移住コラム

新築住宅取得で利用できる補助金制度とは?種類や注意点も紹介

移住先での新築住宅の取得には高額な費用がかかります。少しでも負担を減らすためには補助金制度を利用するのがおすすめです。しかし、「どのような制度があるの?」「自分に当てはまるの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、新築住宅取得に関する補助金制度について紹介します。制度を利用する際の注意点についても解説しているので、移住を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

新築住宅に適用できる主な補助金の種類

補助金にはさまざまな種類がありますが、ここでは新築住宅に適用できる主な補助金の種類を4つ紹介します。

建築費用の補助

一定の要件を満たした住宅を建築した際に、建築費用の補助金が受け取れる制度です。内容は実施している自治体によって異なりますが、数百万円ほどが支給され、費用を大きく抑えやすいのが特徴です。

ただし、地方創世を目的として行っている自治体が多いため、「子供がいる世帯に限る」「〇年以上住む」などの条件が付いていることがあります。

利子の補助

一定の要件を満たした住宅の取得(新築・購入)に対し、住宅ローンや借入金の利子を補助する制度です。子育て世帯に対するもの、被災地の復興支援に対するものなど、自治体によって対象要件は異なります。

補助額も自治体によって差がありますが、数十万円前後になることが多いです。

住宅エコ化にかかる費用の補助

一定の省エネ性能等の要件を満たした住宅の取得・改修に対して補助する制度です。太陽光パネルやLED照明の設置、節水型トイレの導入などの際に利用することができます。

補助金の額は数十万円前後を上限に定められていることが多いです。

また、住宅エコ化は自治体に加えて国も実施している制度で、様々な内容のものが用意されています。比較的申請しやすい制度なので、移住先の住宅のエコ化を考えている人は確認しておきましょう。

物件の解体費用の補助

物件の解体工事をする際に一部費用を補助する制度です。中古物件を解体し新築物件を建てる際に適用することができます。大がかりな工事が必要になることから支給される金額も多く、最大で数百万円ほどが受け取れることもあります。新築物件の工事費用を大きく抑えるのに大きく役立つ制度だと言えるでしょう。

また、数多くの自治体で実施されているので、利用しやすい制度でもあります。

新築住宅に適用できる国の補助金

続いて、新築住宅に適用できる国の補助金の種類を見ていきます。国から支給される補助金には主に3つあります。

こどもみらい住宅支援事業

子育て世帯や若者世帯を対象に、省エネ性能を有する注文住宅に補助金を支給する制度です。

補助額は住宅の性能に応じて異なり、ZEH住宅(家庭で使用するエネルギーと太陽光発電等で生み出すエネルギーが、ほぼ同じ量である住宅)で100万円、高い省エネ性能等を有する住宅(認定長期優良住宅・認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅)で80万円、一定の省エネ性能を有する住宅(断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4の性能を有する住宅)で60万円です。

補助金の交付申請における手続きに関しては、建築事業者が行うため、建築主自身で申請を行う必要はありません。

ただし、この補助金の対象となるには、こどもみらい住宅事業者と工事請負契約を締結する必要があるので注意が必要です。

参考:こどもみらい住宅支援事業【公式】

ZEH支援事業

ZEH支援事業は、ZEHの新築・購入・改修を支援する事業です。住宅の性能によってもらえる金額に差がありますが、55万~112万円が支給されます。

対象要件としては、新築住宅を建築・購入する個人であること、ZEHビルダー/プランナーが関与(設計・建築・販売)する住宅であることなどが定められています。また、申請手続きの際にはZEHに関する専門的な知識を要します。知識がないと、申請をするのに苦労してしまうかもしれません。心配であればZEHビルダー/プランナー(ZEHを建てることを認定された工務店やハウスメーカー)に任せるとよいでしょう。

参考:SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|令和4年度 経済産業省および環境省による戸建ZEH補助事業

参考:2022年の経済産業省と環境省のZEH補助金について

地域型住宅グリーン化事業

地域型住宅グリーン化事業は、省エネ性能や耐久性等に優れた木造住宅を取得した際に補助金が交付される制度です。支給される補助金の額は対象となる住宅の種類によって異なります。

  • 長期優良住宅:110万円
  • 高度省エネ型(認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅):110万円
  • ゼロ・エネルギー住宅:140万円
  • 省エネ改修型:50万円
  • 木造建築物型(非住宅)(建築面積1m2当たり1万円):1,000万円

工事内容や住宅の種類によっても変わりますが、支給される金額が大きいのが特徴です。

対象要件には、木造住宅であること、グループの構成員である中小住宅生産者等(工務店やハウスメーカー)により供給される住宅の新築であることなどが定められています。

参考:補助事業の概要

新築住宅に適用できる自治体の補助金

新築住宅に適用できる補助金制度には、自治体によってさまざまな種類があります。ここでは、新築住宅取得に関する補助金制度を5つピックアップして紹介します。

勤労者住宅資金利子補給金「神奈川県相模原市」

勤労者が相模原市内で住宅の新築・購入・増築する際に、借入金の利子の一部を補助する制度です。対象となるのは中央労働金庫(神奈川県内の支店)で融資期間が10年以上かつ、借入額が100万円以上600万円以内の場合です。

金額は定められておらず、借りた費用の利率に応じて決定されます。そのため、人によって支給額が変動するのが特徴です。

また、補助金が受けられる期間は利子の返済開始月から2年間です。加えて、申請には、融資機関や勤務先の証明書、住民票の写しなどの書類が必要になります。

参考:住宅資金借入の際の助成制度|相模原市

岐阜市中心市街地新築住宅取得助成事業「岐阜県岐阜市」

岐阜市の中心市街地において、住宅の新築・購入のために住宅ローンを組んだ場合、その費用の一部を補助する制度です。2人以上の世帯で、借入金の返済期間が10年以上の場合に対象となります。

また、対象となる住宅は、認定長期優良住宅(長く良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅)や一定の性能評価を受けた住宅のみなので、事前に確認しておくことが重要です。

助成額は借入金の10%以内と定められており、もともと市内に住んでいた人の場合は上限が40万円、世帯に市外からの移住者が含まれる場合は上限が60万円となっています。

また、申請には住民票や検査済証などの書類が必要です。

参考:令和4年度まちなか居住支援事業(岐阜市中心市街地新築住宅取得助成事業)|岐阜市公式ホームページ

景観形成住宅等建築奨励金制度「北海道函館市」

函館らしい歴史的な景観に配慮して建てられた建物(和洋折衷様式)に対し、補助金を交付する制度です。北海道函館市の西部地区は歴史的な建築様式を受け継ぐ建物が数多くあり、その景観の保全を目的としてこの制度があります。

補助金の額は、建物の外観の工事にかかる費用の40%以内で上限額は200万円です。この補助金は予算額に達した時点で申請が締め切られるので、申請可能か事前にチェックしておくことが重要です。また、補助金を受けた建物はパンフレットや市のホームページに掲載される場合があるので注意しましょう。

参考:景観形成住宅等建築奨励金制度 | 函館市

空き家解体跡地利活用事業補助金「長野県長野市」

空き家の解体跡地に住宅を建築する際、発生する費用に対して補助する制度です。空き家の所有権があり、年収が1,200万円以下の人を対象としています。補助額は、対象となる費用の20%以内で、最大100万円です。

補助額は大きいですが、予算の都合で受付が終了する場合があるので事前に申請可能か確認しておきましょう。

補助対象となる申請者は、個人であること、相続人がいる場合は全ての相続人から承諾を得ていることなどの要件があります。また、申請には補助金交付申請や空き家使用状況報告書などの必要書類を揃えて、市の審査を受ける必要があります。

参考:空き家解体跡地の利活用事業補助金について – 長野市ホームページ

新築購入移住奨励金「佐賀県伊万里市」

佐賀県伊万里市に5年以上の居住を目的に、住宅を購入し転入した世帯に対して補助金を支給する制度です。まず転入補助金が30万円支給され、子供の数に応じて追加で1人あたり20万円(上限60万円)が受け取れます。また、住む地域によっては追加で10万円が支給され、最大100万円を受け取ることが可能です。

ただし、補助金を交付し、5年以内に市外へ移住した場合は補助金を返還しなくてはいけません。また、交付の申請には、購入した住宅の全景写真や住民票など、いくつか必要書類があります。

参考:令和4年度新築購入移住奨励金/伊万里市

補助金制度を利用する際の注意点

補助金制度を利用する際には注意点があります。ここで紹介する4つのポイントを押さえておきましょう。

申請期間を確認する

補助金制度の多くは、受付期間や申請期間が設けられています。受付期間や申請期限が過ぎてしまうと、補助金を利用できない可能性があるので注意が必要です。事前に公式サイトで受付期間・申請期間を確認しましょう。

また手続きの申請は自身で行うことも可能ですが、委任手続きを通して、事業者が行うケースも多くあります。工事のスケジュールによっては期間を過ぎる可能性もあるため、自身でもスケジュールを確認しておくとよいでしょう。

予算の上限を確認する

補助金制度の中には予算の上限が定められているものがあります。予算の上限に達すると、申請期間内であっても受け付けが終了してしまうため注意が必要です。

予算の上限が決まっているものは先着順となるため、上限額がどのくらいか、現在どのくらい予算の枠が残っているかなどを、公式サイトによる問い合わせページから事前に問い合わせて確認するとよいでしょう。

確定申告が必要な場合がある

補助金の中には非課税所得ではなく、一時所得に区分されるものもあります。一時所得になる補助金が合算して50万円を超えた場合は確定申告が必要になるため、注意しましょう。事前に申請予定の補助金が何に区分されるのか確認しておくのが望ましいです。

補助金制度の併用ができない場合がある

原則として、国の補助金制度を併用することはできません。例えば、太陽光パネルを設置する際に、住宅のエコ化に関する国の制度に2つ同時に申請するのは不可能です。そのため、国の補助金を利用する際には、金額や条件などをよく確認したうえでどれに申請するのか判断することが大切となります。

ただし、国の補助金と自治体の補助金は財源が異なるため、併用することができます。補助金を併用する際には、自治体の補助金も利用するようにしましょう。

ただ注意したいのは、自治体の補助制度であっても、国の財源が充当されている場合です。国の財源が基になっている自治体の補助金と国の補助金は併用できません。補助金制度が併用できるかどうかは、事前に窓口に問い合わせるなどして確認しておきましょう。

補助金を活用して費用を抑えて移住しよう!

新築住宅の取得の際には、国や自治体などさまざまな補助金制度を利用できます。

ただし、利用のための条件や支給額には差があるので、事前によくチェックしておくことが重要です。また、補助金によっては申請期間が決められていることもあるので、過ぎてしまわないように注意しましょう。

とはいえ、補助金制度は移住先で新築住宅を建てる費用を大きく軽減してくれます。積極的に活用して移住を進めましょう。

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