上の世帯の場合100万円が交付されます。
参考:田辺市公式サイト
「海南市」交通アクセスが良好
「元気・ふれあい・安心のまち」海南市。熊野古道や4つの国宝建造物など、多くの文化財に恵まれている一方、海南駅には全ての特急列車が停車し、高速道路のICも3つあるなど都会へのアクセスが良好であり、自然と利便性のバランスがとれた地域です。
子育て支援としては、子どもの保険診療で受診した医療費の自己負担分を助成する「子ども医療費助成制度」、海南市に住む児童を対象に一定額を限度とし給食費を無償化する「未就学児の給食費の無償化」、ひとり親家庭で18歳以下の子供が保険診療で受診した医療費の自己負担分を助成する「ひとり親家庭医療費助成制度」、ひとり親家庭等に対しファミリーサポートセンター※の利用料金の半額を助成する「ひとり親家庭等育児支援事業」があります。
※ファミリーサポートセンターとは安心して子育てが出来ることを目指して、育児の援助を受けたい方(依頼会員)と援助を行いたい方(提供会員)が会員登録を行い、地域で助け合う会員組織です。
移住支援としては、市外からの移住者が、転居または移住に伴い、空家を購入または譲り受けて、リフォーム工事を行う場合の費用を補助する制度「海南市空き家リフォーム工事補助事業」があり、補助金額は、市外からの移住者にリフォーム工事費の3分の2(上限90万円)となっています。
参考:海南市公式サイト
「新宮市」大型ショッピングセンターもあり買い物が便利
「海・山・川が輝く 世界遺産のまち」新宮市。和歌山県、奈良県、三重県の県境が接する紀伊半島の東南部にあり、太平洋に面しています。また熊野川川舟下り、熊野三山へと続く世界遺産「熊野古道」、郷土色豊かな祭りが一年を通して行われていることなど、自然、世界遺産、祭りと楽しむものがたくさんある地域です。自然がある一方でイオンモールやスーパーセンターオークワなどのショッピングセンターもあり買い物にも便利なところも新宮市の魅力です。
子育て支援としては、子育ての手助けをしてほしい「利用会員」に手助けしたい「サポート会員」を紹介し、一時的にお子さんを預ける、地域の中で子育てネットワークを広げる会員組織「しんぐうファミリー・サポート・センター」を運営しています。
移住支援としては和歌山県と共同で行っている首都圏から新宮市に移住した方がマッチング支援対象の求人を充足して定着に至った場合など、条件を満たした時に和歌山県移住支援事業における移住支援金を支給される制度があります。交付金額は2人以上の世帯の場合が100万円、単身世帯の場合が60万円となっています。
参考:新宮市公式サイト
和歌山へ移住する際に知っておきたい補助金や支援制度
和歌山県では県外からの移住希望者に県が支援する制度があります。「くらし」「しごと」「住まい」「子育て」、それぞれについて紹介します。
くらし
くらしのサポートの1つは若者移住希望者に都会との時間の使い方や働き方の違い、移住後の生活に実感を持ってもらうための「しごと」のある「くらし」体験があります。1泊2日から無料で「起業・就農コース」と就業前に体験できるわかやまの転職「就労コース」の2つがあります。もう一つのサポートは首都圏に居住し、移住推進市町村への移住を検討している方の居住地から訪問地までの往路交通費を最大2万円が支援されるというものです。
しごと
「起業・農林水産業支援」は移住起業者に最大100万円の補助金、農林水産業補助金は最大50万円、それぞれの地域にある課題を解決するための起業に対する地域課題解決型起業支援補助金は最大300万円となっています。「継業支援」は移住者が地域の「なりわい」を引継ぎつつ新たな視点で再活性化して、地域で継続できる「なりわい」を営むへの継業補助金として最大100万円、また後継者を求める事業主とそれを受け継ぐ移住者をマッチングする継業支援プロジェクトがあります。
住まい
空き家バンクに登録している人に「家の片付け補助金」が最大8万円補助されます。また和歌山県での住まいとして空き家を改修する場合は「空き家改修補助金」が最大80万円補助されます。
子育て
和歌山県では保育料支援、在宅育児支援の両方から子育てをサポートしています。また和歌山県教育委員会のホームページがあり、転入学・編入学・奨学金制度などを紹介しています。
和歌山県の情報を集めるのに便利なサイト
ここでは和歌山県への移住に関する情報を集めるのに便利なサイトを紹介します。
わかやまLIFE | 和歌山県公式移住ポータルサイト
和歌山県への移住に関する基本的な情報が掲載されているサイトです。「イベント情報」にはオンラインでの移住相談や就業相談、セミナーなどが紹介されています。「しごと」では農林水産業の仕事がしたい、起業したい、就業したいなど、やりたいことに合わせて補助金や仕事探しの方法を紹介しています。「住まい」では空き家情報や空き家支援などの情報、「地域の特徴」では各市町村の紹介、「移住者インタビュー」では移住した場所や単身移住、海の暮らしなどのタグからインタビューを探せるので、移住したい地域や移住する目的などによって閲覧したいインタビューを探しやすくなっています。
和歌山県の移住について興味を持ったら最初に訪れるといいでしょう。
はたらコーデわかやま
和歌山県再就職支援センターが行っている和歌山県での就業先を紹介するサイトです。Uターン、Iターン就職や再就職についての相談、キャリアコンサルタントや専門の相談員による相談・適職診断などを行っています。オンラインによる合同企業説明会などのイベント情報も掲載しています。東京圏在住からの和歌山県移住で条件にあった方に支給される移住支援金についての説明も掲載されているため、移住して和歌山県で就職を検討している方は一度チェックしてみるといいでしょう。
参考:はたらコーデわかやま
和歌山県公式観光サイト
公益社団法人 和歌山県観光連盟が運営している和歌山県公式観光サイトです。和歌山市近郊エリア、高野山エリアなどエリアごとの見どころや人気の観光スポットの紹介、和歌山県の様々な魅力に焦点を当てた特集記事、グルメやモデルコースなどのお役立ち情報が掲載されています。移住すれば気軽に訪れることができる観光スポット。移住する前にお気に入りのスポットがあるかどうか知っておきたい方におすすめのサイトです。
参考:和歌山県公式観光サイト
和歌山県に移住して、ワークライフバランスを実現しよう
和歌山県には世界遺産、大自然、温泉、そして安価で新鮮な食材があるので、プライベートが充実すること間違いなしです。仕事中心の毎日から抜け出せずに悩んでいる人は、和歌山県に移住してワークライフバランスを実現してみてはいかがでしょうか。