移住コラム

後悔しない中古物件の選び方と確認すべきポイント。移住支援制度やリフォーム会社の選び方を解説

移住するにあたり、中古物件の購入を検討中ではありませんか?引っ越しが楽な賃貸物件や自分で間取りを決められる新築とは違い、中古物件は選び方を誤ると大きな後悔を招きます。移住後に快適な暮らしを送るためには、しっかりポイントをおさえて選ぶことが大切です。

そこで今回は、中古物件の選び方について詳しく解説します。また、移住先の中古物件の探し方や利用できる支援制度なども紹介するので、あわせて参考にしてみてください。

どうやって見つける?良い中古物件の探し方

中古物件を探すときは、「SUUMO」「アットホーム」などの民間サイトを利用するのがおすすめです。民間サイトは価格や立地などをまとめて閲覧できるので、手間をかけずに情報収集できます。また、サイトによっては画像や動画が掲載されていることもあり、物件の状態を確認しやすいのもメリットです。

「空き家バンク」を利用するのもおすすめです。空き家バンクとは、空き家の所有者と移住者をマッチングするサービスのことです。民間の不動産会社やサイトには記載されていない物件情報もあるので、一度チェックしておくとよいでしょう。

また、空き家バンクでは物件がある地域の特徴や仕事に関する情報も提供してくれます。移住後の暮らしがイメージしやすくなり、スムーズに移住生活をスタートできるでしょう。

中古物件の選び方と確認すべきポイント

中古物件を選ぶときは、以下7つのポイントをおさえておきましょう。

  • 劣化状況を確認する
  • 耐震性を確認する
  • 配管や水漏れなど水回りを確認する
  • 電気のアンペア数や配線などを確認する
  • リフォームを検討するなら、再建築が可能か確認する
  • シロアリの被害はないか確認する
  • 建物以外にも周辺環境を確認する

それぞれ詳しく解説します。移住後の暮らしを理想のものにできるよう、チェックしてみてください。

劣化状況を確認する

建物は年月が経つとともに様々な部分が劣化してきます。そのため、劣化の度合いが激しいとリフォームの検討が必要になり、移住にかかる費用が増える恐れがあります。

建物がどれくらい劣化しているのか、事前に確認しておくのがおすすめです。

劣化状況を確認する際は、はじめに外観に注目してみましょう。

外観は風や雨、紫外線などを常に受けているので、内部よりも劣化しやすく補修費用も高額なケースが多いです。また、防水機能も低下するので、水漏れが起きやすいというリスクもあります。ひび割れやカビが発生していないか、まずは外観をよく観察するとよいでしょう。

加えて、内観ではトイレやお風呂などの設備は使えるのか、壁紙を張り替える必要はあるのか、この辺りを中心に見回ってみてください。特に水回りの工事は水道管の交換などが必要になるケースがあり、費用が高くなる恐れがあります。注意して見ておくと良いでしょう。

耐震性を確認する

中古物件の中には、築年数がかなり経過しているものもあるでしょう。古い住宅は耐震基準を満たしていない可能性があるので、大きな地震が起きたときは倒壊する恐れがあります。安心して暮らせる物件かどうか、耐震性も必ず確認するのがおすすめです。

耐震性を調べる方法としては、「建築確認済証」の発行日で確認できます。発行日が新耐震基準が施行された1981年6月1日以降であれば、震度5強レベルなら軽い損傷、震度6強〜7レベルであれば倒壊は免れることを目標に建てられています。

1981年より前に建てられた物件は耐震性が不十分なため、耐震改修または建て替えが必要となるでしょう。ただし、築年数がかなり経過している中古物件でも、補修工事を行い耐震性をクリアしている場合もあります。補修工事の有無もチェックしておきましょう。

中古物件の耐震性は、不動産業者でも確認できます。気になる物件を見つけたときは、耐震性についても触れてみてください。

参考:国土交通省「Ⅰ 住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題」

配管や水漏れなど水回りを確認する

水道配管は年数とともに劣化するものです。老朽化している場合は配管の交換が必要になるので、工事費用がかかります。水道配管は外から見えない部分なので見落としやすいですが、劣化したまま使用すると、亀裂が生じて水漏れしたり水が濁ったりする恐れがあるので注意が必要です。

水まわりをチェックするときは、洗面所やトイレ、キッチンを中心に床が浮いていたりシミが付いていたりしないか確認しましょう。もし、該当する場合は水漏れが起きている可能性があります。また、カビの発生や下水のにおいがするなど、ちょっとした違和感を持ったときは、水まわりの専門業者に依頼して水道管に問題がないか調べてもらうと良いでしょう。

電気のアンペア数や配線などを確認する

古い住宅の場合、今よりも電気を使うことが少なかったことが原因で、電源のアンペア数が少なかったりコンセントが足りなかったりする可能性があります。これでは、すぐにブレーカーが落ちたり家電を設置したい場所に置けなかったりと、生活に不便が生じるかもしれません。

実際に、生活の中でどのくらい電力を消費するのか、それに伴い、必要なアンペア数を出しておくと物件選びの参考になります。また、コンセントが十分な数あるかも確認しておくと良いでしょう。

建て直しを検討するなら、再建築が可能か確認する

中古物件を取り壊した上で、建て直しを視野に入れている方もいるはずです。しかし、中古物件によっては、再建築不可のものもあります。再建築不可の物件は取り壊して更地にした後、新しく家を建てられないので、新築住宅を検討している方は要チェックです。

以下の特徴が見られる場合は、再建築不可物件に該当している可能性があります。

  • 幅員4m以上の道路に2m以上接していない
  • 道路に接していない
  • 接道幅が2m未満

再建築不可物件かどうかは、役所の窓口で確認できるので、事前に確認しておきましょう

シロアリの被害はないか確認する

木造住宅の場合は、シロアリの被害もチェックしておきましょう。シロアリの被害が深刻化してしまうと、建物の耐震性が低下し、倒壊してしまう恐れがあります。また、シロアリの被害があれば、駆除に費用が発生します。1坪あたり4,500~8,000円ほどが相場なので、シロアリによる被害が大きければ数十万円することもあるでしょう。

安心して住める家かどうか判断するためには、必ず確認しておくべきポイントです。

シロアリによる被害が心配される家には、以下の特徴が見られます。

  • 床がやわらかい
  • 壁や柱を叩くと空洞音がする
  • シロアリの羽や死骸が落ちている
  • 雨漏りが起きている
  • 日当たりが悪く、湿度が高い
  • ガーデニングでウッドチップを使用している

1つでも当てはまる項目がある場合は、浴室や洗面所、トイレなど水を使用する場所の床下をチェックしましょう。自分で判断がつかない場合は専門の業者に依頼するのも1つの方法です。

建物以外にも立地・周辺環境を確認する

中古物件の場合、建物と土地は一緒に売り出されています。建物ばかりに目を向けるのではなく、立地や周辺環境にも注目するべきです。気に入った物件が見つかったとしても、立地や周辺環境に問題があれば、住み心地は悪くなります。

例えば、日当たりや風通しが悪ければ、湿気が溜まりやすく、ジメジメとした空間の中で過ごすことになるでしょう。洗濯物が乾きにくかったりカビが発生しやすくなったり、生活に支障が出てしまいます。他にも、騒音や悪臭などのトラブルはないか、治安はよいのか、生活に欠かせない施設である病院や学校、スーパーなどは近くにあるのかも確認しておくとよいでしょう。

また、住環境は時間帯によっても異なります。昼間だけでなく、夜間もチェックしておくと安心です。

失敗しないリフォーム会社の選び方と注意点

物件の劣化状況や間取りによっては、リフォームが必要になることもあるでしょう。そこで、リフォーム会社の選び方や注意点を紹介します。しっかりおさえて、理想の移住生活を実現しましょう。

リフォーム会社の選び方と種類

リフォームを請け負う会社はさまざまな種類があります。会社の特徴を知っておくことで自分に適したリフォーム会社を見つけやすくなるので、事前に把握しておきましょう。

各会社の特徴を以下にまとめたので、参考にしてみてください。

会社 特徴
リフォーム専門会社 ・リフォームの実績数が多い
・リフォーム全般を請け負っていない場合もある(水廻りのみ・外壁のみなど)
・専門にしているだけあり、スペシャリストが揃っている
ハウスメーカー ・知名度が高く、安心感がある
・耐震工事やオール電化など、ほとんどのリフォームに対応している
・工事費用は高い傾向にある
工務店 ・地域密着型の小規模な会社
・地域の人々からの信頼感が厚い
・会社によっては耐震工事や複雑なリフォームなど対応できないものもある
ホームセンター ・店内で販売している商品を取り付ける作業がメイン
・大掛かりなリフォームには対応していないことがほとんど

リフォーム会社を選ぶときは施工事例を見ておくのもポイントです。ホームページやSNSなどに写真付きで掲載しているので、イメージにぴったりのリフォーム会社が見つかりやすくなります。また、各会社には得意とする施工があるので、リフォームしたい場所や要望にあわせて選ぶのもよいでしょう。

相見積もりをとる

リフォーム会社を選ぶときは、複数社に見積りを出すことが重要です。同じような工事でも業者によって料金は異なるので、いくつかの会社に見積もりを出すことで安く引き受けてくれるところを選べます。

料金をしっかり比較できるよう、3〜4社ほどに見積り依頼を出すのが良いでしょう。

リフォームを安くすませるには範囲を絞り、自分で行うことも検討

リフォーム代を節約したいなら、セルフリノベーションを検討するのも1つの方法です。電気やガス、水まわりの工事は資格者でなければできませんが、壁や天井、床などのリノベーションであれば資格なしでできます。

例えば、壁紙を貼ったり床のフローリングを張り替えたりする作業は、材料さえ揃えれば自分で工事のプロでなくても行えます。

家を自分でリフォームすれば、材料費だけで済むので工事にかかる費用を大幅にカットできるでしょう。

中古物件の購入者が利用できる移住支援制度

自治体によっては、中古物件を購入すると移住支援制度を受けられる場合があります。
以下で支援制度の一例を紹介するので、参考にしてみてください。

自治体 対象者・条件 詳細
千葉県長南町 空き家バンクに登録されている物件を購入、または貸借した利用者 対象事業経費の1/3に相当する額(千円未満切り捨て)
限度額10万円を交付
新潟県村上市 村上市外から移住し、登録物件を改修する方 対象経費の1/3~2/3以内の額(千円未満切り捨て)
補助上限額は100万円を交付
神奈川県海老名市 海老名市内にある空き家の所有者、または空き家購入者、または空き家賃借人の方 10万円以上(税抜き)の工事に対し2分の1助成(千円未満切捨て)
上限50万円を交付

支援制度を活用することで、金銭的に余裕が出れば、中古物件をリフォームするという選択もしやすくなります。リフォームする箇所を増やしたり設備のグレードを上げたり、選択肢も広がります。

中古物件を選ぶ基準の1つになりやすいので、対象者の条件や詳細は事前にチェックしておくとよいでしょう。

参考:千葉県長南町「空き家バンク登録促進事業補助金」
参考:新潟県村上市「空き家の改修費補助制度」
参考:神奈川県海老名市「令和4年度「住宅取得支援事業補助金」について」

中古物件の選び方をおさえて理想のマイホームを手に入れよう

中古物件を選ぶときは劣化状況や耐震性はもちろん、立地や周辺環境にも目を向けるのが重要です。また、物件によっては再建築不可の場合もあるので、将来的に二世帯住宅や建て替えも視野にいれているのであれば、避けるべき物件といえるでしょう。自分にとって理想とする中古物件かどうか判断できれば、移住後の暮らしを豊かにできるはずです。

さらに、中古物件の購入者を対象にした移住支援制度もあります。支援制度を設けている自治体は、移住者の受け入れに積極的な傾向にあります。移住先選びに迷ったときは、支援制度情報からチェックしてみるのもおすすめです。

移住に迷ったらまずはこれ!
LINEでかんたん移住診断。 何でも聞ける、移住の相談窓口 “スタイルチャット”を覗いてみる
インタビューバナーインタビューバナー
ABOUT ME
移住スタイル編集部
移住スタイル編集メンバーが更新します。移住をこれから検討する方のために、移住に関する、最新情報やノウハウをわかりやすく紹介します!
関連記事
移住に迷ったらまずはこれ!
LINEでかんたん移住診断。