都心に比べ土地代が安い地域に移住するのであれば、庭付きの中古物件を購入しその庭を自分たち好みの理想の庭にしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。リフォームというと家の中を優先してしまいがちですが、快適な生活を送るには庭のリフォームについても検討しましょう。
また、家のリフォームを優先してしまい庭のリフォーム費用が残らなかった、ということがないように、庭のリフォーム費用の目安を知って予算をうまく配分し、家の中でも庭でも快適に過ごせるような生活を目指しましょう。
ここでは庭のリフォームの相場をリフォーム全体とリフォーム内容別に紹介します。それに加え、費用を抑えるコツや庭作りに役立つ本を紹介します。移住先の庭を快適な空間にしたい人はぜひ参考にしてください。
庭リフォームの相場
ここでは庭リフォームの相場について説明します。
全体の相場
まずは、庭リフォーム全体の費用についてです。
庭リフォーム全体にかかる費用の価格帯を以下のように分けてそれぞれの価格帯の割合を見てみましょう。
- ~50万円…42-44%
- 50万円~100万円…24%-26%
- 100万円~150万円…16-17%
- 150万円以上….15-16%
庭リフォーム全体にかける費用として最も多い価格帯が~50万円で、リフォーム会社にもよりますが42〜44%がこの金額でリフォームをしています。次に多い価格帯が50万円~100万円で24~26%ほど、そして100万円~150万円で16〜17%ほどとなっています。つまり、~150万円で85%ほどの人が庭リフォームを行っていることになります。
これらのデータからもわかるように、庭のリフォームでは、最も多い価格帯である~50万円を相場と考え、庭の広さや凝った作りにしたいなどの希望によって~100万円、~150万円くらいになると考えておくといいでしょう。
リフォーム内容ごとの相場
庭をリフォームするといっても、庭を整地する、芝生を張るなど、内容はいろいろです。内容が異なれば当然費用も異なります。庭リフォームの全体の相場がわかっても自分たちがやりたいことが含まれているのかどうかがわからないと予算を立てるのが難しいでしょう。ここでは主な庭リフォームの相場について説明します。
庭の整地
庭の整地とは、整備されていない庭の地面を整える庭リフォームのことをいいます。整地の目的は、芝生を張る、砂利を設置する、ウッドデッキをつけるなどのための準備である場合が多く、整地単体で行われることは少ないといえるでしょう。
庭の整地の相場は、約2,500~6,000円/㎡になります。
整地には雑草や土の中に埋まっている小石の除去なども必要です。これは料金に含まれていますが、もし他にも撤去するのが難しいものなどがある場合は、追加料金が発生する場合もあります。
砂利設置
砂利設置は整地した後の庭に砂利を満遍なく敷き詰める庭リフォームのことです。庭に砂利を敷くと、歩いたときに音がするので防犯対策として行うこともあります。砂利を敷く際は、整地した土の上に直接敷くのは避け、防草シートを敷いてから砂利を敷き詰めるようにしましょう。これにより雑草対策に役立ちます。
デザイン性を重視した砂利など、使う砂利の種類によって費用が変わりますので、砂利は予算に応じて選ぶといいでしょう。砂利設置は約500円〜800円/㎡が相場です。
芝生張り
芝生の張り付けは整地した後に芝生を張り付けるリフォームのことです。芝生には天然芝と人工芝があります。天然芝は、地面に根付いて雨でも土が流れにくくなるというメリットがありますが、メンテナンスやお手入れなどの手間に加え、7年程度という寿命があるため定期的に交換する必要があります。一方、人工芝はメンテナンスの手間がかかりませんが、天面芝より価格が高くなります。
芝生の張り付けは、天然芝が約2,500~3,000円/㎡、人工芝は約4,000~6,000円/㎡が相場です。
コンクリート舗装
コンクリート舗装は、整地が終わった後にコンクリートの舗装をするリフォームです。コンクリート舗装は砂利設置や芝生の張り付けと比較し、リフォームの手順が増え、コンクリートが固まるまで時間がかかります。
一方で、雑草対策が必要なくなるため、庭作業に時間を取られることはありません。コンクリートを敷くと歩きやすいという利点もあるので、庭作業に時間を取られたくない人は、コンクリート舗装を検討するのもいいでしょう。
コンクリート舗装は約7,500円〜15,000/㎡が相場です。
造園
造園は庭全体の雰囲気を変えるために花壇を設置するなどのリフォームです。約50万円~150万円が相場です。和風の庭にするなど内容によってはそれ以上の費用が掛かる可能性があります。金額の幅が大きいのでリフォーム会社に望みを伝えたうえで、どのような内容にすればいいのか相談するのがいいでしょう。
ウッドデッキ
ウッドデッキは庭と室内をつないだ、地面より高く設置される木製のテラスのことです。広さによってはテーブルやチェアを置いて、天気のいい日にはのんびりくつろぐことができるので、十分な庭の広さがあればぜひ作りたいものではないでしょうか。
ウッドデッキの材料は天然木と人工樹脂製の2種類があります。天然木は自然な風合いが魅力ですが、雨にも耐えられるように耐水性・耐久性に優れた木を選ぶ必要があります。
一方で、人工樹脂製は、風合いには欠けますが、雨や汚れに強く、メンテナンスの手間も気にならないというメリットがあります。耐久性とデザインの両面を重視して材料を決めましょう。
ウッドデッキは、人工樹脂製の場合は約25,000~35,000円/㎡、天然木の場合は10,000円~30,000円/㎡が相場です。庭に降りられるような階段や手すりを設置する、屋根をつけるなどを追加した場合は価格が高くなります。
費用を抑える5つのコツ
ここでは庭リフォーム費用を抑えるための5つのコツについて説明します。
決めたコンセプトからブレない
庭のリフォームをする際は、眺める、過ごす、遊ぶ(子どもやペット)、家庭菜園といった、どういう目的でリフォームするのか、そして、その目的のために庭をどうしたいのかというコンセプトを明確にしましょう。
コンセプトが明確になっていないと、情報収集をしていくうちにやりたいことがたくさん出てきてしまい、費用も膨らみます。やりたいことが出てきても、コンセプトから外れるものはリフォーム対象から外すことで費用を抑えることができます。
メンテナンス費用も考える
リフォーム時にキレイになっていたとしても、雑草対策が必要だったりとリフォーム内容によってはメンテナンスが必要な場合もあります。メンテナンス費用によってはリフォーム費用を抑えても、数年後には総合的な金額が高価になってしまう場合もあります。メンテナンス費用まで考えたうえで、リフォーム内容を決めましょう。
相見積もりを取る
リフォーム会社に依頼するときは必ず複数社(最低3社)からの見積もりを取ることをおすすめします。先ほど相場を紹介しましたが、リフォーム内容や庭の広さ、庭の状態によって相場は変わってきます。相見積もりを取ることで自分たちがやりたいリフォームの相場を知り、費用と品質に納得できるリフォーム会社に依頼しましょう。
できるところはDIYを行う
リフォーム会社に依頼すれば、費用は高くなってしまいます。どうしてもプロに任せたほうがいいという内容ではない場合、またはこれくらいなら自分たちでできるということがあればDIYに挑戦してみましょう。DIYをすれば材料費だけですみ、リフォーム会社に依頼する際の作業費用分を抑えることができます。
はじめに予算を決めて、その範囲内で行う
はじめに予算を決めてしまうというのも費用を抑えるコツです。決めた予算内で、希望にできるだけ合わせるという方法をとれば、新たに費用が必要になることはありません。予算以上のことは絶対にしないと心に決めて、その中で最大限にできるリフォーム内容を決めていきましょう。
移住先で理想の庭を作るための参考になる本
ここでは、移住先で理想の庭をつくるために参考になる本の紹介をします。
まるごとわかる! 庭づくりDIYの基本
移住先での理想の庭は自分の手で作ろう!と思っている人にピッタリの本です。庭の工事全般と植栽管理のDIYテクニックが満載です。
土をどう取り扱うか、コンクリートやモルタルの使い方、樹木の植え付けや剪定方法などの基本作業から、塀や花壇の作り方、ベンチやテーブル、パーゴラなど庭の工作物の作り方などの実践例まで豊富なイラストで解説しています。
はじめての小さな庭のつくり方
小さなスペースを素敵な空間にするためのガーデニングの手法を紹介した本です。移住先の庭が小さい場合や、庭の中に自分だけの小さな空間を作ってみたいと思う人にはおすすめです。
四季を通じて楽しむことのできる草花の選び方、植え方、管理の仕方の解説に加え、同じ場所が四季を通じてどんな展開になったかの実例の写真も掲載されており、具体的な方法も学べます。
カルチュラル・ガーデン 育つままに、ほったらかしの庭づくり
自分の好みやカルチャーを投影して作られた個人宅の庭の実例を多数紹介しています。雰囲気のいい庭づくりの秘訣、ほったらかしでも心地いい庭を維持するための庭づくり術も学べます。移住先でどのような庭にしようか迷っている人におすすめです。
移住先で理想の庭を作り、快適な生活を送ろう
ガーデニングの本を見ながらどんな庭にしたいかを考え、費用相場を参考に庭作りの目的に合わせてリフォーム内容を決めていく。想像するだけでワクワクしますね。移住する際には庭付きの家を購入し、理想の庭にリフォームして快適な生活を送るのはいかがでしょうか。